ネット投句スクーリング軽井沢句会
来年(2020年)の「ネット投句スクーリング軽井沢句会」は5月17日(日)です。なお参加できるのはネット投句会員だけに限定します。
【特選1】
湖をしづかに傾げ秋の川 恭子
秋天に浅間の鼓動ひびきけり 雅子
森に棲むただ月光を友として りえこ
あさま号降りて秋気の中に立つ 靖子
【特選2】
からまつの小径を秋の来たりけり りえこ
深閑と木立の奥に山の家 雅子
白樺は傷をふやして夏終る 祟
茄子に花もどりそめたり今朝の秋 祟
鉄火味噌少し焙りぬ夜の秋 久美
露草を刈るや露ちる鎌の先 光枝
渓流は踊るごと行く炎天下 靖子
今朝秋の風に染まりし団扇かな 善子
ちらちらと電灯ゆるる籐寝椅子 光枝
草々は虫に喰はれつ秋に入る 善子
八月の秋の深さや軽井沢 一郎
山葡萄呑んで鵯また叫ぶ 玲子
パウロ教会しんしんと秋降りつもる 一郎
新しき竹を編み込む壊れ簗 遊歩
牧師館ブリキの湯舟秋一つ 冬虹
豆缶の豆の塩味秋来る 恭子
秋の雲浅間と競ふ離山 冬虹
へそ曲げたやうな胡瓜がつるの先 善子
百筋の白糸となれ秋の水 りえこ
【入選】
噴石のごろと転がる花野かな 光枝
ふれあへる白うつくしや秋の雲 久美
しんかんと心の軒に秋風鈴 遊歩
横道に入れば日常草むしり 孝予
力餅峠の秋をいく曲がり 雅子
秋澄めり声出して呼ぶ浅間山 冬虹
星飛んで夜ごとふくらむ青胡桃 祟
俳聖の魂よ下り来よ大花野 伸一
如何にもと言わんばかりの茸かな 大和
けさ秋の山連なれる車窓かな 美津子
あれも捨てそれも捨てたる桔梗かな 玲子
初秋が飛び込んでくる胸の奥 雅子
音立てて秋乾びゆく種ふくべ 善子
荒尾梨とどけば浮かぶ父の顔 伸一
雨もまた地球こはしてゆく秋ぞ 祟
朽ち果てし別荘おおふ太き枝 靖子
雨にもぐ熟無花果を二つ三つ 久美
秋一つ背負ひてくだる山路かな 大和
旅人の来ては座りぬ秋の石 玲子
山百合は重たさうなり実を結び 光枝
湧き出づる碧き水こそ秋の水 冬虹
緑蔭で岩魚のランチテラス席 靖子
声あげて蝉掃かるるや塵まみれ 善子
奔放に裂けて淋しき苦瓜かな 恭子
当ホテルの主にござる蟇 冬虹
追分の改札出れば花野かな 美津子
風鈴へよき風送る扇風機 伸一
虫の音を一畳借りて旅寝かな 雄二
新涼やふらりと入る染物屋 酸模
葛餅の中しんかんと月夜かな 久美
巨大なるショッピングモール秋暑し 雅子
小鳥来る中西悟堂軽井沢 遊歩
幸せを切つて幸せ西瓜かな 雄二
稲妻や二十歳の君へレクイエム りえこ
かなかなや追分といふ別れ道 遊歩
晩年といふも若く病み夏湯治 政子
毬栗の茶もまみどりも一つ籠 久美
木漏れ日がさわぐ水面や秋の風 慧
つゆけしや実生の松の十センチ 美津子
夏休み白樺の皮お土産に 政子
山荘のしんと無花果熟れにけり 光枝