古志鎌倉ズーム句会(2024年5月18日)
第一句座
•藤英樹選
【特選】
夏の月リボンのやうな高速路 澤田美那子
これよりの暑さ恐ろし古茶を汲む 森永尚子
滝壺に滝落ちてゆく涼しさよ おほずひろし
【入選】
大皿でどんと高知の初鰹 澤田美那子
籐椅子や捨つるに惜しき色艶に 田中益美
木洩れ日の糺の森や蛇過る わたなべかよ
家族して葵祭を二階より 木下洋子
少子化の国や愛しき鯉のぼり 西川遊歩
厳島イソヒヨドリのうた合戦 西川遊歩
研ぎ上げてかざす包丁緑さす 葛西美津子
•長谷川櫂選 (推敲例)
【特選】
逃水の平和を追うて八十年 萬燈ゆき
トラックにぶら下げて売る竹夫人 西川遊歩
滝壺へ滝落ちてゆく涼しさよ おほずひろし
全力の花びら五枚ハイビスカス イーブン美奈子
【入選】
家族して葵祭を二階から 木下洋子
これよりの暑さ恐ろし古茶を汲む 森永尚子
自由の斧平等の斧蟷螂生る 関根千方
生粋の飛騨のをとこや柏餅 萬燈ゆき
研ぎ上げてかざす包丁緑さす 葛西美津子
この年で母に叱られ扇風機 森永尚子
第二句座 ( 席題:葛饅頭、虹 )
•藤英樹選
【特選】
日和下駄気まぐれに食ふ葛桜 西川遊歩
風少しほしき夕べや葛桜 澤田美那子
東京へ帰る車窓や虹立ちぬ わたなべかよ
【入選】
み吉野の風なつかしき葛饅頭 きだりえこ
くらやみの花の香りや葛ざくら 森永尚子
大垣の涌き水豊か葛まんぢゆう わたなべかよ
一つではまだ物足りず葛まんぢゆう 森永尚子
諍いの地球へ多き虹かかれ きだりえこ
九十の母の手どりの葛桜 長谷川櫂
•長谷川櫂選 (推敲例)
【特選】
皿にとる水の曇りの水饅頭 葛西美津子
【入選】
虹消えて青空になほあるごとく 藤原智子
半世紀母でありけり葛饅頭 イーブン美奈子
葛まんじゅう櫻花壇の大広間 西川遊歩
風少しほしき夕べや葛桜 澤田美那子
手をとりて母との旅や葛桜 葛西美津子
葛ざくら小さき虹のかかりけり 関根千方