古志鎌倉ズーム句会(2021年4月11日)
第一句座
•藤英樹選
【特選】
山吹も葺きてほろほろ花御堂 葛西美津子
湯に映る百の椿や箱根山 西村麒麟
花冷えや旅に護衛の正露丸 西川遊歩
春の月裸をのせる体重計 森永尚子
【入選】
桜湯の米寿卒寿に白寿かな 升谷正博
穿きなれたジーパンやさし花大根 湯浅菊子
春陰や湧き水のぞく子供たち おほずひろし
水切つて芹ざくざくとかき揚げに 田中益美
百歳の母と桜の話など 神谷宣行
•長谷川櫂選
【特選】
入学式道ゆく人に祝はるる 藤原智子
櫛一つ譲り受けたり花の旅 西村麒麟
夕桜会はねば遠き人ばかり 曽根崇
二才の子タンポポごとにしやがみこむ 田中益美
【入選】
甘茶仏小さし甘茶の杓小さし 金澤道子
灌仏の日よ野の花も木の花も 葛西美津子
菜の花や海を穢すな汚染水 吉田順子
初獲りや栄螺突き上げ海女浮かぶ 園田靖彦
水切るや芹ざくざくとかき揚げに 田中益美
湯に映る百の椿や箱根山 西村麒麟
春の月裸をのせる体重計 森永尚子
杣出しを終へて一服花ふぶき 木下洋子
チューリップ心を覗く如覗く 藤英樹
八重桜けふも退屈昼下がり 葛西美津子
いつか又かの墨堤の桜餅 澤田美那子
第二句座(席題:遍路、野蒜)
•藤英樹選
【特選】
遍路笠草に坐れば草あはれ 長谷川櫂
店番の子や庭先に野蒜売る 長井はるみ
タンカーのよろよろ寄るや遍路道 園田靖彦
お四国の子はみなやさし遍路杖 澤田美那子
道草も欲の一つや遍路ゆく 関根千方
【入選】
海鳥の声ばかりなる遍路道 西村麒麟
日と月の間をひとり遍路かな 長谷川櫂
遍路道茶店の犬に案内され 木下洋子
徒遍路歩幅日に日に狭くなる 曽根崇
真つ新な杖お四国の土に突く 金澤道子
•長谷川櫂選
【特選】
早朝の大きな月や遍路笠 西村麒麟
杖の音つづく遍路の夕まぐれ 升谷正博
遍路笠月を目指してゐる如く 西村麒麟
一合の酒にとろりと花遍路 藤英樹
遍路笠やうやく破れきたるかな イーブン美奈子
道草も欲の一つや遍路ゆく 関根千方
【入選】
遍路道仲よくなりし二人かな 田中益美
遭ふ人に鈴ひと振りや遍路笠 曽根崇
足挫きすがる形見の遍路杖 神谷宣行
ぼろぼろの地図懐に遍路ゆく 関根千方
遍路笠二つ並んで山寺へ 木下洋子
父母の間を歩く遍路の子 わたなべかよ
掘り出だす玉の光りの野蒜かな 西川遊歩
遍路道すこし外れて西行庵 澤田美那子
すつと抜く玉のひかりの野蒜かな 葛西美津子
酒臭き僧が道づれ花遍路 神谷宣行
真つ新な杖お四国の土に突く 金澤道子