ズームによる句会です。参加できるのはネット投句の会員です。
・2020年11月3日(火)午後1時半から
・前日午後5時までに専用の投句フォームから5句投句してください。
・選句は当日午前10時までに5句選句。席題3句の2座目は当日説明いたします。
・会費は2000円です。
・定員は特に設けませんが、10月20日までにお申し込みください。
ズームの接続試験については10月下旬に行います。
ズームによる句会です。参加できるのはネット投句の会員です。
・2020年11月3日(火)午後1時半から
・前日午後5時までに専用の投句フォームから5句投句してください。
・選句は当日午前10時までに5句選句。席題3句の2座目は当日説明いたします。
・会費は2000円です。
・定員は特に設けませんが、10月20日までにお申し込みください。
ズームの接続試験については10月下旬に行います。
長谷川櫂選
☆第一句座
【特選】
髪やせてなほ織り姫の機の音 安藤久美
大樟の上を轟々天の川 岡村美沙子
亡き人の硯洗へば月のぼる 岡村美沙子
揺らしつつ七夕竹を選りにけり 玉置陽子
洗ひたる硯の窪む月日かな 佐々木まき
大阿蘇のはなやぐ夜や星祭り 川辺酸模
嵐めく風にまたたく星祭る 飛岡光枝
七夕や早稲を刈る村かぐはしく 北側松太
七夕竹明けゆく海に流しけり 澤田美那子
【入選】
七夕の飾りを顔で分けて行く 稲垣雄二
われらみな渡来人なり天の川 臼杵政治
つづれ織る爪をいたはり星祭 花井淳
この町は団扇吊せり七夕竹 丸亀葉七子
星月夜明日にひかへる目の手術 丸亀葉七子
七夕の笹に夕暮れ降りてくる 佐々木まき
停電の闇なつかしや天の川 上俊一
疫病の治まらぬ世や笹流す 上田雅子
一本は七夕竹に残しおく 斉藤真知子
戦乱の国にかかるや天の川 斉藤真知子
天山の砂漠に仰ぐ銀河かな 斉藤真知子
七夕やずしと楸邨全句集 川村玲子
鳴門の瀬とこよの渦よ天の川 曽根崇
星合ひや未だ還れぬ遺骨ある 密田妖子
掌にのせて小さき硯洗ひけり 飛岡光枝
七夕やあはれと聞くも波の音 北側松太
七夕や甍をきそふ出雲崎 北側松太
妻のため梨を買ひけり星今宵 木下洋子
彦星もすこし年取り吾がとなり 矢野京子
たをやかな竹を選びて星祭 澤田美那子
☆第二句座
【特選】
おほかたは叶はぬ願ひ笹飾り 上田雅子
やうやくに夜の寛ぐ星の秋 平尾福
わが胸に一つ流れよ秋の星 岩井善子
次の世へ託す硯を洗ひけり イーブン美奈子
七夕の笹に結ばん三百余句 長谷川冬虹
七夕竹少し萎れて香ぐはしく 田中紫春
庭に出て草履つゆけし天の川 飛岡光枝
恋々と黒き硯を洗ひけり 安藤久美
鵲の橋を探して更けにけり 金澤道子
【入選】
さうめんに紅一筋や天の川 飛岡光枝
ちやうどよき距離の二人や天の川 木下洋子
なかなかに眠らぬ街や天の川 佐々木まき
ゆさゆさと七夕竹を先頭に 玉置陽子
花も実もなく七夕竹華やぎぬ ストーン睦美
梶の葉を一枚拾ふ御所の庭 澤田美那子
郷関を出づれば独り天の川 曽根崇
銀漢やシルクロードの果てに生き 西川遊歩
句会へと今宵銀河を渡りけり 平尾福
玄海の海をまたぐや天の川 川辺酸模
玄海は鏡となりぬ星祭 園田靖彦
古窯より七夕酒の誘ひ来る 青沼尾燈子
荒縄で雁木に括り七夕竹 北側松太
七夕の短冊結びくれし父 斉藤真知子
七夕や園児にもある恋ごころ 密田妖子
七夕竹心静かに伐りにけり 上田雅子
七夕竹大空揺するうれしさよ 近藤沙羅
寝転んで草の匂ひや天の川 斉藤真知子
星まつる笹は乾びて風に擦れ 宮本みさ子
星座みな固唾を呑みて星の恋 花井淳
星祭月も祝ってをりにけり 近藤沙羅
帯締に願ひの糸のひと色を 矢野京子
大利根の釣り船に寝て天の川 岡村美沙子
天の河笹の櫓で漕ぐ月の舟 喜田りえこ
天の川百年の酒眠る洞 曽根崇
天上を旅する星をまつりけり 岩井善子
年老いて五色の糸に何願はむ 臼杵政治
念ずれば掬へそうなり天の川 升谷正博
風よ吹け星溢れしめ天の川 田中紫春
母は吾を許してゐるや星祭り 岡村美沙子
夜もすがら鳴きかはす鳥星今宵 川村玲子
第一句座
・鬼川こまち選
【特選】
ゆらゆらと市電が通る原爆忌 酒井きよみ
父母の山河八月十五日 泉早苗
大いなる雲の奥より秋来たる 齋藤嘉子
大拙の世界は柳ちるころか 長谷川櫂
水底の豆腐をすくふ晩夏かな 泉早苗
虻はらふ馬のしつぽの大回転 梅田恵美子
草木に焦土の記憶原爆忌 泉早苗
生身魂汝の八月を語られよ 篠原隆子
水求む人の列あり蟻の塔 泉早苗
とどろきて瀧となりたる行者かな 安藤久美
【入選】
打たれても虻悠々と馬の尻 梅田恵美子
逃げ水を追ふかのごとき明日かな 清水薫
父母乗せむ二頭立てなる茄子の馬 氷室茉胡
秋蝶のすがたを見せぬ暑さかな 近藤沙羅
たたまれて一本の棒白日傘 稲垣雄二
踏まるるな風にころがる蝉のから 梅田恵美子
秋の夜の一枚板の古机 松川まさみ
祷りつつ細りつつ八月は逝く 泉早苗
終戦日明けて平和のはじめたれ 松川まさみ
百ほどもルールあるらし蟻の列 清水薫
凌霄花女もときに啖呵切る 酒井きよみ
憎らしやまだ元気なる生見魂 山本桃潤
民草の涙が茂るガジュマルぞ 齋藤嘉子
八月や人もマスクも使ひ捨て 稲垣雄二
大蟻を潰し南無阿弥陀仏とは 密田妖子
鳴かば声美しからん赤蜻蛉 趙栄順
恐ろしや弾の降りくる蟻の列 谷眞理子
梅干の落ち着くところ握り飯 清水薫
・長谷川櫂選
【特選】
青春は恥の時代よ爽やかに 趙栄順
水底の豆腐をすくふ晩夏かな 泉早苗
憎らしやまだ元気なる生見魂 山本桃潤
大灘は波で波ゆふ星まつり 篠原隆子
鳴かば声美しからん赤蜻蛉 趙栄順
恐ろしや弾の降りくる蟻の列 谷眞理子
【入選】
向日葵の背中に燃ゆる残暑かな 稲垣雄二
父母乗せむ二頭立てなる茄子の馬 氷室茉胡
海風に切子を灯す漁師かな 花井淳
この地球あをあをとあれ蚯蚓鳴く 酒井きよみ
たたまれて一本の棒白日傘 稲垣雄二
少年の明日の背丈や立葵 中野徹
この盆は三日三晩を水入らず 酒井きよみ
墓訪へばゑのころぐさのほしいまま 佐々木まき
父母の山河八月十五日 泉早苗
虻はらふ馬のしつぽの大回転 梅田恵美子
風鈴や機嫌よろしきけふの風 清水薫
草木に焦土の記憶原爆忌 泉早苗
秋の夜の一枚板の古机 松川まさみ
生身魂汝が八月を語られよ 篠原隆子
白雲のかがやく空や秋暑し 近藤沙羅
その中の種は血の色ゴーヤかな 玉置陽子
ふりむかぬ思ひの滲む秋日傘 松川まさみ
木洩れ日は花びらである葡萄棚 趙栄順
くれなゐの願の糸よ清瀬村 篠原隆子
民草の涙が茂るガジュマルぞ 齋藤嘉子
木賊刈る木賊の影を負ひながら 篠原隆子
浮雲の解けては結ぶ今朝の秋 玉置陽子
投了や向かひて涼しき顔と顔 齋藤嘉子
大樹から去りゆく蝉やまた一つ 花井淳
遠き日の記憶正確生身魂 氷室茉胡
蒲焼の泥鰌を抱へ盆の月 宮田勝
八月や人もマスクも使ひ捨て 稲垣雄二
汝が胸が我がふるさとぞ生身魂 趙栄順
早稲の香や百万石の大日和 佐々木まき
盆の月かぼちや煮たがを二の膳に 花井淳
羽根のみを残して蝉は消えにけり 密田妖子
握り飯のへそに梅干落ち着きぬ 清水薫
第二句座 席題「鵙」、「落し水」
・鬼川こまち選
【特選】
鵙の贄低いぞ雪は少ないぞ 密田妖子
ジンジャーの花ぽろぽろと鵙日和 玉置陽子
水落ちて日に日に加賀はかぐはしき 長谷川櫂
鳴く声に濃淡のあり鵙日和 趙栄順
奔放な後ろ姿よ落し水 山本桃潤
日輪を底に沈めて落し水 玉置陽子
落し水噴き出す泥を鷲掴み 宮田勝
いそいそと田の水落つる星の空 佐々木まき
【入選】
石一つで変はる運命落し水 山本桃潤
鵙一声あとは閑かな奥卯辰 泉早苗
影長き人来て田水落しけり 安藤久美
願わくば我に実りを落とし水 松川まさみ
人は誰も涙こらへぬ鵙の贄 松川まさみ
大事件ありたるらしく鵙なけり 酒井きよみ
免許証持たぬ俳人百舌の影 清水薫
落し水いよいよ空は広くなる 齋藤嘉子
誰がために差し上げられし鵙の贄 谷眞理子
鵙のにへ干からびてもう枝となり 梅田恵美子
・長谷川櫂選
【特選】
影長き人来て田水落しけり 安藤久美
秋津洲海へ傾け水落す 中野徹
生きながら鵙の贄とぞなりにける 趙栄順
友禅の糊置進む落し水 花井淳
かさこそと葉陰に触るる鵙の贄 佐々木まき
モズ吉と名付けて鵙を待ってをり 近藤沙羅
行く道に蒼空広し鵙日和 宮田勝
【入選】
鵙一声あとは閑かな卯辰山 泉早苗
まつすぐに空突き抜けて鵙の声 梅田恵美子
よりにより目の高さなる鵙の贄 酒井きよみ
日輪を底に沈めて落し水 玉置陽子
落し水女房をのせ耕運機 密田妖子
まるで花咲くやうにあり鵙の贄 齋藤嘉子
いそいそと田の水落つる星の空 佐々木まき
第一句座
・鬼川こまち選
【特選】
梅雨空に高層ビルの刺さりをり 高橋慧
達谷忌熱沙をつかむ鶴の爪 篠原隆子
白山の水の味なり水ようかん 趙栄順
地引網夏の浜辺の玉手箱 山本桃潤
白山の大暑や虹をしたがへて 泉早苗
海はピアノ遥かより寄す土用波 山本桃潤
涼しさや石つたひ来る人の声 安藤久美
さみしさの余りて開くききやうかな 齋藤嘉子
梅雨空をこぼれて来たる白帆かな 玉置陽子
蝉の穴深く閑かな夢の跡 佐々木まき
【入選】
鮒鮓や湖狭めゆく夕日影 花井淳
蛍を蚊帳に放ちし日の遥か 高橋慧
梶の葉や恋の句二つ遠ざけて 宮田勝
白山をよぎるも白し梅雨の雲 佐々木まき
虹七色その水色のお菓子かな 長谷川櫂
重力にあらがふごとく梅雨の月 安藤久美
ふるさとは胸に住居り立葵 清水薫
茄子漬やほんに大和の色なりき 高橋慧
マスクにも世にも馴染まず蟇 稲垣雄二
四方より黴の視線の書斎かな 稲垣雄二
千枚田能登の岬に青々と 佐々木まき
冷し酒一合ほどをかわたれと 山本桃潤
梅雨深し角には酢屋の濃き匂ひ 密田妖子
七月の逃ぐる他なき輩よ 松川まさみ
幼虫の何かになれる夏休み 中野徹
風起こせ厄追ひ払へ奈良団扇 趙栄順
一村の灯を引き裂くや出水川 安藤久美
観音の水瓶あふる滝の音 松川まさみ
硯洗ひ心涼しくなりにけり 齋藤嘉子
白山の尾根と大暑とせめぎあふ 泉早苗
・長谷川櫂選
【特選】
うすずみの色はみよしの葛桜 安藤久美
白山の水の味なり水ようかん 趙栄順
菜刻む音は谺せよ夏厨 趙栄順
海はピアノ遥かより寄す土用波 山本桃潤
のたうつて梅雨も苦しむ地球かな 松川まさみ
四方より黴のみてゐる書斎かな 稲垣雄二
馴れてゆくこころあやふし冷奴 松川まさみ
蝉の穴深く閑かに夢の跡 佐々木まき
運のよさ中くらいなり冷奴 梅田恵美子
【入選】
営業のノルマ重たき土用かな 氷室茉胡
白山の大暑や虹をしたがへて 泉早苗
天も地も箍外れたり梅雨出水 酒井きよみ
被災地へせめて氷室の雪一塊 泉早苗
白南風や仕掛けの魚籠に大鰻 氷室茉胡
涼しさや石つたひ来る人の声 安藤久美
梅雨出水大字小字泥地獄 稲垣雄二
心中の鬼を見てきし昼寝覚 梅田恵美子
南国は月桃で編む円座かな 篠原隆子
茄子漬やほんに大和の色なりき 高橋慧
マスクにも世にも馴染まず蟇 稲垣雄二
月読に焦がるる花か烏瓜 齋藤嘉子
干梅の頽廃色に仕上がりぬ 佐々木まき
冷し瓜生涯ひとりを嘆く人 玉置陽子
美しき筋肉動く夏祭 趙栄順
風起こせ厄追ひ払へ奈良団扇 趙栄順
ひかりあらばこそソーダ—水はきれい 中野徹
絹張りの扇少しづつ開く 佐々木まき
なぎの実のころがる小道梅雨の杜 梅田恵美子
第二句座
・鬼川こまち選
【特選】
馥郁と吾も熟せよ梅酒かな 高橋慧
【入選】
桃源の瓶の微睡梅酒かな 玉置陽子
梅酒造り夫に任せて二十年 氷室茉胡
戦争を逃げ回りたる梅酒かな 稲垣雄二
ひとりカクテル一人ロックの梅酒かな 花井淳
恐ろしや開かずの梅酒ひとつある 趙栄順
・長谷川櫂選
【特選】
雨降れば梅酒の瓶のなほしづか 安藤久美
戦争を逃げ回りたる梅酒かな 稲垣雄二
夫婦久し厨の梅酒また久し 佐々木まき
恐ろしや開かずの梅酒ひとつある 趙栄順
【入選】
夫と漬けし梅酒は今や黄金色 齋藤嘉子
飲むよりは飲まさせられゐる加賀梅酒 中野徹
また作る古りし梅酒を眺めつつ 梅田恵美子
馥郁と吾も熟せよ梅酒かな 高橋慧
長谷川櫂 選
第一句座
【特選】
思ひ出の箱の中から芦刈山 美那子
もう一年我が家を守れ古粽 雄二
大夕焼まぼろしの鉾立ちそろふ 久美
鬼どもの涼んでゐるや京の闇 久美
射干の花一輪を祭りかな 悦子
とびきりの大輪なりき牡丹鱧 洋子
べつぴんの鱧の花咲く椀の中 光枝
今か今かと鉾待ちし夏なつかしき 沙羅
素戔嗚尊や令和二年の大昼寝 りえこ
長刀鉾長刀ゆらし大路来よ 沙羅
鉾のなき鉾の祭りも都ぶり 忠雄
【入選】
蔵開けて今日より鉾のお風入れ 忠雄
疫を切る長刀鉾の太刀いづこ 真知子
休み鉾今こそ力蓄へん 久美
鉾倉をあけよ今年の風入れん 嘉子
素戔嗚の昼寝覚まさんよういやさ 久美
水打つて鉾町の闇鎮めたり 雄二
須佐之男も宵寝するらん蚊遣香 美那子
コンチキチン鳴らぬ京都の暑さかな 真知子
見送りの翅涼しけれ蟷螂山 淳
力溜めよ今年こぞりて休み鉾 雄二
天空に月を預けて鉾休む 美那子
蟷螂山蟷螂どこへ飛びゆきし 真知子
山鉾の渡らぬ夏の短かけれ 忠雄
まぼろしの長刀鉾来る大路かな 洋子
汀さんの祇園歳時記雲の峰 光枝
昼間から鱧の落しでこんちきちん 美那子
疫鬼去れここは鉾道神の道 嘉子
この年はひとりで歩む鉾の道 光枝
コロナ禍の今こそ祇園祭かな 洋子
鉾は来ず手持ち無沙汰の大路かな 真知子
応仁の乱にあらねど休み鉾 光枝
この年は心の中を鉾進む 雄二
鉾無くて今宵の月のさまよへる 悦子
第二句座
【特選】
川床で飲む名も鴨川や冷し酒 りえこ
鴨川を啜るここちや心太 忠雄
御霊会や京は静かに夏の底 美那子
沈黙す稚児あふぐべき大団扇 沙羅
祭鱧食べずに一つ年取るか 雄二
鉾たてぬといふといへども祭かな 沙羅
目つむれば鉾誇らかに山涼し 美那子
鉾幻山幻の大路かな 美智子
鉾蔵に眠れるままや木と縄と 茉胡
賀茂の水打つ一杓に鬼は散る 久美
包丁の一閃ありて花の鱧 忠雄
夕風に吊られしままの浴衣かな 真知子
【入選】
月鉾の月の埃は払はれず 雄二
かりそめの祭提灯灯も侘し まき
空耳や去年の鉾の賑はひも まき
荒梅雨の底とよもせやコンチキチン 嘉子
羽休め無聊をかこつ蟷螂山 美智子
荒梅雨やあばれ観音閉じこめて 悦子
夢に聞く祇園囃子や籠枕 忠雄
来る年の祇園囃子を聞きに来よ 真知子
風流の鉦や太鼓やよーいやさ りえこ
鉾建てや金沢にゐて東山 淳
鬼川こまち選
【特選】
白山をぎゆつと絞りて清水汲む 薫
銃眼の角くづれたる緑かな 陽子
涼しさは瑞穂の国の花あやめ きよみ
草とるや人の嘆きを聞きながら 櫂
幾重にも青き楓の金沢へ 櫂
深みどり天蓋にして大八洲 陽子
けふからは大空が母燕の子 きよみ
【入選】
天と地を断ち切る刃夏燕 薫
つば甚の小暗き奥へ夏座敷 久美
ほの温きお茶ではじまる夏料理 雄二
意を決し扇子パチンと風仕舞ふ 徹
一切は生死一対風薫る まさみ
あかあかの句碑は青葉の裏に座す 淳
人類のごとく貪る毛虫かな 雄二
滴りの間合にも似て語り合ひ まさみ
鮴汁や筧のあそぶ昼の庭 久美
滴りや一山香気放ちたる 早苗
古九谷のいろに漬かりて茄子胡瓜 早苗
なめくぢの一生海を行くごとし 雄二
美術館に検温の列水中花 茉胡
周平の武士は貧しや虎が雨 勝
老鶯の声あげる時いのちがけ 恵美子
長谷川櫂選
【◎特選】
白山をぎゆつと絞りて清水汲む 薫
蛍来よわが身の水の涸れぬうち 隆子
【特選】
棕櫚の葉の扇はるかに来たる人 隆子
那谷仏へ一灯ともす初蛍 早苗
月読のしづくを吸うて桃太る 嘉子
浮いてこいアヒルも金魚も会へぬ孫も 徹
ただ母のそばにゐるだけ夕端居 嘉子
香水は身八ツ口より香るかな 栄順
ほの温きお茶ではじまる夏料理 雄二
あかあかの句碑は青葉の裏にあり 淳
行く末は一まず置かん夕端居 まき
梅雨に蒸されマスクに蒸され励みをり きよみ
鮴汁や筧のあそぶ昼の庭 久美
けふからは大空が母燕の子 きよみ
【入選】
一億の自宅流刑や梅雨に入る こまち
降りそそぐ万の詩歌か栗の花 薫
郭公のこゑにつづきて啼きてみむ 陽子
裸子は籠飛び出した小鳥かな 栄順
もくもくと比良に雲湧く噴井かな 隆子
夏至の日や加賀には赤き姫だるま こまち
な触れそ一指に傷む桃の肌 嘉子
滴りに目覚むる石の仏かな 茉胡
六月の大気は水でできてをり 薫
太陽の雫の一つ女郎蜘蛛 雄二
桃すする故郷持たぬさみしさに 栄順
決断す扇子パチンと風仕舞ふ 徹
たましひの少し遅るる昼寝覚 栄順
一切は生死一対風薫る まさみ
真つ白な大きな雲や沖縄忌 こまち
梅酒琥珀夫婦の仲も古りにけり まき
人類は地球貪る毛虫かな 雄二
蟻の目にぐつと迫り来靴の底 まさみ
白南風を天蓋にして大八洲 陽子
灯を入れてよりの涼しさ岐阜提灯 隆子
滴りや一山の香を放ちたる 早苗
蘖やにくまれ盛りのび盛り 久美
古九谷の藍や翠や茄子胡瓜 早苗
なめくぢの一生海を行くごとし 雄二
ざぶざぶと家一軒を男梅雨 こまち
谷底や青葉若葉の大合唱 恵美子
古志zoom講座「俳句でよむ『おくのほそ道』」の開始時間が変わります。今までは第一土曜日の午後1:30からでしたが、
7月から、第一土曜日の午前11:00からになります。お間違いのないようにお願いいたします。
本日は古志ズーム講座「俳句でよむ『おくのほそ道』」第2回目です。参加者は15分前に会議室にお入りください。会議室のURLは5日の一斉メールでお知らせしてあります。
7月17日(金)の祇園会スカイプ句会は満員(定員20人)になりました。
句会の詳細、あらためておしらせします。
5月2日(土)、古志スカイプ講座「俳句でよむ『おくのほそ道』」がはじまります。時間は13:30〜14:15。遅刻しないよう、少し早めにお入りください。
参加するには古志スカイプ講座への事前登録が必要です。定員20人。
次の講座もはじまります。古志スカイプ講座はすべて受講料は無料です。
2)30分で学ぶ俳句の歴史
・講師=藤英樹
・毎月第3土曜日13:30〜14:15
講座=13:30〜14:00
質問=14:00〜14:15
・テキスト=毎回メール送信
・定員=20人。古志会員は誰でも参加できます。
・参加費=無料
・講師の一言=天明俳壇から始めます。蕪村が中心ですが、百花繚乱の時代です。
3)『折々のうた』600句を覚えよう!
・講師=趙栄順
・毎月第4日曜日14:00〜14:45(時間ご注意ください)
講座=14:00〜14:30
質問=14:30〜14:45
・テキスト=『大岡信「折々のうた」選』俳句一、二(岩波新書)
・定員=20人。古志会員は誰でも参加できます。
・参加費=無料
・講師の一言=『折々のうた』選一、二をテキストに毎回2~3句を取り上げ、私の鑑賞とお喋りを聞いていただく講座です。
4)花の浪花の読書会
・講師=木下洋子
・毎月第3土曜日20:00〜20:45
・テキスト=アルベール・カミュの『ペスト』(新潮文庫)
・定員=15名。古志会員は誰でも参加できます。
・参加料=無料
・講師の一言=新型コロナウイルス感染拡大が続いています。不安な気持で家にこもっている今、読みたいのが『ペスト』。この世の「不条理」を大阪弁で言うと「なんでやねん」です。「なんでやねん」を読書会を通じて皆さんと考えたいと思います。