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俳句的生活

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作成者アーカイブ: 田中 益美

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古志鎌倉ズーム句会(2021年2月14日)

俳句的生活 投稿日:2021年2月15日 作成者: 田中 益美2021年2月16日

第一句座
•藤英樹選
【特選】
龍太忌や背筋を伸ばす春の山     神谷宣行
蜷ゆくやいつかの道は選ばざる    関根千方
外套や馥郁と男ありにけり       長谷川櫂
山越えて笊売りが来る龍太の忌     木下洋子
山盧まで道遥けしや龍太の忌     喜田りえこ
冬麗のつもりて白し浅間山       長谷川櫂
隆々と龍太の臍や山ざくら       神谷宣行
【入選】
紅梅やえやみの世など知らぬかに   吉田順子
水の音山蘆に春の来てゐたり     木下洋子
みそさざいの声冴え冴えと龍太の忌  仲田寛子
あふみのみたぶたぶ満つる雪解水   園田靖彦
香り立つ後山の春や龍太の忌     西村麒麟
白梅に蕾みたるものみな光        藤原智子
風折れの枝のささくれ鳥の恋     升谷正博

•長谷川櫂選
【特選】
あたたかや人形焼のどの顔も      関根千方
山盧まで道遥けしや龍太の忌      喜田りえこ
水の音山蘆に春の来てゐたり     木下洋子
追へば引く波追ひかけて朝寝かな   曽根崇
手も足もなき一本の挿木かな     関根千方
白梅とともに暮れゆく人のかほ    森永尚子
【入選】
甲斐駒の白く輝く龍太の忌      西村麒麟
さみどりの梅を訪ねん龍太の忌    仲田寛子
ひともじのぐるぐる春は遠からじ   葛西美津子
山越えて笊売りが来る龍太の忌    木下洋子
春昼やはな毛のびゆく鼻の中     森永尚子
競ひ合ふ梅の命や龍太の忌      西村麒麟
雪形の鯉泳ぎ出す龍太の忌      わたなべかよ
筆二本机に置かれ春の暮       喜田りえこ
白梅の奥よりぬつと君来る      藤原智子
春風が春風を呼ぶ龍太の忌      西村麒麟
笛吹川に小鷺来るころ龍太の忌    仲田寛子
銀鼠の夜空となりぬ龍太の忌     金澤道子
狐川奏ではじめし龍太の忌      澤田美那子
龍太忌や畑の中の梅白く       藤原智子
雪嶺は春の白さよ龍太の忌      葛西美津子
龍太百歳松の緑のたくましく     藤英樹
目を覚ます雪の山々龍太の忌     木下洋子
香り立つ後山の春や龍太の忌      西村麒麟

第二句座 (席題:根分け、鱵)
•藤英樹選
【特選】
きらめきの細魚は淡き水の味     西川遊歩
根分けして鉢が三つや古代蓮     喜田りえこ
不意の雨しとど濡れたる菊根分    神谷宣行
株分けや齢忘れて生きんとす     曽根崇
一椀のさよりに夜のまだ浅く     森永尚子
【入選】
清明の風にはなてる根分けかな    川村玲子
遠山に雪まだ白し株分ける      曽根崇
菊根分無口な父と思ひしが      西村麒麟
根分して息深々と吐きにけり     藤原智子
菊根分けしてあとの晩酌美味きこと  澤田美那子
シンビジウム妻の根分けの鉢あまた  神谷宣行
白焼の香りの立ちし細魚かな     おほずひろし
根分けする母は大正生まれかな    田中益美
一匹の鱵が釣れていそいそと      田中益美

•長谷川櫂選
【特選】
鰭を立て鱵の頭落としけり       西村麒麟
根分けして隣へ分ける桜草      わたなべかよ
子の釣りし針魚三匹昆布締めに    わたなべかよ
家の中まだひんやりと桜かな     藤原智子
【入選】
さいよりの海を刺しゆくしづけさよ   イーブン美奈子
すいすいと水の光のさより釣る     葛西美津子
清明の風にほぐして根分けかな     川村玲子
きらめきの細魚は淡き水の味     西川遊歩
根分けして鉢が三つに古代蓮     喜田りえこ
菊根分母から我へ幾鉢ぞ       森永尚子
軍艦の海といへどもさよりかな    藤英樹
暁の海へ散りゆくさより舟      木下洋子
菊根分ベランダをまた狭くする    金澤道子
火にのせてうすき煙のさよりかな   葛西美津子
白焼の香り立ちたる細魚かな     おほずひろし
ぱつたりと風止む時や針魚舟      金澤道子

古志鎌倉ズーム句会(2021年1月10日)

俳句的生活 投稿日:2021年1月11日 作成者: 田中 益美2021年1月14日

第一句座
•藤英樹選
【特選】
ねこ舌の三代揃ふ粥柱        升谷正博
ぽっぺんぺこぽん地球の悲鳴かな   升谷正博
死のやうなしづけさもまたお正月   森永尚子
生え揃ふ真白き乳歯初笑       曽根 崇
この朝を湯気ゆたかなれ大福茶    森永尚子
嫁となり母となりゆく正月よ     田中益美
輪郭の外無限なる福笑ひ        西村麒麟
【入選】
カトレアの花となりつつ莟かな    長谷川櫂
年々に骨がちとなる河豚汁      川村玲子
にらみ鯛尾鷲の潮にのりて来よ    喜田りえこ
底冷の底の底なる靴の音       葛西美津子
歌留多とる姫の黒髪滑らせて     わたなべかよ
寒紅の濃いくれなゐがマスクへと   仲田寛子
氷柱打つ朝日まばゆき門口に       長井はるみ
あたらしき雪を冠りて初比叡       木下洋子

•長谷川櫂選
【特選】
閻王の炎のかほへ除夜詣       関根千方
二つ目も大きな餅や雑煮椀      西村麒麟
青空のゆるびはじめや凧          藤原智子
【入選】
ねこ舌の三代揃ふ粥柱          升谷正博
声立てて妻と二人や初笑ひ      西村麒麟
七草籠大和島根の山河かな      澤田美那子
にらみ鯛尾鷲の潮にのりて来よ    喜田りえこ
大粒や葉もあをあをの冬苺      葛西美津子
餅番の手持ちぶさたや二つきり    長井はるみ
この朝を湯気ゆたかなれ大福茶    森永尚子
老いたればいのち算用なづな粥    園田靖彦
底冷の底の底くる靴の音       葛西美津子
桜湯の花に占ふ今年かな          葛西美津子
鷽替へてぎよろ目の鷽が手の中に      イーブン美奈子

第二句座(席題=冬将軍、餅花)
•藤英樹選
【特選】
冬将軍ひとなき街をまっしぐら     おほずひろし
餅花や母待つ家に帰りたし       喜田りえこ
あるたけのもちばな飾れ疫払い     仲田寛子
鎌倉はひつそりとして冬将軍      田中益美
【入選】
わいわいと来て吊るしゆく餅の花    葛西美津子
揺れてゐるだけでゆたかやもち花は   澤田美那子
餅花や闇にうち寄す波の音       川村玲子
餅花や戯れ猫の伸び上がり       西川遊歩
いつしかにどかと陣張り冬将軍     金澤道子
餅の花鯛や小槌が囃しけり       葛西美津子
餅花や頬赤らめて母の酔ふ       升谷正博

•長谷川櫂選
【特選】
揺れてゐるだけでゆたかやもち花は   澤田美那子
餅花をわけてなつかし人の顔       川村玲子
餅花の揺るるを旅の思ひ出に       西村麒麟
餅花や闇うち返す波の音         川村玲子
餅花を覗きに来たる狐かな        藤英樹
餅花の揺れて双子の生まれけり      わたなべかよ
【入選】
紅白の案配もよし餅の花         長井はるみ
餅花やひとあし先に待つ座敷       長井はるみ
わいわいと来て吊るしけり餅の花     葛西美津子
いざ給へ冬将軍の懐へ         イーブン美奈子
古びたる農の暦よ餅の花        藤原智子
餅花や音におどろく大時計        森永尚子
冬帝の有無を言はさぬ空の青         吉田順子
冬帝の清しきまでの冷たさよ          関根千方
冬将軍大股で来てわが頭上        園田靖彦
鄙ぶりや餅花だけの一間なる       森永尚子
餅花や錦市場に寄つて行こ        木下洋子
くら闇に餅花揺るるめでたさよ      曽根崇
神棚に餅花一枝揺れゐたり        喜田りえこ
猛り狂ふ波をつらねて冬将軍       升谷正博
あるたけのもちばな飾れ疫払ひ      仲田寛子
竈の火いつも真つ赤ぞ冬将軍       仲田寛子
餅の花鯛や小槌や囃しけり        葛西美津子
餅花や頬赤らめて母の酔ふ        升谷正博
餅花の揺るる小部屋に宵寝かな      おほずひろし
鎌倉はひつそりとして餅の花       田中益美

古志鎌倉ズーム句会(2020年12月13日)

俳句的生活 投稿日:2020年12月15日 作成者: 田中 益美2020年12月15日

第一句座
•藤英樹選
【特選】
生と死の怒濤ひととせ流れゆく    西川遊歩
ほうとして春となりゆく野山かな   長谷川櫂
ヴィーナスの腋毛まぶしき初湯かな  森永尚子
りゅうぐうの夢を拾はん大枯野    澤田美那子
顔剃つて顔ぴかぴかや年の暮     葛西美津子
初鏡君が愛せし女かな        森永尚子
水餅や水替ふるたび淡くなり     澤田美那子
銀屛の中を風吹く抱一忌       西村麒麟
箒木は箒となりぬ霜の朝       澤田美那子
さすらひの白こそよけれ初鷗     長谷川櫂
なにひとつ持たずに冬に入りにけり  喜田りえこ
【入選】
大根やどこを切つても水光る     藤原智子
媼とは思へぬはやさ大根引く     曽根崇
目貼して人を淘げる国の影      升谷正博
句を詠まん自粛はいらぬ冬の月    吉田順子
はふはふとさます肉まん日短     仲田寛子
冬の雲寝釈迦の踵柔らかに      喜田りえこ
惜しみけり待つを楽しむ一年を    神谷宣行
今生の熊むさぼりし林檎かな     仲田寛子
柚子風呂やこころこの世へおき忘れ  喜田りえこ
雪積もれまだまだ生を楽しまん    吉田順子
大樽に霰遊ぶや蕪鮓         葛西美津子
人なかや頬骨高くインバネス     森永尚子

•長谷川櫂選
【特選】
わが旅の終はりは知らず冬至風呂   金澤道子
落葉して明るくなりし机かな     曽根崇
初鏡君が愛せし女かな        森永尚子
たましひの節もゆるぶや蕪汁     関根千方
大樽に霰遊ぶや蕪鮓         葛西美津子
【入選】
大根やどこを切つても水光る     藤原智子
人なかや頬骨高くインバネス     森永尚子
ガタの来し体を浸す柚子湯かな    わたなべかよ

第二句座
席題=氷柱、牡蠣
•藤英樹選
【特選】
幸せの匂ひでありし牡蠣フライ    森永尚子
朝の日に氷柱りんりん鳴り始む    葛西美津子
丸太組む梁けぶらせて牡蠣を焼く   曽根崇
夜通しの風に太りし氷柱かな     金澤道子
早起きの子らの歓声軒氷柱      園田靖彦
かんてきに身を乗り出して牡蠣焼かん 喜田りえこ
【入選】
あつぱれや華厳の滝の大氷柱     喜田りえこ
登校のどの子もまつ赤氷柱の手    澤田美那子
松島の松も馳走や牡蠣の膳      わたなべかよ
氷柱打つ音より朝の始まりぬ     西村麒麟
潮さびの磯屋にぎやか牡蠣を焼く   曽根崇

•長谷川櫂選
【特選】
牡蠣打ちて打ちて牡蠣殻山高し    金澤道子
焼牡蠣の匂ひの中を神参り      澤田美那子
一本の氷柱よろこぶ子どもかな    藤原智子
撫でてみよ牡蛎やすやすと口あくる  川村玲子
生牡蠣や海の潤ひしたたらす     神谷宣行
【入選】
杖で薙ぐ五本六本軒氷柱       葛西美津子
惜しみけり日に日に痩せてゆくつらら 川村玲子
ひもすがら湯気立つてをり牡蠣の小屋 藤英樹
牡蠣焼くや丸太の梁をけぶらせて    曽根崇
新しき朝の光の氷柱かな       イーブン美奈子
夜通しの風に太りし氷柱かな     金澤道子
松島の松も馳走や牡蠣の膳      わたなべかよ
氷柱打つ音より朝の始まりぬ      西村麒麟
夜の更けて氷柱のできるころかいな  木下洋子
コンと折る氷柱の音の軽さかな    おほずひろし
かんてきに身を乗り出して牡蠣焼かん 喜田りえこ

古志鎌倉ズーム句会(2020年10月11日)

俳句的生活 投稿日:2020年10月13日 作成者: 田中 益美2020年10月16日

第一句座
・藤英樹選
【特選】
南無金剛金木犀の香りけり     長谷川櫂
秋茄子の丸々とまた長々と     関根千方
学問の自由不自由鉦叩       木下洋子
壺あらば壺にもの言ふ秋の夜    森永尚子
旧仮名に辞書また開き玩亭忌    金澤道子
天晴れと秋の寝ころぶ浅間山    葛西美津子
日本語のうつろふ早さ玩亭忌    澤田美那子
朝寒や開きしままの「後鳥羽院」  越智淳子
【入選】
稲雀小さきバケツの田んぼにも   藤原智子
秋爽の息肋骨のすみずみへ     仲田寛子
ポケットに男の矜持玩亭忌     升谷正博
旅に出よと言はれ雀は蛤に     澤田美那子
行く秋や空に積れる浅間山     長谷川櫂
市振の月を心に月見かな      木下洋子
そこはかと色好みあり才一忌    園田靖彦

・長谷川櫂選
【特選】
うそ寒や汝の横に我の顔      関根千方
栃の実のこつんと落ちて玩亭忌   わたなべかよ
旧仮名や辞書また開く玩亭忌    金澤道子
天晴れや秋の寝ころぶ浅間山    葛西美津子
目の玉の水晶替へて月夜かな    関根千方
玩亭忌旧かなで出す弾劾書     喜田りえこ
我が影に意思の生まるる良夜かな  金澤道子
秋の日に溺れさうなり玩亭忌    藤英樹
そこはかと色好みありき才一忌   園田靖彦
【入選】
稲雀バケツの中の田んぼにも     藤原智子
玩亭忌秋の扇となりにけり      金澤道子
生きのびし市民文学玩亭忌      おほずひろし
秋爽の息肋骨のすみずみへ      仲田寛子
パソコンを閉ぢておやすみ星月夜   田中益美
何本も長薯持たせてくれるなり    長井はるみ
秋が目をぱちりと開ける朝かな    森永尚子
金木犀白いマスクを外しけり     田中益美
渋柿の甘柿となる一夜かな      園田靖彦
園児らの背に頭に木の実降る     園田靖彦
求愛もマスク越しかや玩亭忌     木下洋子
床に就く前に詞華集玩亭忌      越智淳子
幼きは木の実ひとつをお守りに    越智淳子
柿の葉の色づき初めぬ玩亭忌     藤原智子
波寄するごとく声援運動会      藤原智子
至福なる一人の時間夜長かな     吉田順子
手を添へて神のよりしろ案山子抜く  仲田寛子
赤坂に連句の秋や玩亭忌       西村麒麟
旧かなに深き思ひや玩亭忌      わたなべかよ

第二句座
席題=放屁虫 、芋嵐
・藤英樹選
【特選】
愚かなる我に賢き放屁虫       わたなべかよ
放屁虫ゐさうと思ふやはりゐる    金澤道子
馬の眼は哀しく澄みぬ芋嵐      葛西美津子
けふの宿机の上に放屁虫       西村麒麟
芋嵐リュックひとつの一人旅     木下洋子
芋あらし青磁のやうなこの星の    関根千方
【入選】
放屁虫おどさぬやうに紙の端     イーブン美奈子
伊吹へと皆傾ぎゆく芋嵐       澤田美那子
慌ただし故郷去る日の芋嵐      越智淳子
俳諧は息ぞ間合ひぞへこき虫     西川遊歩
芋嵐護符の貼られし農具小屋      曽根崇
民草はなんのと立てり芋嵐       園田靖彦
りつぱなり渾身の屁のへひり虫     森永尚子
一片の雲を払ひて芋嵐        葛西美津子

・長谷川櫂選
【特選】
畑ごとふつとびさうや芋嵐      森永尚子
屁放虫生きとし生けるもの強し    園田靖彦
山寺やその名物にへこきむし     森永尚子
亀虫の姿の見えぬにほひかな     おほずひろし
乾坤に芳香はなつや放屁虫      神谷宣行
【入選】
放屁虫おどさぬやうに紙の端     イーブン美奈子
放屁虫後ろの足をひよいと上げ    西村麒麟
愚かなる我に賢き放屁虫       わたなべかよ
弱虫に生きる術あり屁ひり虫     川村玲子
放屁虫ゐさうと思ふやはりゐる    金澤道子
芋嵐ただ一人なる旅をせん      吉田順子
民宿の床に鎮座やへひりむし     曽根崇
慌ただし故郷去る日の芋嵐      越智淳子
取り込める洗濯物に放屁虫      わたなべかよ
ひやひやと胸吹き抜けよ芋嵐     曽根崇
いたち罠がたがた鳴らし芋嵐     仲田寛子
この国の行方おそろし芋嵐      藤英樹
芋嵐沖の小舟の揺れ通し       仲田寛子
姿形美しくして屁ひり虫       澤田美那子
芋嵐骨壺に哭く喉仏         喜田りえこ
りつぱなり渾身の屁のへひり虫    森永尚子
けふの宿机の上に放屁虫       西村麒麟
貼りつきて四角い尻の放屁虫     長井はるみ
夜を光るへつぴり虫のみどりかな   イーブン美奈子

古志鎌倉ズーム句会(2020年9月13日)

俳句的生活 投稿日:2020年9月14日 作成者: 田中 益美2020年9月14日

第一句座
•藤英樹選

【特選】
パソコンを猫が踏み行く良夜かな   西村麒麟
夫にまた恋をしている葡萄かな   森永尚子
つや姫の早稲かぐはしき月の山   西川遊歩
秋風やさらりと乾く浅間山     長谷川櫂
成美なら何を肴に菊の酒      わたなべかよ

【入選】
ドローンきて稲穂の値踏みしておりぬ  升谷正博
藤の実や傘立にまだ母の杖      金澤道子
職退いて帰る近江や今日の月     わたなべかよ
啼きかはすぬえや銀河の白むまで   川村玲子
対馬よし短足寸胴馬肥ゆる      園田靖彦
一箱のずしと十全茄子かな      長谷川櫂
青空をはみ出している紫苑かな    喜田りえこ
孫ひ孫何人ゐるや芋煮会       木下洋子
コスモスや休耕田をさびしうす    澤田美那子
冬瓜や愛されるのも一仕事      喜田りえこ

•長谷川櫂選

【特選】
歌声のひびく風船葛かな       おほずひろし
一年の傷み身に染む新酒かな     神谷宣行
指組んで眠れる君へ稲光       葛西美津子
無防備の日々がなつかしねこじやらし 仲田寛子
海へ散る月の光や展宏忌       西村麒麟

【入選】
深々と紺一粒の葡萄かな       藤原智子
藤の実や傘立にまだ母の杖      金澤道子
職退いて帰る近江や今日の月     わたなべかよ
颱風の眼にまばたきの無かりけり   藤英樹
鉢植ゑのオリーブ青き実をあまた   金澤道子
パソコンを猫が踏み行く良夜かな   西村麒麟
宝石のごとき朝日や黒葡萄      神谷宣行
皿に盛る紺や翡翠や秋茄子      わたなべかよ
月の山つや姫の早稲かぐはしき     西川遊歩
秋風や一刀を置く鹿の角       葛西美津子
あきらかに労はられゐる秋思かな   金澤道子
けさ雲は九月となりぬ白く濃く    葛西美津子
手花火の影絵となりて一家族     森永尚子
ふるさとの浅間の麓大花野      吉田順子
忽然と死ぬるしあはせ栗ご飯     川村玲子
十年があつといふ間や青瓢      藤原智子
対馬よし短足寸胴馬肥ゆる      園田靖彦
みなしごの猫を授かる良夜かな    関根千方
展宏忌子持ちの鮎を塩焼きに     西村麒麟
朝顔にはじまる一日花時計      関根千方
歩かねば見えぬ景色よ鰯雲      田中益美
台風をやり過ごしたり草ひばり    木下洋子
この先に立子の墓やこぼれ萩     長井はるみ
孫ひ孫何人ゐるや芋煮会       木下洋子
コスモスや休耕田をさびしうす    澤田美那子

第二句座
(席題= 虫売り、焼帛)

•藤英樹選
【特選】
虫売りの売れ残したる虫の声     升谷正博
焼帛のにほへる肌とまぐはひぬ    森永尚子
島原や間夫は今朝より虫売りに    喜田りえこ
仇討ちや鈴虫売に身を窶し      おほずひろし
虫売のたちまち消えてしまひけり   おほずひろし
虫売りや虫より籠がうつくしく    川村玲子

【入選】
虫売りや空の虫籠背負ひつつ     わたなべかよ
焼帛や老爺はひとり泰然と      イーブン美奈子
触れまはる明日わが畑は焼帛と    イーブン美奈子
焼しめや遠回りして帰る子ら     木下洋子
虫売りの橋のたもとを縄張りに    わたなべかよ
虫売の子にして未だ鳴かせ下手    イーブン美奈子
虫売りは声きかせんと霧を吹く    川村玲子

•長谷川櫂選
【特選】

焼帛や燃ゆる髪守る夜の畑      越智淳子
仇討ちや鈴虫売に身を窶し      おほずひろし
焼帛の香りかぐはし天上る      神谷宣行
焼帛や明智が妻の黒髪も       藤英樹

【入選】
虫売りの売れ残りたる虫の声     升谷正博
夜をこめて村中の田を焼帛めん    曽根崇
焼帛のにほへる肌とまぐはひぬ    森永尚子
焼しめの臭ひをまとふ猪撃たれ    西川遊歩
焼帛の煙這ひゆく峡の畑       金澤道子
振分けの荷をそつと置き虫売は    長井はるみ
虫売のまづは明かりを灯しけり    吉田順子
虫売が一服するによき根株      木下洋子
焼帛の煙に巻かれ道祖神       曽根崇
足早き虫売りの顔おそろしき     田中益美
焼しめや遠回りして帰る子ら     木下洋子
虫売りの橋のたもとを縄張りに    わたなべかよ
虫売は闇を背負ひて商へる      葛西美津子
虫売や邯鄲ひとつ売れ残り      木下洋子
虫売りや人近づけば霧を吹き     金澤道子
虫売や吉良の邸のうらおもて     藤英樹
虫売りのまづは七色啼いてみせ    園田靖彦
焼帛の染み付く野良着けふも着て   葛西美津子
焼しめの煙たまらず犬猫も      わたなべかよ
やきしめや国を守るも大仕事     仲田寛子
虫売りや子ども二人を賑はひに    越智淳子
虫売のたちまち消えてしまひけり   おほずひろし
虫売の座る大きな影の中       西村麒麟
草の闇ザクと切り取り虫を売る    神谷宣行
焼帛の煙をまねき杣の道       関根千方
大焼しめの後の大雨祖谷の村     澤田美那子
焼帛の命はじける煙かな       藤原智子
焼帛をはらひ錫杖鳴らし来る     関根千方
虫売りの残りの二匹おまけとす    園田靖彦
虫売りや声聞かせんと揺すれども   川村玲子
虫売りの男よき声買はんかな     森永尚子
虫売りは声きかせんと霧を吹く    川村玲子
虫売りや虫より籠がうつくしく    川村玲子
虫売の小銭の手には売り惜しむ    長井はるみ

古志鎌倉ズーム句会(2020年8月9日)

俳句的生活 投稿日:2020年8月10日 作成者: 田中 益美2020年8月10日

第一句座

•藤英樹選

【特選】
八月や牛馬絶唱の原野あり      神谷宣行
冬瓜やいまも戦のただ中に      長谷川櫂
しんしんと高し八月十五日      神谷宣行
掃き寄するものの軽さよ今朝の秋   澤田美那子
糸瓜棚風に任せておけば良く     西村麒麟
敗戦忌父つぶやきし杜甫の詩     越智淳子
軍服はかくも丈夫や魂祭       木下洋子

【入選】
やうやくに籐椅子に添ふこの身かな 長井はるみ
昼寝覚ひとりぼつちに戻りけ    吉田順子
あちこちの綻ぶ地球つづれさせ   わたなべかよ
けさ空を仰げば夏の墓標あり    長谷川櫂
夏の蝶インパールより続く地に   イーブン美奈子
江の島に龍棲む岩屋土用波     金澤道子
一枚の布巻いてサマードレスかな  西川遊歩
敗戦忌ラジオが探す尋ね人     西川遊歩
百姓を退きてさみしき明けの梅雨  園田靖彦
夏の川坊主頭の子どもたち     藤原智子
ひまはりが空へ群れ咲く爆心地   神谷宣行
波乗りは大碧落に呑まれけり    長谷川櫂
くすくすと笑つてゐたる夜の桃   西村麒麟
どの子にも高らかにあれ夏木立   関根千方
茄子漬に辛子たつぷり夜の秋    葛西美津子
踊る人なければ一人踊るなり    森永尚子

•長谷川櫂選

【特選】
やうやくに籐椅子に添ふこの身かな  長井はるみ
八月や牛馬慟哭の原野あり      神谷宣行

一枚の布巻いてサマードレスかな   西川遊歩
しんしんと高し八月十五日      神谷宣行

【入選】
電線を栗鼠の走れり夏の月      金澤道子
夏の蝶インパールより飛び来たる   イーブン美奈子
掃き寄するものの軽さよ今朝の秋   澤田美那子
踊る人なければ一人踊るなり     森永尚子
敗戦忌父つぶやきし杜甫の詩     越智淳子
軍服はかくも丈夫や魂祭       木下洋子

第二句座
席題=茶立虫 、生身魂

•藤英樹選

【特選】
弾ひとつ身体に埋づめ生身魂     西川遊歩
弔ひの半生なりき生身魂       園田靖彦
生身魂櫓をこぐ真似をしてゐたり   西村麒麟
夢の底サツサツとゆく茶立虫     おほずひろし
生身魂こころ半分空にあり      藤原智子
茶立虫母と添ひ寝の一夜かな     吉田順子

【入選】
生身魂けふはこの世に戻りゐし   葛西美津子
本の山枕のそばに生身魂      田中益美
茶立虫猫の耳垢ぬぐひをり     関根千方
生身魂山河慟哭の昔あり      長谷川櫂
生身魂となりたる猫や二十才    関根千方
生き抜いて今が幸せ生身魂     吉田順子
猪口一杯召されて機嫌生身魂    葛西美津子
もの言へば言葉詩となる生身魂   西川遊歩
一人居の吾に親しき茶立虫     わたなべかよ
腸をのの字にこする生身魂     関根千方

•長谷川櫂選

【特選】
郎党のほまれこれあり生身魂    園田靖彦
弾ひとつ身体に埋づめ生身魂    西川遊歩
我が庵の自慢なりけり茶立虫    森永尚子
弔ひの半生なりき生身魂      園田靖彦
太閤の閨おどろかす茶立虫     藤英樹

【入選】
生身魂けふはこの世に戻りゐし   葛西美津子
父母を恋ふ日もあらん生御魂    澤田美那子
祀るべき偉業はあらず生身魂    イーブン美奈子
亡き夫は若きままなり生身魂    木下洋子
水漬たる家かさこそと茶立虫    神谷宣行
明け方の部屋ひんやりと茶立虫   神谷宣行
仏壇の大が自慢や生身魂      長井はるみ
夢の底サツサツとゆく茶立虫    おほずひろし
猪口一杯召されて機嫌生身魂    葛西美津子
また誰ぞ起き出してきし茶立虫   イーブン美奈子
一人居の吾に親しき茶立虫     わたなべかよ
腸をのの字にこする生身魂     関根千方
茶立虫母と添ひ寝の一夜かな    吉田順子
六人の姉を送りぬ生身魂      わたなべかよ

古志鎌倉ズーム句会(2020年7月12日)

俳句的生活 投稿日:2020年7月14日 作成者: 田中 益美2020年7月18日

第一句座
・藤英樹選
【特選】
唐黍を喰めばみづはの乙女かな      尚子
白黒をつけぬアジアの昼寝かな      美奈子
生き死にも孤独もあぶく金魚かな     遊歩
蟻の顔不敵なりけり楸邨忌        かよ
【入選】
むきだしのあの夏の日のラムネかな    美津子
晒井やわが無意識の森深く        遊歩
荒梅雨や原初に還る泥山河        宣行
軽井沢村の谷々百合の花         淳子
沖縄忌垂れし乳房を汗つたふ       光枝
鮎寿司やはるか囃子の近づき来      靖彦
真実といふ嘘あまた夜光虫        美奈子
自由こそ人間の糧桃啜る         りえこ
花氷コロナウイルス閉ぢ込めよ      宣行

・長谷川櫂選
【特選】
唐黍を喰めばみづはの乙女かな      尚子
晒井やわが無意識の森深く        遊歩
指先の記憶たしかにレース編む      道子
夏の街烏のやうなマスクして        麒麟
沖縄忌垂れし乳房を汗つたふ        光枝
この島は龍の眼や泉湧く          光枝
白玉にへその大小茹であがる        はるみ
東京のまぼろしの夏泥鰌鍋         光枝
蟻の顔不敵なりけり楸邨忌         かよ
【入選】
暴れ梅雨川の嘆きの激しさよ       美那子
むきだしのあの夏の日のラムネかな    美津子
着古してこその甚平河内木綿       美那子
荒梅雨やはじめに還る泥山河       宣行
白黒をつけずアジアの昼寝かな      美奈子
茄子漬や雲うつくしき雨後の空      美津子
軽井沢村の谷々百合揺るる        淳子
冷し酒飲みくらべゐる切子かな      洋子
ゆさゆさと七夕竹は立ち上がる      智子
黒雲のなかに青空昼寝覚         玲子
茫然や大地を悼む大夕焼         美津子
青梅雨やひとりで料るひとり分      美那子
退却てふ選択もあり月涼し        りえこ
その後の話聞きゐる鱧の皮        洋子
触れ合はずさびしきことよ水海月     美津子
早食ひと言はれて土用鰻食ふ       ひろし
空の一角ガクンと落ちて昼寝覚      玲子
のうぜんの花また花や濁流に       英樹
でこぼこのこども七人西瓜食ぶ      かよ
自由こそ人間の糧桃熟るる         りえこ
決壊や螢の火さへ呑みゆくか        千方
滴りの音また一つ胸の奥          順子

第二句座(席題=梯梧、虹)
・藤英樹選
【特選】
流されて跡かたも無き虹の村        光枝
火の記憶消ゆることなし海紅豆       宣行
海風によろこび踊る梯梧かな        淳子
乙女さぶ梯梧の花のくちびるよ       尚子
【入選】
梯梧散るがまの遺骨は親子かな       洋子
虹立ちてこのひと時を共にせん       益美
あの虹は我を貫きゐるらしき        櫂
虹立ちて消えてすなはちこの一句      美津子
江の島の海の音きく花梯梧         智子

・長谷川櫂選
【特選】
流されて跡かたも無き虹の村        光枝
虹立ちてこのひと時を共にせん       益美
敷き詰めて魂眠らせん花梯梧        りえこ
豪雨また虹の立つ間もなかりけり      千方
堂々と人老ゆる島梯梧咲く         美奈子
島に着けば島の時間よ花梯梧        道子
何も見ず何も語らず梯梧咲く        光枝
大虹のあつけらかんと消えて無し      宣行
乙女さぶ梯梧の花のくちびるよ       尚子
花梯梧つぎつぎ嵐呼ぶなかれ        千方
懐かしき元気食堂花でいご         麒麟
【入選】
花梯梧珊瑚の海を草の舟         宣行
梯梧散るがまの遺骨は親子かな      洋子
虹立ちて消えてすなはちこの一句     美津子
暗闇に梯梧の花の落ちつづく       光枝
子どもらは虹のもとより帰りくる     智子
島中を真つ赤に染めて花梯梧       智子
花梯梧うたと酒さへあればよく      千方
火の記憶消ゆることなし海紅豆      宣行
基地の町芝生あをあを梯梧かな      洋子
校庭は広々として虹の下         益美
海紅豆こぼれて君の黒髪に        英樹
海風によろこび踊る梯梧かな        淳子
梯梧とは血の花ならむ琉球弧       ひろし
紅型に見よや綾なす梯梧かな       淳子
太陽と虹の記憶や小豆島         麒麟
唐桟の縞織る路地や虹の朝        遊歩
夫眠るあたりにかかり虹二重       道子

古志鎌倉ズーム句会(2020年6月14日)

俳句的生活 投稿日:2020年6月17日 作成者: 田中 益美2020年6月17日

第1句座
・藤英樹選
【特選】
惜しむべき百三歳や鱧の旬     麒麟
瓢箪となるも糸瓜となるもよし   千方
幾柱おはす我が家黴の神      尚子
火取虫ときのけ捕へ燃えにけり   宣行
鑑真忌浄衣を濡らす一雫      りえこ
藍一枚ゆたかに裁ちて浴衣かな   櫂
鎌倉や水湧きあがる五月闇     櫂
【入選】
葛桜ほどの静かな心こそ      麒麟
冷やつこ元屋醤油を一しづく    遊歩
天地人金魚玉よりみはるかす    美津子
コロナ禍といふ日常や夕端居    美那子
瓜番に特上瓜のごとき月      靖彦
石斛の一輪香る虚空かな      光枝
籠もる日々金魚に愚痴をこぼしけり 順子
ぎこちなくさして男の日傘かな   道子
ぎんどろの分けても高く涼しさよ  櫂
しばらくは音聞いてゐる夏の雨   智子
夏暖簾くぐれば大将一人かな    益美
二の膳の蓴ぬらりと抗ひぬ     かよ
みなづきの水の中からあかんばう  かよ
・長谷川櫂選
【◎特選】
心中はうねり机上は青嵐       美津子
【特選】
花茣蓙やしばらく風の子に添ひ寝   道子
惜しむべき百三歳や鱧の旬      麒麟
さばへなす神打ち払ふ一句あれ    遊歩
さざ波にひとつ開くや羊草      光枝
幾柱おはす我が家黴の神       尚子
一匹と見れば三匹はぶの籠      英樹
ほら穴の政子の墓や黴にほふ     順子
守宮啼く人畏れつつ人の家      千方
田草取蛭取る暇ももどかしく     靖彦
【入選】
葛桜ほどの静かな心こそ       麒麟
朝採れの入梅イワシ梅で煮ん     遊歩
冷やつこ元屋醤油を一しづく     遊歩
着崩れていよいよ楽し沖膾      麒麟
すこしずつこの世へ戻る昼寝かな   真知子
還暦のことしは漬けん蝮酒      英樹
雨ざつと土用鰻の日なりけり     麒麟
短夜を駆け抜けてゆく雨の音     美津子
端切もてマスク作るや五月晴     洋子
全句集掴みて戻る裸かな       麒麟
ハンモック寝心地のまだ定まらず   道子
瓢箪となるも糸瓜となるもよし    千方
咲き初むる泰山木や岳父逝く     かよ
明易や訴状を束ね訳しゆく      美奈子
語るかに念じゐるかに仏法僧     京子
這ひ出して黒き土塊蟇        光枝
濡れてゐる闇に滲むや蛍の火     遊歩
籠もる日々金魚に愚痴をこぼしけり  順子
見せたくてとりだしてゐる扇かな   はるみ
ぎこちなくさして男の日傘かな    道子
疫病にふりまはされてはやも夏至    美那子
猫嗅いで大崩れなり蟻の列      英樹
ぷりぷりと尻を振りたる茄子かな    りえこ
蟻の列ソーシヤルデイスタンス何事ぞ 真知子
風の子の今まで居たる円座かな    道子
残されしパセリのやうにここにゐる  京子
薔薇園に薔薇無き五月晴れわたり   美那子
咲き満ちて紫陽花あかりわが窓辺   順子

第2句座(席題=蛞蝓、焼酎、端居)
・藤英樹選
【特選】
なめくぢり世を正さんと湧き出たり  宣行
なめくぢの跡形もなきひかりかな   真知子
舌頭千転なほ定まらず夕端居     靖彦
どつかりと薬缶で出さる芋焼酎     美奈子
なめくぢら銭湯の富士山這ひ登る   光枝
【入選】
端居してあちらも端居してをりぬ   智子
端居してただならぬ日々忘れけり   洋子
泡盛に酔ふや花びらほどけゆく    光枝
蛞蝓や水の命をつぶらかに      千方
現るるも消ゆるも一如なむくぢら   櫂
なめくぢの大宴会を眺めをり     麒麟

・長谷川櫂選
【◎特選】
なめくぢの跡形もなきところかな  真知子
【特選】
端居してあちらも端居してをりぬ  智子
もう少しこの世に居たき端居かな  順子
焼酎や氷からころ躍らせて     靖彦
なめくじをつまむ割り箸そこかしこ 美那子
焼酎や壺の破れを愛でる国     遊歩
【入選】
鎌倉のやぐらを住処なめくぢら   順子
結論は明日でよろし端居かな    はるみ
野地蔵の元につどうて蛞蝓     千方
なめくじりこの世で二番目に嫌ひ  京子
島唄は慟哭のうた黍焼酎      宣行
植木鉢底に笑へるなめくぢり    智子
柄杓添へ焼酎の甕届きたる    はるみ
膝小僧細くなりけり夕端居     靖彦
焼酎やけふ小鰯の解禁日      京子
焼酎はほどほどにせよ角煮かな   益美
ナメクジを手にのせ走り戻る子よ  益美
夕端居ぶち猫隣にゐて静か     かよ
肩触るる立ち飲みいつも芋焼酎   りえこ
よれよれの古き雑誌や夕端居    麒麟

鎌倉スカイプ句会(2020年5月10日)

俳句的生活 投稿日:2020年5月12日 作成者: 田中 益美2020年6月1日

タイ・バンコクからイーブン美奈子さんが参加しました。
海外の会員の参加を歓迎します。

第一句座
・藤 英樹選
【特選】
蛇のあと流れてゆきぬ川の水      美奈子
花烏賊やさざめきうごく花の色     櫂
手も足もぐんと伸びたる菖蒲の湯    智子
わが胸に寄せて大きく卯波立つ     光枝
蕗めしや誰とも会はず日の暮れて    美津子
雨の音重たくなつて夏来たる      智子
【入選】
柏餅胎児応へて蹴つてをり       かよ
収穫のメロン並べて拭きにけり     益美
笹の香の粽ゆつくり解いてゆく     美那子
さみどりを八重に重ねて若楓      りえこ
うたかたとなるや疫病春過ぎて     淳
泥に入り泥より出づる青蛙       淳
大朝寝あとは読みたき本を読む     洋子
残酷な四月無情の五月かな       櫂
鉄線花つるにつる巻き莟みけり     宣行
はんざきの鼻息聞こえさうなほど    美奈子

・長谷川櫂選
【特選】
雨上がり散歩してさて柏餅       益美
句作りを始めて十年初鰹        宣行
手も足もぐんと伸びては菖蒲湯に    智子
豆飯やざこ寝の友を呼び集め      麒麟
昼食の献立尽きぬ藤の花        智子
蕗めしや誰とも会はず日は暮れて    美津子
【入選】
燕飛ぶ屋根に祀るや鍾馗さん      道子
うづくまる影大いなる袋角       光枝
芍薬の莟の玉を蟻みがく        千方
わが胸に寄せて大きく卯波立つ     光枝
莟みけりつるにつる巻く鉄線花     宣行
白絣微醺の父が夢のなか        かよ

第二句座(席題=母の日)
・藤 英樹選
【特選】
母の日の母の一言響きけり       靖彦
母の日や一センチだけ近づいて     京子
母の日や母を忘るること久し      櫂
【入選】
母の日や母となりたるわが娘      美那子
母の日や健啖のわれに大鰻       順子
長生きの笑ひとどろく母の日よ     宣行

・長谷川櫂選
【特選】
ありがたき唐揚げ弁当母の日も     りえこ
母の日の小さき花の干菓子かな     淳
母の日や母の一言響きけり       靖彦
鉄線の今年の花を母の日に       智子
母の日や一センチだけ近づいて     京子
長生きの笑ひとどろく母の日よ     信行
【入選】
母の日や母となりたるわが娘      美那子
諍ひしまま母の日の陽は照つて     美奈子
母の日や庭に雀の来てをりぬ      道子

古志鎌倉スカイプ句会(2020年4月19日)

俳句的生活 投稿日:2020年4月19日 作成者: 田中 益美2020年4月20日

・藤英樹選
【特選】
春の夜や今しも雨の降る匂ひ   かよ
春障子見えざるものと対しをり  千方
舟浮かべ春や暮れゆく恋瀬川   光枝
顔拭いて顔輝くや春の蟻     麒麟
スカイプの画像に春の愁あり   光枝
【入選】
筍や皮剥がされて落ち着かず   真知子
この蜂の世界に我はをらぬなり  千方
白い部屋カラーの白き花よりも  櫂
ただならぬ今年の春のゆきにけり 真知子
捌かれて骨うつくしき桜鯛    真知子
歓びの真白き花の海芋かな    櫂
花過ぎの人声もなき深空かな   美那子
いつまでも仔猫のままと思ひしが 京子
大地蹴ることの嬉しき春の駒   真知子
百姓の骨は畦ぞと塗りにけり   靖彦
なにもかも落せし栗の木の芽吹き 美那子

・長谷川櫂選
【特選】
春惜しむ人のここにも浮見堂   かよ
たらの芽を摘むや仙人杖の先   光枝
花過ぎの人声もなき深空かな   美那子
影法師花の吉野を遊びけり    光枝
桜貝記憶なくせし軽さかな    道子
春キャベツ刻む音楽その嵩も   美津子
名乗りせんテレビ電話の花の句座 冬虹
さびしさや力のかぎり咲く花に  美那子
花辛夷ひとひら跳ねてもんしろてふ 冬虹
後ろにも眼のある男畦を塗る   靖彦
【入選】
俤のひとりふたりと花筵     京子
言の葉の前衛であれ大岡忌    宣行
ただならぬ今年の春のゆきにけり 真知子
拳のごと莟突き出す牡丹かな   宣行
花筏鯉に呑まれて後知らず    美津子
春障子見えざるものと対しをり  千方
花筏けさ一艘も見当たらず    美津子
いつまでも仔猫のままと思ひしが 京子
腹の子は女の子でありし桃の花  京子
一本の白き団扇を友として    麒麟
花すぎの雨となりけり段葛    道子
日常の戻る幸せ筍飯       益美
家々の只の花こそ愛しけれ    英樹
顔拭いて顔輝くや春の蟻     麒麟
大地蹴ることの嬉しき春の駒   真知子
遥かなる空を残して鳥雲へ    りえこ
原発忌死語にはさせぬとて必死  みさ子
スカイプの画像に春の愁あり   光枝

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読売新聞「四季」から

今朝からは春の水なり漱ぐ     下坂富美子

 春の水といえば春の野山にあふれる水のこと。この句は蛇口からほとばしる水道の水に春の水を感じた。まだ手を切るように冷たいけれど、きのうと違う水の感触。作者の思いは水道管をたどって春の野山へとさかのぼっていっただろう。『パピルス』

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    『「おくのほそ道」を読む 決定版』
    中公文庫
    800円+税
    2026年2月刊行


    『「おくのほそ道」を読む 決定版』
    ちくま文庫
    1,000円+税
    2025年5月刊行


    『四季のうた ウクライナの琴』
    中公文庫
    800円+税
    2025年1月刊行


    『長谷川櫂 自選五〇〇句』
    朔出版
    2200円+税
    2024年4月刊行


    『四季のうた 井戸端会議の文学』
    中公文庫
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    2024年1月刊行


    『小林一茶』
    河出文庫
    800円+税
    2024年1月刊行


    『ふじさわびと』vol.26
    株式会社ふじさわびと
    無料配布
    2023年1月発行


    『四季のうた 雨ニモマケズ』
    中公文庫
    800円+税
    2023年1月刊行


    『和の思想』
    岩波新書
    980円+税
    2022年7月刊行


    『俳句と人間』(3刷)
    岩波新書
    860円+税
    2022年1月刊行


    100分de名著『おくのほそ道』(10刷)
    NHK出版
    1,000円+税
    2014年10月刊行


    『四季のうた 美しい日々』
    中公文庫
    800円+税
    2022年1月刊行


    句集『太陽の門』
    青磁社
    2200円+税
    2021年8月刊行


    『四季のうた 天女の雪蹴り』
    中公文庫
    800円+税
    2021年1月刊行


    大岡信『折々のうた』選 俳句(二)
    長谷川櫂 編
    岩波新書
    780円+税
    2019年12月刊行


    『四季のうた 普段着のこころ』
    中公文庫
    800円+税
    2019年12月刊行


    大岡信『折々のうた』選 俳句(一)
    長谷川櫂 編
    岩波新書
    780円+税
    2019年11月刊行


    『歌仙一永遠の一瞬』
    岡野弘彦、三浦雅士、長谷川櫂
    思潮社
    2200円+税
    2019年1月刊行


    『歌仙はすごい』
    辻原登、永田和宏、長谷川櫂
    中公新書
    880円+税
    2019年1月刊行


    『四季のうた 至福の時間』
    中公文庫
    700円+税
    2018年12月刊行


    『九月』
    青磁社
    1800円+税
    2018年8月刊行


    『Okinawa』
    Red Moon Press
    $15
    俳句 長谷川櫂
    英訳 デイヴィッド・バーレイ&田中喜美代(紫春)
    2018年5月刊行


    『俳句の誕生』(4刷)
    筑摩書房
    2300円+税
    2018年3月刊行


    『四季のうた 想像力という翼』
    中公文庫
    700円+税
    2017年12月刊行


    『芭蕉さん』
    俳句・芭蕉 絵・丸山誠司
    選句解説・長谷川櫂
    講談社
    1500円+税
    2017年3月刊行


    『震災歌集 震災句集』
    青磁社
    2000円+税
    2017年3月刊行


    『四季のうた 文字のかなたの声』
    中公文庫
    600円+税
    2016年12月刊行


    藤英樹著『長谷川櫂 200句鑑賞』
    花神社
    2500円+税
    2016年10月刊行


    『文学部で読む日本国憲法』
    ちくまプリマー新書
    780円+税
    2016年8月刊行


    『日本文学全集12』松尾芭蕉、与謝蕪村、小林一茶
    松浦寿輝、辻原登、長谷川櫂選
    河出書房新社
    2,600円+税
    2016年6月刊行


    『四季のうた 微笑む宇宙』
    中公文庫
    700円+税
    2016年3月刊行


    『芭蕉の風雅 あるいは虚と実について』
    筑摩選書
    1,500円+税
    2015年10月刊行


    『沖縄』
    青磁社
    1,600円+税
    2015年9月刊行


    『入門 松尾芭蕉』
    長谷川櫂 監修
    別冊宝島
    680円+税
    2015年8月刊行


    『歌仙一滴の宇宙』
    岡野弘彦、三浦雅士、長谷川櫂
    思潮社
    2000円+税
    2015年2月刊行


    『吉野』
    青磁社
    1,800円+税
    2014年4月刊行
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