うたたね歌仙「鯨の巻」の感想
何回か参加させて頂いた歌仙ですが、縄跳びの輪の中になかかな入れず、脇で見ているような気分になります。初折の裏五、六、七句目辺りは上手い展開で勉強になりました。(善子)
初めの3句と挙句がきれいで、こういう表現に憧れます。俳句と同じで「?」句が多い私には勉強すること
ばかりです。歌仙が巻き上がるたび、長い旅からもどりすぐまた旅に出たくなる気持ちになります。(恭子)
今回はじめて句を選んでいただきました。とても嬉しく思っています。今回印象に残ったのは、挙句「春を探して春はさまよふ」です。拙句に付けていただいたのですが、全体を締めるのにぴったりの句だと思いました。まだまだ見様見真似でやっている面が多いですが、皆さんの句はどれも優れていて大変勉強になります。未熟ながらこれからも精進してまいります。(文)
歌仙に参加させてもらい1年足らず、毎回付けの間合、転じかたわからずで四苦八苦しています。名残の裏2〜猫が女房女房〜こんな付句があるなんて!とぼけた滑稽味があり思わず笑いました。(祥子)
全国から連衆が日々ネットで座を囲み、歌仙を巻ける楽しさ、仲間意識や連帯感も生れています。が、我が付句は、付き過ぎと思えば、離れすぎたる(?)ばかり。丁度いい距離感難しく、時事句も同じくです。一郎さんの発句に、同じ作者の挙句で締めくくった快挙に拍手を送ります。名残の表の初句のシェラザードへの飛翔力は、すばらしいと感じました。(遊歩)
名残の裏の展開が印象的でした。一句一句の言葉運びが
的確で、かつ内容も面白い。特に「忘れた頃の春の大雪」には膝を打ちました。(光枝)
毎日付け句を考えている時は暗闇の迷路にいる気分です。ある方に「歌仙は百回巻けば少しはわかる」と言われたことがたことがあります。ほど遠い道のりです。捌きの櫂先生、清記の松太さま、連衆の皆様に感謝しております。(真知子)
初表六の「菊の香」と名表十一の「香るか垣の菊」がちょっと気になりました。(松)
*捌きの失敗。「月光をあびて香るか垣の菊」と直してください。
名残表の六 ホワイトハウスの句。即妙の一句ににやりとしました。名残表の十一 月の句。捌きのコメントの通り前句をよく見ての美しい転じ方だと思いました。
日々勉強になる事ばかりです。(雅子)
印象句は初折の四句、妖艶な前句を上手受けてけての恋離れ。連衆と同じ舟に乗り歌仙の川を下りながら花を愛で月に感じ、挙句の先に大海原を見る醍醐味。やめられません。時々舟から落ちそうになるけど、歌仙あっての毎日です。(りえこ)
「挙句 春を探して春はさまよふ(春)」上手いなと思いました。「五 閑散とした街中を飛花落花(春・花)」によく付いていますし、発句の「海を呑み海に呑まるる鯨かな(冬)」とも、響き合っていると思います。リフレインが効いていますね。作者をみれば一郎さん。このような句の作り方が得意に思われます。私は「?」の句が多く反省しきりです。(酸模)
四 落つる覚悟の紅を濃いめに
前句をより生き生きとし、表情がクローズアップされた上で心情も見えてくる魅力的な付句でした。歌仙を重層的にする役目を果たしたと思います。(一郎)
*三玉に始まり、三玉に終わる。
「鯨の巻」ではありがたいことに三句採用していただきました。時事三句です。他の連衆の採用句と違い、私の句には詩的要素が大きく足りないと自覚しました。
今後は、時事であろうとそうでなかろうと、詩としての厚みを意識して句作に当たりたいと思っています。引き続き一番後ろからついていかせていただきます。よろしくお願いします。(尾燈子)
*三句とも働きのある句です。
印象に残った付け句
初折の表に第三句 <真夜中のラジオ>のような句が入ると、歌仙全体の味わいが複雑になり良いと思いました。
2 初折 裏 三句目
恋句を含め、きちんと落とすべき局面。エエロチック、グロテスクな句が要求される局面で、常に、捌きに頼らざるを得ない。不甲斐なく思います。(隆子)
全く初めての歌仙でしたが、思い切って参加させて頂きました。途中、鯨の波に呑み込まれそうでした。前句と付け句のバランス?が難しかったです。句の解釈度がまだまだだと実感。一歩踏み出したので、また一歩出てみます。
名裏2〜猫が女房〜’が’ってこられ、驚異の展開!
お手上げ状態でした。ありがとうございました。(陽子)
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第五十巻 鯨の巻
【初折の表】
発句 海を呑み海に呑まるる鯨かな 三玉一郎(冬)
脇 宇宙の闇に雪降りしきる 松太(冬)
第三 真夜中のラジオにそつと耳すます 文(雑)
四 ふたつ並んで走る台風 一郎(秋)
五 愛猫を探して歩く月明り 松太(秋・月)
六 菊の香こぼす路地の家々 酸模(秋)
【初折の裏】
初句 広島の議席一億五千万 尾燈子(雑)
二 オタフクソースたつぷりかけて 遊歩(雑)
三 うなじからへそのあたりへ舌這はせ 櫂(雑・恋)
四 クルーズ船の部屋は別々 陽子(雑・恋)
五 運命の氷山の影黒々と 光枝(雑)
六 海へ逃げ出す鼠らの群れ 酸模(雑)
七 夏草のバンザイ岬月照らす 恭子(夏・月)
八 夫妻で巡る鎮魂の旅 尾燈子(雑)
九 髑髏一つづみな名前あり りえこ(雑)
十 源平絵巻春の夜の夢 遊歩(春)
十一 首ながく判詞待ちをり花の庵 恭子(春・花)
折端 眠るに惜しきけふの朧夜 松太(春)
【名残の表】
初句 シェラザートささやくやうに物語り りえこ(雑)
二 闇を駆けくる盗賊の群れ 松太(雑)
三 ひつそりと裏門による影と影 善子(雑)
四 落つる覚悟の紅を濃いめに 朝子(雑・恋)
五 好色の猿そつくりの好々爺 櫂(雑・恋)
六 ホワイトハウスに短夜の月 隆子(夏・月)
七 老同士口角泡の選挙戦 尾燈子(雑)
八 律儀に守る一汁一菜 光枝(雑)
九 持山の杉も檜も大木に 真知子(雑)
十 また動きたる鵙の早贄 光枝(秋)
十一 月光をあびて香るは何の花 善子(秋)
十二 白寿を祝ふ秋刀魚のけむり 一郎(秋)
【名残の裏】
初句 名人は高座で寝入ることも芸 恭子(雑)
二 しつかりものの猫が女房 遊歩(雑)
三 欠伸して人待ち顔の庭の犬 祥子(雑)
四 忘れた頃の春の大雪 雅子(春)
五 閑散とした街中を飛花落花 文(春・花)
挙句 春を探して春はさまよふ 一郎(春)
