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ネット投句(2025年9月30日)特選と入選

ネット投句 投稿日:2025年10月2日 作成者: dvx223272025年10月2日

★印は特選

もの思ふ日影の菊のつぼみかな 北海道 芳賀匙子
秋の夜や思ひ出ひとつまたひとつ 北海道 柳一斉
ああ虫も息も絶え絶え鳴いてゐる 青森 清水俊夫
萩咲けり学長日記新学期 宮城 長谷川冬虹
蔵の中雨をしのぎし唐辛子 茨城 袖山富美江
★ 秋暑し咲きつかれたる百日紅 埼玉 下家正幸
あつくとも秋の彼岸と烏鳴く 埼玉 下家正幸
硝子戸を通る秋の陽やや弱り 埼玉 佐藤森恵
★ 母眠るほの小水の香夜半の秋 埼玉 佐藤森恵
秋の夕帰るピエロとすれ違ふ 埼玉 佐藤森恵
夕暮れや鳩吹く君の手のかたち 埼玉 上田雅子
静寂や宙にみちたる秋の声 千葉 若土裕子
鉦叩眠れぬ吾に寄り添ふや 千葉 若土裕子
★ 大枯野先ゆく父母のもう見えず 千葉 若土裕子
月照らす残されし球マウンドに 千葉 谷口正人
一つ家に鈴虫とゐて夜更しす 千葉 池田祥子
暮れ残る畦ひとところ曼珠沙華 千葉 池田祥子
煙草喫む昭和の人や秋の風 千葉 麻生十三
後の世とこの世のあはひ曼珠沙華 千葉 麻生十三
飄々と一人で退院小鳥来る 千葉 木地隆
座興にとめでたき一句新酒酌む 千葉 木地隆
秋深し海辺へ寄せる白き泡 東京 楠原正光
はあはあがまだ収まらぬ勝相撲 神奈川 臼杵政治
夕映えてなぜさびしきや鰯雲 神奈川 越智淳子
侵し難き猫の瞑想秋深む 神奈川 遠藤初惠
★ 星月夜セリーヌディオンを聴きながら 神奈川 遠藤美緒
こんなにも自由な時間穴惑 神奈川 遠藤美緒
★ 小さき窓なれど全開秋の風 神奈川 三浦イシ子
絶望の真黒き空の高さかな 神奈川 三玉一郎
会いに行かな待ちをる母に栗羊羹 神奈川 谷村和華子
曼殊沙華近づき過ぎてふと眩暈 神奈川 中丸佳音
虫の音や夜更けの窓の半開 神奈川 藤澤迪夫
桟橋の巨船見に行く秋日和 神奈川 片山ひろし
無花果に月のひかりの裂け目かな 新潟 安藤文
湯上がりのふぐりを照らすけふの月 新潟 安藤文
長き長き孤独を生きてけふの月 新潟 安藤文
白壁に翻ってゐる秋の影 新潟 高橋慧
半日は神官半日は蕎麦を刈る 富山 酒井きよみ
秋繭や総湯に指をいたはりつ 石川 花井淳
一度ならず新米すくふ掌 石川 松川まさみ
気の置けぬ友とも思ふ長夜かな 石川 清水薫
老いといふ毒を加へて毒きのこ 石川 清水薫
★ 万物のへたへた坐る残暑かな 石川 竹野いさお
鞭打つて初心しよしんと生身魂 石川 竹野いさお
用水の落ち葉とともに歩きけり 石川 北村おさむ
新涼や散歩するより草取らん 石川 密田妖子
★ 待ちかねし新涼浴びる痩躯かな 石川 密田妖子
九ちやんの歌をみんなで敬老日 長野 金田伸一
明日でよいことは明日へ生身魂 長野 金田伸一
★ 柿の木を植ゑて待たんか柿の秋 長野 金田伸一
やままゆの繭の落ちてる山の秋 岐阜 古田之子
新涼やいつまで叶ふ一人旅 岐阜 三好政子
死神と酌み交はしたる夜長かな 岐阜 梅田恵美子
稲妻や神の怒りか天の奥 岐阜 梅田恵美子
犬の舌口よりだらり秋暑し 静岡 湯浅菊子
病床で世界陸上見てる秋 静岡 湯浅菊子
とやかくの新米まずは買いにけり 静岡 湯浅菊子
一喝や閻魔の口の柘榴の実 愛知 稲垣雄二
★ 大婆の垂れ乳たふと吾亦紅 愛知 宗石みずえ
岩に水しぶき激しやうるか食む 愛知 宗石みずえ
★ ガザ地獄ウクライナ地獄や草の花 愛知 青沼尾燈子
ウクライナより来し力士の静かな目 愛知 青沼尾燈子
リズムよく今日も仕事や秋は来ぬ 愛知 服部滝伸
色の無き風を入れたる詩仙の間 京都 氷室茉胡
夜は夜の風あそびゐる花野かな 大阪 安藤久美
太宰府の仮殿の森小鳥くる 大阪 木下洋子
大小の木の実転がる机かな 大阪 木下洋子
ひとときは茜に染まり上り月 大阪 澤田美那子
一輪を摘みて帰るや大花野 兵庫 吉安とも子
大花野近くて遠き生家かな 兵庫 吉安とも子
新緑や夜の窓辺のすぐそこに 兵庫 天野ミチ
好ましききつね饂飩に涼新た 兵庫 天野ミチ
遥かなるもう会えぬ人赤まんま 兵庫 福田光博
遠き日の思い出苦し秋の雨 兵庫 髙見正樹
★ 我も虫君も虫なり存へん 奈良 きだりえこ
★ 人の闇に声を失したるちちろかな 奈良 きだりえこ
発心の箒が動く柿日和 奈良 きだりえこ
他所行きの顔して並ぶマスカット 奈良 中野美津子
名月や池の底には朽ちし舟 奈良 中野美津子
お前小舞お前背負籠よ竹を伐る 岡山 齋藤嘉子
★ その時は箸置くやうに草の花 広島 森恵美子
だんじりや男らの足袋美しき 広島 森恵美子
★ 暴君の統べる世界か秋団扇 広島 瑞木綾乃
青柿の染まるばかりに整ひぬ 広島 鈴木榮子
赤潮の静に向ひ来る不気味 高知 森脇杏花
稲の香や奥へ奥へと御陵まで 長崎 ももたなおよ
女将さんエプロン外し夜学へと 長崎 ももたなおよ
いわし雲歯を削る音の脳天に 長崎 ももたなおよ
亡き母の吾を呼ぶ声か秋蛍 長崎 川辺酸模
★ 冷まじや岸辺ただよふ秋の鮎 長崎 川辺酸模
死を恐る吾を叱るか鵙の声 長崎 川辺酸模
浮世絵の遊女をまねてへちま水 熊本 山下たまき
瓢棚こころの友の一人居て 大分 山本桃潤
★ 汗水の滲みたる大地曼珠沙華 大分 竹中南行

ネット投句(2025年9月15日)特選と入選

ネット投句 投稿日:2025年9月20日 作成者: dvx223272025年9月20日

★印は特選

何もないとうそぶいてゐる秋の空 北海道 芳賀匙子
魚の口ぶくと息吐く秋暑かな 北海道 芳賀匙子
蜻蛉の着地の首を傾げたり 北海道 柳一斉
蓮見舟父母おはすかの国へ 宮城 長谷川冬虹
かの世とのあはひに揺るる蓮見舟 宮城 長谷川冬虹
コスモスや石油タンクの通る街 茨城 袖山富美江
思い出は押入れの中鰯雲 茨城 袖山富美江
すんでのところ命拾ひて老人の日 埼玉 園田靖彦
いつものやうぞんざいであれ老人の日 埼玉 園田靖彦
★ 誰か知る曲がる胡瓜の気持など 埼玉 下家正幸
芋の蔓ひっくり返せば朝の露 埼玉 下家正幸
今日上ノ星二居リマス賢治の忌 埼玉 佐藤森恵
鷹になり伊良子岬を渡りたし 埼玉 佐藤森恵
鮭打れ体痺れて卵漏る 埼玉 佐藤森恵
我が城は六畳和室障子貼る 埼玉 上田雅子
山の色うつして鮎の落ちにけり 千葉 安田勅男
新豆腐切り分けられる水の中 千葉 若土裕子
★ 病む地球こよいは眠れ星月夜 千葉 若土裕子
ともすれば止まぬ盃長き夜 千葉 青山果楠
兜虫万力のごと樹皮掴み 千葉 谷口正人
十六夜や昨日は早も夢のごと 千葉 池田祥子
老犬に別れを告げる法師蝉 東京 岡田定
新米や赤の値札が店頭へ 東京 楠原正光
★ 老人も人口もへる敬老日 東京 櫻井滋
飼猫が死して七日や大花野 神奈川 臼杵政治
この空き家かつて大農家白木槿 神奈川 越智淳子
金魚鉢に氷放りこむ残暑なり 神奈川 遠藤初惠
行く夏の渚づたひに出雲崎 神奈川 丸山分水
★ きのふとはちがふ暗闇鉦叩 神奈川 丸山分水
★ 初秋や湾に遊びし雲一片 神奈川 三浦イシ子
大いなる秋天の下にぎり飯 神奈川 三浦イシ子
秋天や一人こまごま旅支度 神奈川 三浦イシ子
★ 八月がゆく足枷をつけたまま 神奈川 三玉一郎
★ 草の花人に生まれてみなひとり 神奈川 三玉一郎
新涼や眼鏡外した眼にも風 神奈川 松井恭子
それ自身まどろむでゐる籐寝椅子 神奈川 中丸佳音
子ら帰し厨に一人かなかなかな 神奈川 中丸佳音
★ 腹見せてもはやこれまで秋の蝉 神奈川 藤澤迪夫
霧を来て霧に消えゆく黄のクーペ 神奈川 藤澤迪夫
蕾ある一鉢を買ふ朝顔市 神奈川 片山ひろし
無花果は不敵な笑みを浮かべをり 新潟 安藤文
無花果の潰れてありし今朝の庭 新潟 安藤文
無花果のきれいに裂けてゐることよ 新潟 安藤文
★ 傍らに陰の盃十六夜 石川 花井淳
酔ひ初めやいざよふ月の卯辰山 石川 花井淳
土地のものほそと並べる山の秋 石川 花井淳
南天の実に似た色の紅を差す 石川 山本葉舟
秋暑し純白の雲なほまぶし 石川 松川まさみ
さはやかに木影拾ひて老いゆかん 石川 松川まさみ
★ 秋の金魚と穏やかな日なりけり 石川 松川まさみ
夜を惜しめ命惜しめと虫時雨 石川 清水薫
水遣りの盆栽に喜雨来たりけり 石川 竹野いさお
政見に白けるばかり老いの秋 石川 竹野いさお
百日紅百日にまだ日のありて 石川 竹野いさお
白粥に沈む佃煮朝の露 石川 平林はや乃
時遊び自由きままの秋の蝶 石川 北村おさむ
敬老日手に手にシャインマスカット 長野 金田伸一
秋めくやオルガンの息深まりぬ 長野 大島一馬
空蝉の内にもひびく蝉の声 岐阜 古田之子
案じしが美濃も尾張も稲の花 岐阜 三好政子
★ ただ一度鹿に遭遇金華山 岐阜 三好政子
★ 水を出て重きうつつや秋の犀 岐阜 梅田恵美子
葛の花足うら熱き磧石 岐阜 梅田恵美子
打ち水に背中打たれて犀瞑想 岐阜 梅田恵美子
★ お地蔵の頭ごなしや迎鐘 静岡 湯浅菊子
向き合ふて薬飲む日々敬老の日 静岡 湯浅菊子
★ 苦瓜の熟れては爆ぜる残暑かな 愛知 稲垣雄二
★ 邯鄲や草になりたる母の家 愛知 稲垣雄二
真夜中の月赤黒く蝕といふ 愛知 宗石みずえ
何処見ても鉄道草やひとり旅 愛知 宗石みずえ
がつしりとした娘に持たせ花カンナ 愛知 宗石みずえ
八十年経て揚げられしされこうべ 愛知 青沼尾燈子
★ 望月やあまねく溽野照らしをり 愛知 青沼尾燈子
晩酌は鯊のから揚げ釣日和 愛知 服部滝伸
秋茄子や焼きか煮つけか妻の問ふ 愛知 服部滝伸
公園につくつく法師やつと聞く 大阪 山中紅萼
★ 白木槿ぼーっと生まれぼーっと死ぬ 大阪 木下洋子
もう一日野良たのしまん秋の蛇 大阪 木下洋子
★ 猪口ほどに咲いて朝顔終の花 大阪 澤田美那子
★ 見たこともなくて親しき鉦叩 大阪 澤田美那子
栗便りまづ一番は恵那の郷 大阪 澤田美那子
ある駅に間違ひて降り秋果喰ふ 大阪 齊藤遼風
颱風の真夜を水漬かせ東へ 兵庫 加藤百合子
鰯雲またいで渡る水たまり 兵庫 加藤百合子
大海に秋刀魚群れゐる銀河かな 兵庫 加藤百合子
ふる里の空へ奔放吾亦紅 兵庫 吉安とも子
とんぼ見た一匹二匹目の前を 兵庫 天野ミチ
いつのまに葛柱まで村老いぬ 兵庫 藤岡美恵子
★ 露草や女人の眉の青かりき 兵庫 福田光博
秋風や白波の立つ船溜まり 兵庫 髙見正樹
秋の声楠の林を抜ける風 兵庫 髙見正樹
虫の声日毎に遅る夜明かな 兵庫 髙見正樹
★ 這い出して庭整えん敬老日 奈良 きだりえこ
★ 赤ん坊に乳歯一本豊の秋 奈良 きだりえこ
白隠の達磨の目玉猫じやらし 奈良 きだりえこ
星ひとつ流れて闇を残しけり 奈良 中野美津子
障子入れて雲居にねまる心地かな 和歌山 玉置陽子
★ 死にながら下りてゆくや秋の鮎 和歌山 玉置陽子
紀ノ国は日の良きところ小鳥来る 和歌山 玉置陽子
胸中に帰燕の一句しみるかな 広島 森恵美子
握り潰せる無花果を剥きゐたる 広島 森恵美子
早逝の君にひらくや白芙蓉 広島 森恵美子
鯛落ちぬ陸奥の朽ちゆく海底へ 広島 瑞木綾乃
人人人相生橋に鰯雲 広島 瑞木綾乃
団栗の独楽回しみる留守の昼 広島 鈴木榮子
西瓜食む子がハモニカを吹くやうに 香川 佐藤浩章
妻子寝て遺影の父と温め酒 香川 佐藤浩章
備蓄米古米等とは言う勿れ 高知 森脇杏花
★ 仰ぎ見る松山城や氷店 高知 森脇杏花
夏氷食べし証や赤き舌 高知 森脇杏花
赤ん坊の守り頼まるる敬老日 長崎 ももたなおよ
★ またの世は風より軽き糸蜻蛉 長崎 川辺酸模
★ 躊躇ひてやつとつくつく法師かな 大分 山本桃潤
★ 再びの珊瑚の花を首里の丘 大分 山本桃潤
天気図の余白に秋の来ていたり 大分 山本桃潤
まほろばの里の走りや栗の飯 大分 竹中南行
★ 新しき視界つぎつぎ飛蝗とぶ 大分 竹中南行

ネット投句(2025年8月31日)特選と入選

ネット投句 投稿日:2025年9月2日 作成者: dvx223272025年9月2日

★印は特選

韮の花冬の花火に似てゐたり 北海道 芳賀匙子
ががいもに畑とられて秋はじめ 北海道 芳賀匙子
★ たわたわとたはけのはての風の萩 北海道 芳賀匙子
邯鄲や闇こきざみに震へをり 北海道 柳一斉
虫が鳴く炎暑と涼しさの狭間 青森 清水俊夫
西瓜食みこの八十年寿げり 宮城 長谷川冬虹
落とすなよ地球のごときこの西瓜 宮城 長谷川冬虹
秋暑し白線まぶし運動場 茨城 袖山富美江
★ パンドラの匣に残りし冷酒かな 埼玉 下家正幸
十六夜のいまのぼり来る踊りかな 埼玉 下家正幸
そんなにもあの子が好きかと宵祭り 埼玉 下家正幸
鉄砧雲北総の空支えけり 千葉 安田勅男
一の字がかすかに残る大文字 千葉 安田勅男
眼裏の父の笑顔よ晩夏光 千葉 菊地原弘美
冷蔵庫の闇に鳳梨の微熱あり 千葉 菊地原弘美
たすかりし命みやくうつ天の川 千葉 若土裕子
中空はけさ目覚めるたる秋の風 千葉 若土裕子
蚊やり香出番失う猛暑かな 千葉 春藤かづ子
おばあちゃんスマホにお辞儀汗拭ふ 千葉 青山果楠
水やりや蜻蛉がニ匹寄り来たり 千葉 谷口正人
蜩やさすれば細き君の足 千葉 池田祥子
虫の声夢の続きにきく夜かな 千葉 麻生十三
ぱたぱたと我意を散らかし扇風 千葉 木地隆
茗荷竹今年は分ける余裕なく 東京 永井奈緒
★ 秋の月お世話になりました母は言ふ 東京 永井奈緒
新涼やほんのわづかな風に謝す 神奈川 越智淳子
苛立ちも悲しみも去れ八月尽 神奈川 越智淳子
兄ちゃんと初新幹線夏休み 神奈川 遠藤初惠
秋日傘ひとりさしをりヨーロッパ 神奈川 遠藤美緒
よりどころなしと嘆けり熱砂ゆく 神奈川 三浦イシ子
★ 瓜茄子いつも揃ってわが家の膳 神奈川 三浦イシ子
反戦のこころにひとつ草の花 神奈川 三玉一郎
初採りの西瓜熱しや刃をそつと 神奈川 松井恭子
風吹いて吹き忘れたる糸とんぼ 神奈川 松井恭子
★ 空丸ごと水拭きしたき残暑かな 神奈川 松井恭子
一山はみんみんの国われ小さく 神奈川 中丸佳音
舞ひきたる夏の落ち葉の片便り 神奈川 中丸佳音
米の出来七分に落とす秋旱 神奈川 片山ひろし
開かんとする朝顔に露の玉 神奈川 片山ひろし
百日紅幹をぞろぞろ蟻のぼる 新潟 安藤文
ぶらりぶらん凌霄宙に遊ぶなり 新潟 安藤文
オリーブの葉翻る沖に白帆 新潟 高橋慧
八十年とらぬ責任終戦忌 富山 酒井きよみ
★ 若者を砲弾とせし敗戦忌 富山 酒井きよみ
奔放に太き長きや糸瓜棚 石川 花井淳
★ 面長は長身の常赤とんぼ 石川 花井淳
夜学にて廊下の隅のバケツかな 石川 山本葉舟
★ 我もゐて川浴びの子らは幻 石川 松川まさみ
★ 風入れてみたるも駄句はついに駄句 石川 松川まさみ
わめきけり残暑の町の室外機 石川 松川まさみ
感慨悔恨感謝を抱き苅田 石川 清水薫
老犬と日暮れ待ちゐる猛暑かな 石川 竹野いさお
朝顔や一花ふえて四重唱 石川 北村おさむ
落ち蝉の自ら跳ねて塵取りへ 石川 密田妖子
★ 寝て覚めてこどもに戻る西瓜かな 長野 金田伸一
丁寧に命かかへて秋の蝶 長野 大島一馬
戦場を見て来し月の棚田かな 長野 大島一馬
路地裏に日陰求めて迷ひたり 岐阜 古田之子
暑気払ひ山寺の鐘鳴りひびく 岐阜 古田之子
八十年帰れぬ遺骨草しげる 岐阜 梅田恵美子
夏一日戦に逝きし人想う 岐阜 梅田恵美子
雨止んで秋蝉またも鳴き始む 静岡 湯浅菊子
★ 冬瓜の瞑想深きごろ寝かな 愛知 稲垣雄二
★ 洗ひ髪星へ広げる夜の秋 愛知 稲垣雄二
邯鄲は草のひとひら草の上 愛知 稲垣雄二
人の来ず茗荷の花も出でぬなり 愛知 宗石みずえ
★ 霧の奥しづかに犬が鳴いてゐる 愛知 青沼尾燈子
★ 犬去りぬひとりで歩く秋野かな 愛知 青沼尾燈子
つくつくし三十七度また突破 愛知 服部滝伸
いつの間に運河の上を赤とんぼ 愛知 服部滝伸
髪切りし妻に気付かぬ厄日かな 京都 氷室茉胡
かなかなや意外に長き余生なる 京都 氷室茉胡
★ 高々と噴水だけが知る虚空 大阪 安藤久美
膝の子は夏とあそびに行つたきり 大阪 安藤久美
水こそはぬるくあるまじ秋はじめ 大阪 山中紅萼
片陰や犬シャンプーに連れてく日 大阪 山中紅萼
★ 守るべきは守りし誇り捨案山子 大阪 木下洋子
石叩き河原の石は熱すぎて 大阪 木下洋子
一人焚く苧殻小さく折りながら 大阪 澤田美那子
執心の石ひとつあり石叩 大阪 澤田美那子
★ 大文字戦の星となり果てて 大阪 澤田美那子
湖国には俳人多し朴散華 大阪 齊藤遼風
柚子坊のあれよあれよと鉢ひとつ 兵庫 加藤百合子
ふっくらと米の香りや稲の花 兵庫 吉安とも子
秋暑し洗濯物も垂らし干し 兵庫 天野ミチ
日射し避け奥の部屋へと秋暑かな 兵庫 天野ミチ
★ 八月と言ふ言葉まで暑苦し 兵庫 天野ミチ
★ K2に逝きし岳人星月夜 兵庫 福田光博
生延びる心地の八十路秋めける 兵庫 髙見正樹
鳴る霧笛船上暮しを思い出す 兵庫 髙見正樹
秋草や靡けばたちまち大極殿 奈良 喜田りえ子
★ 新涼や茶筅のさきのうす緑 奈良 喜田りえ子
秋めくやビオラとチェロの二重奏 奈良 中野美津子
★ 秋簾もう片付ける人はなく 奈良 中野美津子
★ 朝顔の蔓に自由の風が吹く 奈良 中野美津子
★ 抱き寄せて秋の木洩れ日爪弾かん 和歌山 玉置陽子
冬瓜汁この世あの世も君とゐん 岡山 サイトウヨシコ
宍道湖へ魂流るるよ灯籠よ 広島 森恵美子
墓洗ふ父の看とりに悔ありき 広島 森恵美子
わが秋思すなはち胸のクロスかな 広島 森恵美子
櫟の実ぜんぶ帽子の中に居り 広島 鈴木榮子
護国寺や戦血満つる盆提灯 香川 佐藤浩章
秋冷やクライン・ブルーの静物画 香川 佐藤浩章
終戦日我も卒寿となりにけり 高知 森脇杏花
★ 反戦に今も気概や終戦日 高知 森脇杏花
これよりは海の細道椿の実 長崎 ももたなおよ
漂着の空海見しか椿の実 長崎 ももたなおよ
★ 秋来れば日毎に深し茄子の紺 長崎 川辺酸模
夢の世をしばしなごめよ庭花火 長崎 川辺酸模
渾身のトランペッター彼は誰そ 熊本 山下たまき
八月や恐れ慄く線状帯 熊本 山下たまき
★ 登り窯皿わる音も秋めける 大分 山本桃潤
油蝉進化遅れしやうに飛ぶ 大分 山本桃潤
★ 人類が背負う十字架八月来 大分 山本桃潤
かなかなと鳴くかなかなと去りながら 大分 竹中南行
★ 吾亦紅怒りの紅の美しき 大分 田中俊一
編笠のかぼそき女風の盆 大分 田中俊一
一人居の星を集めて冷奴 大分 田中俊一

ネット投句(2025年8月15日)特選と入選

ネット投句 投稿日:2025年8月31日 作成者: dvx223272025年8月31日

★印は特選

★ くりごとのごと小さきじやがいも掘る 北海道 芳賀匙子
★ 麺茹づる匂ひ襲ひ来残暑なほ 北海道 柳一斉
樺太の父のハモニカいわし雲 北海道 柳一斉
夕虹や戦後を生きて七十年 宮城 長谷川冬虹
八十年戦後責任西瓜食む 宮城 長谷川冬虹
大西瓜戦火絶へざる八十年 宮城 長谷川冬虹
名ばかりの秋立つ朝や四十度 埼玉 上田雅子
送り火を三つ並べるわが座敷 埼玉 園田靖彦
植うるより手塩にかけし西瓜かな 埼玉 下家正幸
立ち話日傘のうちは秘する花 埼玉 下家正幸
胸に残る句から思案す夜の秋 埼玉 佐藤森恵
「人影の石」八十年の夏迎ふ 千葉 安田勅男
★ 長岡の宙(そら)にただよふ花火殻 千葉 安田勅男
さざ波の葦によせくる雁渡し 千葉 若土裕子
落鮎の腹きらきらと釣られけり 千葉 若土裕子
子等眠る蚊帳の中は小宇宙 千葉 青山果楠
★ 校庭の土煮へたぎる原爆忌 千葉 谷口正人
校庭は灼熱地獄子らおらず 千葉 谷口正人
空蝉の頼み縋るや百合の花 千葉 池田祥子
★ はらわたを氷で洗ふ大暑かな 千葉 麻生十三
夏の雲小さかないか俺の夢 千葉 木地隆
冷かして睨まれ退散夏祭 千葉 木地隆
立秋や吾子は今日から歩く人 東京 岡田定
山門にやんまを待ちし敗戦日 東京 櫻井滋
長らへて老人ホームや敗戦日 東京 櫻井滋
漁船出て波音もどる秋の昼 神奈川 遠藤美緒
川沿いを自転車二台抜けて秋 神奈川 遠藤美緒
ゴム毬の臍の在処や水遊び 神奈川 丸山分水
かなかなや手には掬へぬ湖の色 神奈川 丸山分水
一日がたちまち遠し夏の月 神奈川 三浦イシ子
涼しさを求め枕のおきどころ 神奈川 三浦イシ子
忘却の果に雲あり原爆忌 神奈川 三玉一郎
白大輪虚空にひらく花火かな 神奈川 松井恭子
戦争のことも忘れて生身魂 神奈川 松井恭子
それぞれの主張気高し壺の百合 神奈川 谷村和華子
秋風やたった五分の渡し舟 神奈川 片山ひろし
敗戦忌押し戴きし民主主義 新潟 安藤文
大旱魃地獄の釜も干上がりぬ 富山 酒井きよみ
秋めいて緑茶を少し熱くする 石川 山本葉舟
生まれきて戦の海を泳げとや 石川 松川まさみ
思ひ出の花火と交差大花火 石川 密田妖子
冥土へは持つてゆかれぬ桃を食ふ 長野 金田伸一
著変なし今夜も酌まん終戦日 長野 金田伸一
★ 黙祷の大き断裂終戦忌 長野 大島一馬
雨幾日小道は萩の道となり 岐阜 古田之子
黒板に本日の作務草刈りと 岐阜 三好政子
★ 年寄りに猛暑に津波来るなら来い 静岡 湯浅菊子
八月は何をするにも死者思ふ 愛知 稲垣雄二
一羽二羽折り鶴無限原爆忌 愛知 稲垣雄二
★ 蝉の殻涼しきまでに何もなし 愛知 稲垣雄二
思ひ出せと御霊の声も草の市 愛知 宗石みずえ
汗しとどもはや動かぬ犬抱へ 愛知 青沼尾燈子
八月や犬の遺影に懺悔する 愛知 青沼尾燈子
★ 虹の橋駆け上がつてゆく犬の尻 愛知 青沼尾燈子
終活のひとつ生前葬涼し 京都 氷室茉胡
★ 干涸びし蚯蚓あまたや行者道 大阪 木下洋子
ほとばしる水さながらに蝉時雨 兵庫 加藤百合子
盆踊り覚へしところまた違へ 兵庫 天野ミチ
秋風や湯舟に蜘蛛の子が浮ひて 奈良 きだりえこ
敗戦忌米三合と火炎瓶 奈良 きだりえこ
刃を入れてボンと弾ける西瓜かな 奈良 中野美津子
救急車残暑の町を走り去る 奈良 中野美津子
柚子坊の大きく育ち食はれけり 奈良 中野美津子
藍甕に藍のうたた寝夜の秋 和歌山 玉置陽子
対岸の村まだ醒めず蓮の花 和歌山 玉置陽子
雲の峰対話と講和強くあれ 広島 瑞木綾乃
あの肩より広がる両手平和の日 広島 鈴木榮子
原爆忌子宮の中に霊眠る 広島 鈴木榮子
原爆忌母煎じるは薊の根 長崎 ももたなおよ
敗戦忌父は密林さまよひき 長崎 ももたなおよ
★ やがて死ぬ己が命の涼しさよ 長崎 川辺酸模
★ もうしばし妻の隣に大昼寝 長崎 川辺酸模
驟り雨弁慶蟹がひょっこりと 熊本 山下たまき
とこしへのあの日かの日や八月来 大分 竹中南行
人の世を見つむる御霊原爆忌 大分 竹中南行
秋朝や身ぬちを昇る山の靄 大分 竹中南行
あの角に君がいそうな一三夜 大分 田中俊一

ネット投句(2025年7月31日)特選と入選

ネット投句 投稿日:2025年8月10日 作成者: dvx223272025年8月10日

★印は特選

★ 電線の影をふみふみ日傘行く 北海道 芳賀匙子
朝涼の庭の匂ひや赤子抱く 北海道 芳賀匙子
★ 影といふ影の貼りつく大暑かな 北海道 柳一斉
炎昼の大海原や陸の果て 宮城 長谷川冬虹
大西日ほんとにまろき水平線 宮城 長谷川冬虹
人生の旅路の果てや夏の潮 宮城 長谷川冬虹
きうり苗葭簀かけて庇ひけり 埼玉 下家正幸
草の中見つけしメロン二つかな 埼玉 下家正幸
大亀が背に泳ぎゐるアロハシャツ 埼玉 佐藤森恵
せせらぎの涼しき音や木賊立つ 埼玉 上田雅子
かなかなや軽くなりたる裏の山 千葉 若土裕子
蝉時雨目には見へねど母の声 千葉 青山果楠
原爆忌わけ知らず死ぬ一閃に 千葉 谷口正人
病院を出れば命の蝉時雨 千葉 池田祥子
旅人に帰るくにあり夏の雲 千葉 麻生十三
一本の団扇を頼り極暑耐ふ 千葉 麻生十三
無限とはイトカワの先星祭 千葉 木地隆
夕雲やまるで苺のかき氷 神奈川 越智淳子
音のして湯桶まろべる夜の秋 神奈川 丸山分水
もつともつと大きく見えた夏休 神奈川 三玉一郎
連覇かけ雲の峰まで筏こぐ 神奈川 松井恭子
虚空へと舞ひ上がりゆく夏の蝶 神奈川 谷村和華子
梅酒漬く一年先は知らねども 神奈川 中丸佳音
★ 木を敬ひ石を敬ふ人涼し 神奈川 中丸佳音
みちのくの富士のふもとの田植歌 神奈川 片山ひろし
添木して桃の老木実のたわわ 新潟 高橋慧
生きとるか猛暑の電話老い同士 富山 酒井きよみ
兜虫引きあふならば恋の糸 石川 松川まさみ
金澤へ近江を超えてこんちきちん 石川 清水薫
星合や今では友を偲ぶ夜 石川 清水薫
やるせなき瑞穂の国の旱かな 石川 竹野いさお
★ 新涼や舞いながら落つ削り節 石川 平林はや乃
電柱の影にしたがふ猛暑かな 石川 北村修
骨壺の大小並ぶ墓参る 石川 密田妖子
★ もてなしは昔も今も鵜飼かな 岐阜 三好政子
びしよぬれや旅の終はりは大夕立 岐阜 梅田恵美子
★ 片付けてまた片付けてあら涼し 静岡 湯浅菊子
〇△▢丸は鰻なり 愛知 稲垣雄二
水打てば立ち昇りたり地のあへき 愛知 宗石みずえ
夢いまも追ふなりアイスティぬるむ 愛知 宗石みずえ
★ 常臥の犬と目が合ふ梅雨晴間 愛知 青沼尾燈子
★ 夏の朝犬はすやすや死んでゐた 愛知 青沼尾燈子
枇杷熟るる輝く種をひそめゐて 京都 諏訪いほり
減りし髪増ゆる体重髪洗ふ 京都 氷室茉胡
★ 花とひらく鱧もよけれど鱧の皮 大阪 安藤久美
★ しづかさや瓦礫の上を天の川 大阪 安藤久美
蝉声に急かされてゐる身の仕末 大阪 山中紅萼
涼しさや犬の寝転ぶ駐車場 大阪 山中紅萼
若冲の鶏も目つむる暑さかな 大阪 澤田美那子
カーテンを洗つて干して土用波 大阪 澤田美那子
戦争が風鈴の音につきまとふ 兵庫 加藤百合子
蜩や身の隅々の透き通る 兵庫 吉安とも子
蝉しぐれ一票入れに行く我に 兵庫 天野ミチ
★ 母なりし初々しき日天瓜粉 兵庫 藤岡美恵子
ベランダに疲れた蝉が飛んで入る 奈良 中野美津子
黄金の雨しづくせり祭鉾 和歌山 玉置陽子
★ 三伏やもんどり打ちて鯉交る 和歌山 玉置陽子
涼しさや真実叱りてくるる人 広島 森恵美子
懸命に生きればこそ闇月涼し 広島 瑞木綾乃
 *闇は不要。「懸命に生きゐる我に月涼し」
よく見れば我に似たるよ羽抜鶏 長崎 川辺酸模
★ にほどりも夢見る頃か夏の月 長崎 川辺酸模
炎天の干潟に朽ちる小舟かな 長崎 川辺酸模
涼風やきつと飛び立つ千羽鶴 長崎 百田直代
芭蕉布を纏へば聞こゆ波の音 長崎 百田直代
★ 年寄れば妻が頼みぞ籠枕 大分 山本桃潤
★ いくたびも打水の花ひらかせて 大分 竹中南行
★ 丈草に久々の友胡瓜揉 大分 竹中南行

ネット投句(2025年7月15日)特選と入選

ネット投句 投稿日:2025年8月7日 作成者: dvx223272025年8月7日

★印は特選

★ 木漏れ日を孕みてをどる夏木かな 北海道 柳一斉
恍惚として我生まれし日は夏至 青森 清水俊夫
アラビア文字ひときは赤き夏の月 宮城 長谷川冬虹
想ひの丈満つまで待たん楸邨忌 埼玉 園田靖彦
さきを見るなただ目の前の草を引け 埼玉 下家正幸
しもつけや粍に満たざる蟻の這う 埼玉 下家正幸
どぶ川のしづかに流る暑さかな 埼玉 下家正幸
針を刺す瞬間の蚊の凄みかな 千葉 安田勅男
車椅子こども神輿についてゆく 千葉 若土裕子
針金に捲かれし人骨夏草一本 千葉 春藤かづ子
炎帝や生きてるだけで精一杯 千葉 青山果楠
蝉鳴かぬ街の暑きの不気味かな 千葉 谷口正人
熊蝉や大阪の朝暑苦し 千葉 谷口正人
子を産みし事は確かに団扇風 千葉 池田祥子
母まねて作る冷汁土用かな 千葉 池田祥子
湯上がりの母の乳房に夏の月 千葉 麻生十三
夢書いて心細さよ星祭 千葉 木地隆
炎昼や甲府盆地はフライパン 東京 岡田定
父の日や忘れたきことの多かりき 東京 長尾貴代
サンダルを置いた場所まで潮満ちる 東京 楠原正光
昭和100年戦後80年我卒寿 東京 櫻井滋
★ 炎天を党首のたうつ大選挙 東京 櫻井滋
★ 少年や魚籠一杯に濁り鮒 神奈川 臼杵政治
しろがねの腹美しき濁り鮒 神奈川 臼杵政治
叢にランドセルある濁り鮒 神奈川 臼杵政治
白桃のうす紙はがすや畏れつつ 神奈川 遠藤初惠
★ ゴーストタウンの幻見たる炎暑かな 神奈川 遠藤初惠
★ われもまた継がざる長子茄子の花 神奈川 丸山分水
風でないものが風鈴鳴らしけり 神奈川 三玉一郎
今ここにない風鈴が鳴りにけり 神奈川 三玉一郎
青田風瑞穂の国に老いにけり 神奈川 中丸佳音
影一つなき畷道油照り 神奈川 片山ひろし
★ 花合歓は眠りにつくや夕まぐれ 新潟 高橋慧
クッションに君のくぼみや籐寝椅子 新潟 高橋慧
堂堂とかぶと虫めく大の里 石川 花井淳
とある日より昼寝の中にゐるらしく 石川 松川まさみ
鳴かせたしひよこのやうな枇杷を手に 石川 松川まさみ
★ ベロ出して風鈴黙る暑さかな 長野 金田伸一
犬掻を愉しむ老と子のプール 長野 金田伸一
咲かずして種次次と夏菫 岐阜 古田之子
すし飯のまろくなれよと白団扇 静岡 湯浅菊子
あらねもなき起きたて姿吊り忍 静岡 湯浅菊子
ささやかな風に会はんと浴衣かな 愛知 稲垣雄二
大海を裏返して来土用波 愛知 稲垣雄二
★ 火のことば氷のことば楸邨忌 愛知 稲垣雄二
盆鉢のひとつ葉はふと戦ぎけり 愛知 青沼尾燈子
かみさんと啜る音のみ冷素麺 愛知 服部滝伸
疾一つ腹に持つ猫星涼し 京都 諏訪いほり
死はかねて後ろに迫りところてん 京都 諏訪いほり
炎天や四隅支ふる鬼の顔 大阪 安藤久美
★ 空蝉の音なき音を抱くかたち 大阪 安藤久美
強き陽にたよたよと飛ぶ蝶一頭 大阪 山中紅萼
君知るやバナナに種のありしこと 大阪 澤田美那子
片時も離さぬものに扇風機 兵庫 加藤百合子
憎しみの世に凌霄の花嗤ふ 兵庫 加藤百合子
一生を本を寝床や雲母虫 兵庫 吉安とも子
年ごとにせめて百合植う沖縄忌 兵庫 藤岡美恵子
青空へ鉾を立てては涼しかり 奈良 きだりえこ
かき氷ひとつをつつく老夫婦 奈良 中野美津子
編笠の深く美し風の盆 広島 森恵美子
次々に耳の現れ河鹿聴く 広島 森恵美子
楽しみは冷やした桃を半分こ 広島 鈴木榮子
白檀の扇は母の香りする 広島 鈴木榮子
如露買うて日曜市の夏めきぬ 高知 森脇杏花
安下宿どこへ逃げても大西日 長崎 川辺酸模
なき母も日毎に遠し夜の秋 長崎 川辺酸模
★ 宇宙から戻りし五体昼寝覚 大分 竹中南行
★ 十年を壺中の天の金魚かな 大分 竹中南行

ネット投句年間賞(夏)は竹中南行さん

ネット投句 投稿日:2025年7月13日 作成者: dvx223272025年7月13日
*年間賞
沖縄忌八十年を蝶の舞ふ 大分 竹中南行
*次点
棟上げ式檜も酔へや冷し酒 埼玉 佐藤森恵
蝸牛さびしさ測る角二つ 和歌山 玉置陽子
いつか会ふ君はりんごの花の下 大分 田中俊一
形代の豈図らんや翻る 静岡 湯浅菊子
夕顔に夕顔の花隠れけり 石川 花井淳
七夕や一艘の舟胸中に 広島 森恵美子
*候補
君背負いかんかんのうは花の夜 千葉 麻生十三
うつとりと火が火を抱く春炉かな 和歌山 玉置陽子
逝くのなら春よ我をも連れてゆけ 青森 清水俊夫
明け方に天使のつまむ苺かな 奈良 きだりえこ
母のなき一人ぽつちの夏来る 長崎 川辺酸模
ががんぼに欠かせぬ脚の手入れかな 石川 清水薫
樹の中のわらふ烏やさくらんぼ 北海道 芳賀匙子
指を折る昼寝を妻に見られけり 長野 金田伸一
父の日や諍ひの傷浅からず 大阪 安藤久美
茄子切つてあるかなきかの草の色 大阪 澤田美那

ネット投句(2025年6月30日)特選と入選

ネット投句 投稿日:2025年7月12日 作成者: dvx223272025年7月12日

★印は特選

食みながらたまの一喝親がらす 北海道 芳賀匙子
あきなひの化粧落とせば月凉し 北海道 柳一斉
毒舌のめつきり減りぬ心太 北海道 柳一斉
夏至の日のみんな短き影となり 青森 清水俊夫
独り寝を慰めにきし大百足 宮城 長谷川冬虹
少女期や全てが無敵ソーダ水 茨城 袖山富美江
★ 老骨の芯まで届く暑さかな 埼玉 園田靖彦
いちぢくの若実は若く匂ふかな 埼玉 下家正幸
コロコロと実梅よろこぶ笊の上 千葉 安田勅男
★ 夏草の生い茂る果て喜屋武岬 千葉 安田勅男
緑陰やいしじに刻(ほ)らる仏たち 千葉 安田勅男
藍色に沈む街並み梅雨深し 千葉 若土裕子
夏鶯次の声待つ寝床かな 千葉 谷口正人
姉逝きて尚母のごと合歓の花 千葉 池田祥子
縁側も父母も遠くに夏夕べ 千葉 池田祥子
梅干しで煮込む夕べや夏鰯 千葉 麻生十三
遺されし母のすがたや夏衣 千葉 麻生十三
轟音を結界として滝の神 千葉 木地隆
★ 長身を二つにたたみ田草とり 千葉 木地隆
母親の心づくしや初浴衣 東京 楠原正光
マントルへ地球穿つか大瀑布 神奈川 臼杵政治
ひるがへる緑まぶしき夏の風 神奈川 越智淳子
桑の実や歌人美智子のとある午後 神奈川 丸山分水
草陰はほうたるの宿夜の雨 神奈川 藤澤迪夫
紫陽花にきのふの重さありにけり 新潟 安藤文
誰もかもスマホ見てゐる薄暑かな 新潟 安藤文
しがみつく土もろともや蟻地獄 新潟 高橋慧
打ち寄せる異国の文字や夏の浜 新潟 高橋慧
能登からの風止んでをり夜半の夏 富山 酒井きよみ
炊き込みて山廬薫れる実山椒 石川 花井淳
★ 夕顔に夕顔の花隠れけり 石川 花井淳
梅雨寒や雨合羽着て見回りに 石川 山本葉舟
不屈なる炎のでいご沖縄忌 石川 松川まさみ
大空を布団代りに昼寝かな 石川 清水薫
何もかも昭和を思へ更衣 石川 竹野いさお
新じやがの切りも無きこの粒揃ひ 石川 竹野いさお
昼寝子の腹に図鑑の重さかな 石川 平林はや乃
夜勤明け茅の輪潜りて帰りけり 石川 平林はや乃
脱力の中心にいて夏座敷 石川 平林はや乃
夏草をついばむ鳥の二羽三羽 石川 北村修
有り体の俳句にちから桜餅 長野 金田伸一
夏日暮大袈裟に鴨着水す 長野 大島一馬
山の石谷石転がし梅雨出水 岐阜 古田之子
炎昼や「のぞみ」瞬時に擦れ違ふ 岐阜 三好政子
工場の稼働低音夏の夜 岐阜 三好政子
次の世をみて戻りきし昼寝覚 岐阜 梅田恵美子
寂寞と重き紫陽花雨の中 静岡 湯浅菊子
鬼百合は夢の中まで香りけり 愛知 稲垣雄二
短夜の闇を惜しみて遊びけり 愛知 稲垣雄二
焦土今や高層ビル群夏の雲 愛知 宗石みずえ
明易やどれだけ寝たか老い初め 愛知 服部滝伸
道迷ひをり竹落葉きりも無し 京都 諏訪いほり
闇をいく狐に野ばら灯かな 京都 諏訪いほり
モノクロの余生で宜し大夕立 京都 氷室茉胡
大寺の遠き空より夏怒涛 大阪 安藤久美
朝暑し散歩嫌がる犬抱いて 大阪 山中紅萼
老いたりとベッドを買へばまた昼寝 大阪 澤田美那子
なめ尽くすこの喜びの鱧の皮 大阪 齊藤遼風
梅雨寒やそと掛けるものないかしら 兵庫 天野ミチ
梅雨晴れにこなす仕事や洗濯機 兵庫 天野ミチ
つい拾ふ日ごと大きく柿の花 兵庫 藤岡美恵子
大峰や三千年を滴りぬ 奈良 きだりえこ
炎天にオリーブは影奪はれて 奈良 きだりえこ
★ 執着を畳に残す昼寝覚 奈良 きだりえこ
★ かたつむり子供が子供だつた頃 奈良 中野美津子
青梅のまさをにけぶる空家かな 和歌山 玉置陽子
昏るるほど闇は白みぬ沙羅の花 和歌山 玉置陽子
ヨットの帆かもめの自由追ひかけて 和歌山 玉置陽子
生きながら虎魚の怒り姿揚げ 岡山 齋藤嘉子
★ 七夕や一艘の舟胸中に 広島 森恵美子
行く道を定めし吾子よ花氷 広島 瑞木綾乃
睡蓮の茎潜り抜け赤き鯉 広島 鈴木榮子
海底に黒田郡や卯波立つ 高知 森脇杏花
土佐に住み八十年や終戦日 高知 森脇杏花
終戦日余所者なれど強く生き 高知 森脇杏花
忍び寄る軍靴の音や昼寝覚 長崎 ももたなおよ
泡盛をあけて云ふべきことは云ふ 長崎 ももたなおよ
不発弾抱き眠るや夏の海 長崎 川辺酸模
南蛮の潮の香りや天草路 熊本 山下たまき
★ 沖縄忌八十年を蝶の舞ふ 大分 竹中南行
肩書に縁なかりけり冷奴 大分 竹中南行
白南風や補陀落からの潮頭 大分 竹中南行

ネット投句(2025年6月15日)特選と入選

ネット投句 投稿日:2025年6月26日 作成者: dvx223272025年6月26日

★印は特選

むずむずと蟻の這ひゐる蕾かな 北海道 芳賀匙子
山法師ふりさけ見れば凍るごと 北海道 芳賀匙子
★ 樹の中のわらふ烏やさくらんぼ 北海道 芳賀匙子
炎天や路面電車の停止音 北海道 柳一斉
坂道の小さな家や鉄線花 茨城 袖山富美江
一億年地軸にそひて滴れる 埼玉 園田靖彦
蔓絡むグロリオーサに梅雨しとど 埼玉 上田雅子
笹舟がとどまりをるや桜桃忌 千葉 安田勅男
洪鐘のゆるるばかりに青嵐 千葉 安田勅男
スカイツリー急降下する夏燕 千葉 若土裕子
夜の海慟哭の波水俣忌 千葉 谷口正人
風薫る地獄極楽終の家 千葉 麻生十三
夏の空呵々大笑に仰け反れば 千葉 木地隆
梅雨晴間町家を抜けて江の島へ 東京 楠原正光
今はなき町よみがへる祭りかな 東京 櫻井滋
★ 病室の真下泰山木の花 神奈川 臼杵政治
山川の緑しづかniな六月来 神奈川 越智淳子
薔薇の雨薔薇に留まるしづくかな 神奈川 越智淳子
朝刊のへなへなしなふ梅雨入かな 神奈川 遠藤初惠
街川を草河豚のぼる薄暑かな 神奈川 丸山分水
雲中の八海山も青葉雨 神奈川 丸山分水
はからずも祖母愛用の渋団扇 神奈川 三浦イシ子
生きるにも死ぬにも暑きこの世かな 神奈川 三玉一郎
綺麗やな掃くには惜しき沙羅の花 神奈川 谷村和華子
蕎麦すする茅花流しの中を来て 神奈川 中丸佳音
わが静臥揺する祭の遠太鼓 神奈川 藤澤迪夫
我が髪の爆発したる梅雨入かな 新潟 安藤文
一日を閉じては開く扇かな 新潟 安藤文
鯛よりもうまづらはぎの昆布〆 富山 酒井きよみ
果てしなく馬鈴薯の花北の空 石川 花井淳
焼酎一杯のぞみの発車まで九分 石川 花井淳
あをあをと氷河にこもる時間かな 石川 松川まさみ
白山へ心ばかりと団扇風 石川 清水薫
★ 指を折る昼寝を妻に見られけり 長野 金田伸一
梅雨晴間何をさはぐかだんご虫 岐阜 梅田恵美子
★ 形代の豈図らんや翻る 静岡 湯浅菊子
ごちゃごちゃの頭に呆れ夕端居 静岡 湯浅菊子
ナイターの月も眩しむ大照明 静岡 湯浅菊子
日に月に氷河溶けゆく水の音 愛知 稲垣雄二
アメリカの傘借りたまま原爆忌 愛知 青沼尾燈子
六月は天にも地にも白き花 京都 諏訪いほり
道の辺の山椒だれぞに摘まれけり 京都 諏訪いほり
★ 参道は著莪花盛りなる鞍馬 京都 氷室茉胡
★ 父の日や諍ひの傷浅からず 大阪 安藤久美
★ ご機嫌のおでこにぽんと天瓜粉 大阪 澤田美那子
★ 茄子切つてあるかなきかの草の色 大阪 澤田美那子
静けさは哀しみに似て植田かな 大阪 澤田美那子
★ 凌霄花のまがまがしくも闇の中 大阪 齊藤遼風
北窓を開けて二寸の涼しさよ 兵庫 加藤百合子
友逝きて癌病棟の明け急ぐ 兵庫 福田光博
一斉に消える街灯明易し 兵庫 髙見正樹
五月雨の終日止まず啼く鴉 兵庫 髙見正樹
★ 荒梅雨やざんげざんげと川の音 奈良 きだりえこ
鴨の子の喧嘩しながら流さるる 奈良 中野美津子
泰山木大きな花や仰ぎ見る 奈良 中野美津子
★ 茫茫とひとりの時間古簾 和歌山 玉置陽子
爪先に紀ノ海の青籐寝椅子 和歌山 玉置陽子
青梅の映りて水のしづまれり 広島 森恵美子
皮剥やけふの仕事の褒美とす 広島 瑞木綾乃
看取りより開放されて衣更 高知 森脇杏花
父の日や今も何処かに白骨街道 長崎 ももたなおよ
骨壺の母を残して春行きぬ 長崎 川辺酸模
墓守の守宮に委ぬ骨の母 長崎 川辺酸模
雪餅や夢か現か氷室祭 熊本 山下たまき
大牡丹己に溺れて居たりける 大分 山本桃潤
水の国月の国なる植田かな 大分 竹中南行
蛍火のいのちの息といふべしや 大分 竹中南行
★ 夏草や終点駅のレール止 大分 田中俊一
夏草の砲台跡の空眩し 大分 田中俊一

ネット投句(2025年5月31日)特選と入選

ネット投句 投稿日:2025年6月15日 作成者: dvx223272025年6月15日

★印は特選

爆発の連翹はれて朽ちにけり 北海道 芳賀匙子
日曜の朝を奏づる緑雨かな 北海道 柳一斉
素足して回廊渡る浮御堂 青森 清水俊夫
波音はくらげの恋歌真夜の月 宮城 長谷川冬虹
小岩井へ賢治の馬車よ藤の花 宮城 長谷川冬虹
尻上げて渾身の針藪蚊かな 埼玉 園田靖彦
紅ばらや當麻へ上る雨の道 埼玉 下家正幸
初夏や両手を広げ浅間山 千葉 若土裕子
六月の水の懐かし誕生日 千葉 池田祥子
★ 行商の自転車重し初鰹 千葉 麻生十三
卯月波男と女なりしころ 神奈川 丸山分水
青嵐人を呑み込みスタジアム 神奈川 松井恭子
★ ががんぼに欠かせぬ脚の手入れかな 石川 清水薫
ポニーテール無敵と思う夏はじめ 石川 平林はや乃
外苑のひとつばたごは花の頃 岐阜 古田之子
煩悩や生きてる限り髪洗ふ 静岡 湯浅菊子
★ かなしくも覗き見したる蟻地獄 愛知 青沼尾燈子
★ たれかれにくばるがうれし青山椒 京都 諏訪いほり
夫もまた少年の香よ菖蒲の湯 大阪 安藤久美
梅雨間近犬の寝場所が日々変わり 大阪 山中紅萼
大雨の一夜は明けて蝶が戸に 大阪 山中紅萼
現世は浄土なりとふ田植歌 兵庫 加藤百合子
ふる里は茅花流しの香の中に 兵庫 吉安とも子
夏きざす茶にも氷のひとかけら 兵庫 天野ミチ
薫風や君一塊の土となる 奈良 きだりえこ
★ 南山の風かほらせて茶碗かな 奈良 きだりえこ
わびさびの良き友達や蝸牛 奈良 きだりえこ
薫風や百済を偲ぶ七支刀 奈良 中野美津子
★ ささくれし心に花柚香りけり 奈良 中野美津子
愛らしき足裏を見せる守宮かな 奈良 中野美津子
★ 蝸牛さびしさ測る角二つ 和歌山 玉置陽子
★ 雲分けて富士現れる衣更 和歌山 玉置陽子
★ 螢狩霧押し寄せてきたりけり 広島 森恵美子
清潔な時間の中に花柚子よ 広島 森恵美子
モナリザの微笑の前や汗しづか 広島 瑞木綾乃
ほのぼのと明けゆく沼や雪加鳴く 高知 森脇杏花
脚立に立ち見れば実梅見失う 長崎 ももたなおよ
温かき蝶の骸へ蟻の群 長崎 川辺酸模
もう何も答へぬ母の涼しさよ 長崎 川辺酸模
穴あきし梅干し弁当発起心 大分 山本桃潤
★ いつか会う君はりんごの花の下 大分 田中俊一

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会費=ネット投句の会員であれば無料。会員以外は2000円
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