「俳壇」7月号に「円覚寺」10句が掲載されています。
筍や夢窓国師の夢の中 櫂
「俳壇」7月号に「円覚寺」10句が掲載されています。
筍や夢窓国師の夢の中 櫂
6月9日の「聖教新聞」に『俳句の誕生』の書評が掲載されています。
井上康明主宰「郭公」7月号に柿沼茂さんによる『俳句の誕生』書評「俳句の生まれる空白の時空」が載っています。
野中亮介主宰「花鶏(あとり)」100号記念号(5、6月号)に「昼寝」3句が載っています。
女湯の女さまざま牡丹かな 櫂
6月27日の朝日新聞夕刊に『俳句の誕生』インタヴューが掲載されています。筆者は赤田康和記者、写真は上甲鉄カメラマンです。
・第1句座
【☆特選】
青空を破りて瀧の落ち来たり ちよこ
軽鳧の子の流されてゆく花藻かな 光枝
【特選】
富士山とつながつてゐる泉かな 寛子
でで虫の背にある家のさびしさよ 空
手を入れて世界透けゐる夏の川 一郎
おそれつつ神の使いの鰻食ぶ 春日美智子
さみだれに覚めさみだれに眠りけり 昭子
梅をもぐ梅より青く子どもかな 昭子
ひやうひやうと草笛を吹く人は誰 栄順
豆腐売り切れて涼しき水の音 一郎
見えてゐるばかりが虹と思ふなよ 二本
遙かより水の湧きくる昼寝かな 二本
藻の花の首あげて見る浮世かな 沙羅
さらはれてバケツで眠る金魚かな 一郎
美しき島に生まれて沖縄忌 二本
【入選】
軽鳧の子を踏んづけさうに親歩く 沙羅
つま先の先太平洋籐寝椅子 克実
わけ入れば神代の暗さ泉かな 昭子
氷浮く水ごと掬ふ水饅頭 光枝
蟇己が体をもて余す ちよこ
狩野川の鮎はわさびの香りかな 二本
軽鳧の子のつつきて遊ぶ花藻かな 光枝
青嵐戦あるなと大兜太 まさ子
梅雨晴や岩に重なる亀また亀 桂久
青山河十七音もて響かせん 昭子
鳧の巣を残して帰る耕運機 紀子
軽鳧の子のつぎつぎ出づる親の影 沙羅
梅雨深し言の葉しづむ水の底 光枝
海涸れて三百年や青田風 桂久
三島市は落し文の形である 通江
渋団扇ふつと一人の世界かな 通江
藻の花や富士千年の水の中 沙羅
遠ざかるほどに大きな夏帽子 一郎
藻の花にゆらめき出づる富士の山 光枝
・第2句座
【特選】
花南瓜恥かきしまま四十年 昭子
【入選】
爪を切るうしろ姿や梅雨深む 寛子
万緑の枝差し交はす句会かな 二本
白シャツの花のやうなる子どもかな 沙羅
黒塗の椀は茗荷のご飯かな 寛子
水に落ちて青柿一つ流れゆく 光枝
五月雨の沖へ出でゆく大河かな 二本
閑かさのまたやつてくる昼寝覚 空
昼寝覚部屋中のもの目覚めゆく 空
岩手、宮城、福島で開いている「みちのく句会」。今年からペースを上げて一月おきに出かけているが、最近しだいに調子が出てきた。調子が出てきた、というのは句会の進め方などではなく、参加者の俳句のことである。以前は型どおりの句が目についたが、このごろはその人らしさ、その先に「みちのく」という土地の風貌が透けてみえる句が並ぶようになった。
五月は白河の関の近く南湖の翠楽苑であった。
水の飯産土の物語せん 和子
蟻の道地球の一部いつも飢餓
「水の飯」とは水飯のこと。お茶漬けのお茶の代わりに冷たい水をかけて食べるご飯。歳時記は夏の食欲減退期のさっぱりした食べ方などと解説しているが、「産土の物語せん」とおいたことによって、かつて困難な暮らしを営んできたこの土地の長く分厚い歴史に触れる句になった。
蟻の道からいきなり地球上のどこかで今も起きている飢餓に想像が及ぶのも、この土地の人の感性ではないか。
みちのくの母となりけり粽結ふ 稔子
この句の「みちのくの母」もこの厳しい土地で子を産み、育ててきた逞しくも哀しい母なのである。
更地とは片陰もなくなりしこと 十悟
制服を透ける屍衣更 翠
ゲストとして参加された長瀬十悟さんの句。東日本大震災の被災地、片陰さえないとは哀しい。
同じくゲストの照井翠さんの句。津波で落命した子どもに衣更えさせてやりたかったというのだ。
みちのくの山百文の青芒 春男
白河以北一山百文。幕末の薩長軍がこの土地をそう嘲った。その侮蔑さえ柔らかく受け止めて一句にした。
梨の木にラヂオ聞かせて受粉かな 主明
「梨の木にラヂオを掛けて」ならよくある句。木もラジオを聞く国なのだ、みちのくは。(「古志」2018年7月号「俳句自在」)
句集『沖縄』(2015年、青磁社)の英語版『Okinawa』がアメリカの出版社Red Moon Pressから出版されました。英訳はデイヴィッド・バーレイさんと田中喜美代さん。
ツイッターでは英語と日本語で、一句づつあげていきます。更新は不定期です。
「お気に入り」のKai Hasegawa/Twitterから入ってのぞいてみてください。
【特選】
あの頃の君さながらの花柚かな 04_宮城 長谷川冬虹
さびしさの宇宙の果てに昼寝かな 11_埼玉 上田雅子
短夜や半分読みし禅の本 13_東京 柴田清栄
箱庭に灯らぬ家のありにけり 14_神奈川 金澤道子
梅雨寒のどこかの窓が開いてをり 14_神奈川 山本孝予
草矢飛ぶどこへ飛んでも草の国 23_愛知 稲垣雄二
さみだれや犬しぶしぶと合羽着る 23_愛知 青沼尾燈子
夕影の十薬いよよ開くかに 26_京都 諏訪いほり
田の水に光ころがる五月晴 27_大阪 内山薫
ダイバーのまはりはなやか熱帯魚 38_愛媛 岡崎陽市
海がめののしのしあるく孤独かな 38_愛媛 岡崎陽市
人去りて神々降りる植田かな 42_長崎 川辺酸模