ネット投句(2020年3月31日)選句と選評
・新型コロナウイルスの猛威、2年はつづきそうです。
・ではどうするか、俳句を含め、長期的なやり方をお考えください。
・俳句で説明は不要です。
・てにをは、ご注意ください。
【特選】
満開の花の記憶の中に棲む 01_北海道 芳賀匙子
三月の海の中よりピアノ鳴る 07_福島 渡辺遊太
・底より
春光やひしと打ちくる時もあり 12_千葉 水町ゆの
三浦よりみどり玉散る春キャベツ 13_東京 西川遊歩
流木は春の老人ものおもふ 27_大阪 安藤久美
釜飯の湯気の中から桜鯛 28_兵庫 加藤百合子
雪折れの枝もて花待つこころかな 28_兵庫 藤岡美惠子
・て、不要。
三人のバレーボールの空に花 29_奈良 田原春
・空を
囀りに応へて風も歌ふらし 42_長崎 百田直代
【入選】
流氷に帰る岸なし家はなし 01_北海道 高橋真樹子
初蝶と見やれば風の光かな 01_北海道 柳一斉
三月の月山真白梅真白 04_宮城 長谷川冬虹
春天やいよいよ白き月の山 04_宮城 長谷川冬虹
康らかな吾子の寝息や木の根開く 05_秋田 佐藤一郎
幹打ちて遊ぶ小げらも花の塵 12_千葉 池田祥子
・上五、描写不全。
くちびるはわが恋の色紅椿 13_東京 長井亜紀
身をちぢめ潮あふれさす栄螺かな 13_東京 長井亜紀
春の空腕のばせば佐渡島 13_東京 長井亜紀
母老いて頬紅買いぬ春の昼 13_東京 長尾貴代
ほそ長き草の根ひたる春の川 14_神奈川 越智淳子
・簡潔に。
朝からの雨は上がりぬ花ミモザ 14_神奈川 江藤鳥歩
盗人よ旨かろふわが春キャベツ 14_神奈川 松井恭子
・う
遠去かるコックスの声風眩し 14_神奈川 土屋春樹
自句集の夢をつながん草の餅 20_長野 金田伸一
カウンターテナー佳コロラトゥーラ否はるは嵐 20_長野 柚木紀子
日本中どつと笑はせ去りし春 21_岐阜 夏井通江
囀りの木立楽しも籠り居て 21_岐阜 三好政子
来世もここに立ちたし畑の春 23_愛知 宗石みずえ
ゆるゆると一合の酒日永かな 23_愛知 青沼尾燈子
小雀やベンチで食べるにぎりめし 23_愛知 中村さち枝
感染症ただならぬ世を桜咲く 23_愛知 服部紀子
若鮎や水のふところ蹴り上げて 23_愛知 野口優子
蝶のごとわれも出て見ん朧月夜 26_京都 佐々木まき
虚ろとは雛仕舞ひたるあとの部屋 26_京都 佐々木まき
何もかも浄化し給へ春の水 26_京都 氷室茉胡
傷癒えぬ間に次の恋春の猫 26_京都 氷室茉胡
しきつめて千の椿や鬼の宿 27_大阪 古味瑳楓
仲人の縁にいただく新若布 27_大阪 高角みつこ
・縁で
俎板を濡らし溢れり新若布 27_大阪 高角みつこ
・溢るる
春の雪人待つ人に積りけり 27_大阪 山中紅萼
・つつ
四年目のやうやく花やあけび蔓 27_大阪 澤田美那子
・四年目に
花びらや蘇民将来おいでませ 27_大阪 澤田美那子
春夕焼け吾子の描きし父母の顔 27_大阪 齊藤遼風
・吾、余計。子の描きたる?
春寒や母の背中の手術跡 27_大阪 齊藤遼風
・背中に
目つぶれば黄泉は金色あたたかし 28_兵庫 加藤百合子
耕しの大き影ある夕かな 29_奈良 喜田りえこ
卒業式ボイコットせしかの日あり 30_和歌山 玉置陽子
紀ノ川をのぼる花桃花杏 30_和歌山 玉置陽子
白木蓮切られの与三のやうな傷 37_香川 丸亀葉七子
吹かれ来し花びら二つ畳かな 37_香川 曽根崇
追ひかけて遍路に渡す祝の餅 37_香川 曽根崇
鶯や日に睦みあふ出合川 44_大分 竹中南行
朧月夜己が心に桃源郷 44_大分 土`谷眞理子
・朧月夜、煩わしい。
春北風巨大客船接岸す 46_鹿児島 大西朝子