古志祇園会句会(2022年7月17日)
祇園祭の山鉾巡行が7月17日(日)、3年ぶりに行われました。古志京都句会も3年ぶりに当日、京都市内で句会を開きました。
第一句座(五句投句)
・氷室茉胡選
【特選】
あす動く鉾しづもりて眠りえず 安藤 久美
長き長き夢よりめざめ鉾動く 長谷川 櫂
ひとつまた年を積みては祇園会へ 澤田美那子
【入選】
するすると縄巻かれゆき鉾となる 藤井 洋子
一番籤静かに山を建てはじむ 澤田美那子
疫病みの世を今巡る鉾と山 稲垣 雄二
鉾すすむでんとありけり東山 木下 洋子
帯に差し手にも団扇の祇園かな 花井 淳
三年を斧研ぎゐしや蟷螂山 安藤 久美
しんがりの船鉾送り句会へと 田村 史生
生きて又この千年のコンチキチン 藤 英樹
・長谷川櫂選
【特選】
鉾立や安堵歓喜の顔揃へ 氷室 茉胡
炎天の雪を香らせ孟宗山 澤田美那子
太祇の句口ずさみゆく鉾祭 藤 英樹
【入選】
鉾粽求むマスクの人の列 木下 洋子
蟷螂山三年ぶりの羽広げ 木下 洋子
三年の昼寝から覚め鉾囃子 飛岡 光枝
しんがりの船鉾送り句会へと 田村 史生
長刀鉾少し傾く暑さかな 田村 史生
月一字染めて浴衣や腰に笛 稲垣 雄二
第二句座(十句投句)
・氷室茉胡選
【特選】
引きはじめ鷹山衆の底力 梅田恵美子
生稚児の少年の夏終りけり 田村 史生
船鉾やさまざまな波乗り越えて 木下 洋子
【入選】
一泊の京の夜遊び鉾祭 稲垣 雄二
宵山の地べたに座る青春よ 稲垣 雄二
粽売る浴衣と同じマスクして 飛岡 光枝
祭笛三年分の想ひこめ 木下 洋子
よき風を力としたり鉾廻す 藤 英樹
我もまた人出の一人宵祭 木下 洋子
山鉾を待ちて会所に女房衆 田村 史生
月の鉾雫きららに立ち上る 安藤 久美
・長谷川櫂選
【特選】
宵山の地べたに座る青春よ 稲垣 雄二
生稚児の少年の夏終りけり 田村 史生
川風や二間ひろげて簟 安藤 久美
鉾といふ鉾ふるひたつ夕立かな 安藤 久美
簾屋は簾編みをり宵祭 飛岡 光枝
祇園会の人にたぢろぐ老いしかな 澤田美那子
木賊山こよひ木賊に旅寝かな 藤 英樹
【入選】
綾傘鉾傘の紅顔染めて 飛岡 光枝
一泊の京の夜遊び鉾祭 稲垣 雄二
蟷螂山金のまなこに雲の峰 田村 史生
早々と売切れ御免鉾粽 梅田恵美子
地下鉄は地中深くをこんちきちん 澤田美那子
山建つや一本松を力とし 宮本みさ子
観衆も共に回さん一の鉾 田村 史生
生稚児よよき夫となれ父となれ 稲垣 雄二
長刀鉾熱気に鉾の縄ゆるぶ 氷室 茉胡
鉾廻し竹散り水散るなかにかな 藤井 洋子
煩悩をぐるぐる巻きや観音山 安藤 久美