古志仙台ズーム句会(2022年7月23日)
第一句座
・長谷川冬虹選
【特選】
薔薇一輪挿して涼しき厠かな 青沼尾燈子
ほそぼそとこの国を守る蚊遣香 平尾 福
クレーンが恐竜と化し大西日 上 俊一
いつの間に猫が隣に夕端居 及川由美子
【入選】
かんかん帽胸に納める棺かな 佐伯律子
初蝉や野辺の送りに鳴きやまず 佐伯律子
戦争のラヂオ聴きをり蚊遣香 平尾 福
薄き紅宿して真白芹のはな 甲田雅子
野馬追や初陣大将十四歳 甲田雅子
ざぶざぶと羽洗ひけり扇風機 上村幸三
閉校の校歌に謳ふ青山河 武藤主明
ハンカチの児の名組の名薄くなり 阿部けいこ
・長谷川櫂選
【特選】
夏の蝶のまれる空の怒濤かな 上村幸三
ざぶざぶと羽洗ひけり扇風機 上村幸三
肌脱ぎの夫婦歳月流れけり 齋藤嘉子
どたり寝て死ぬるを待つや犬の夏 青沼尾燈子
明易し机の上の山河かな 上村幸三
【入選】
籐椅子は犬に取られてしまひけり 平尾 福
戦争のラヂオ聴きをり蚊遣香 平尾 福
野馬追や初陣大将十四歳 甲田雅子
母と吾と皿二枚かふ夜店かな 服部尚子
十薬を刈りて家中むせ返る 武藤主明
閉校の校歌に謳ふ青山河 武藤主明
人殺す演習の音夏の富士 青沼尾燈子
第二句座(網戸、兜虫、紫蘇)
・長谷川冬虹選
【特選】
唐獅子の目のよく光る網障子 甲田雅子
妻戻る花束のごと紫蘇抱き 伊藤 寛
この家は出入り自由の網戸かな 平尾 福
兜虫この地に生れし者同士 佐伯律子
【入選】
灯して網戸の中の夕餉かな 伊藤 寛
母在らば一言あらん紫蘇を揉む 武藤主明
青紫蘇の花一粒の涼しさよ 長谷川櫂
夕食の声のもれゐる網戸かな 川辺酸模
甲虫探して森の闇に入る 宮本みさ子
味噌つけて青紫蘇つけて焼きむすび 佐伯律子
張り替へし網戸よ部屋は森のごと 谷村和華子
太陽やはやぐつたりと紫蘇畑 長谷川櫂
・長谷川櫂選
【特選】
母在らば一言あらん紫蘇を揉む 武藤主明
妻戻る花束のごと紫蘇抱き 伊藤 寛
夕食の声のもれゐる網戸かな 川辺酸模
この家は出入り自由の網戸かな 平尾 福
犬がつけし網戸の傷やなつかしき 那珂侑子
【入選】
網戸からカレーの香る隣かな 川辺酸模
張替しばかりの網戸波打てり 武藤主明
八百屋より赤紫蘇入荷と電話あり 谷村和華子
カルピスでまんまと仕留め兜虫 及川由美子
味噌つけて青紫蘇つけて焼きむすび 佐伯律子