歌仙「大宇宙の沈黙の巻」巻き上がりました
《連衆》松井恭子、三玉一郎、青沼尾燈子、柴田清栄、湯浅菊子、川辺酸模、氷室茉胡、上田雅子、斎藤真知子、おほずひろし、喜田りえこ、飛岡光枝、佐々木まき、篠原隆子、越智淳子、川村杳平、長井亜紀、岩井善子、北側松太、長谷川櫂(捌)
2018.12.18~2019・2・14
【初折の表】
発句大宇宙の沈黙をきく冬木あり 櫂(冬)
脇 雪原をゆく白き足跡 一郎(冬)
第三無酸素でめざす頂雲もなく 酸模(雑)
四 シェルパの村に朝寒の煙 光枝(秋)
五 金色の仏塔眠る月のなか 光枝(秋・月)
六 夜寒き空をむささびの飛ぶ まき(秋)
【初折の裏】
初句象徴の道探りつつ三十年 雅子(雑)
二 いづこも青く被災地の空 松太(雑)
三 新しき船にはためく大漁旗 光枝(雑)
四 デイゴの花の髪に口づけ 光枝(夏・恋)
五 戦闘機の爆音とどろく滑走路 一郎(雑)
六 ナチスを逃れ自由の国へ 酸摸(雑)
七 一束ね鞄の底にラブレター 松太(雑・恋)
八 密かに運ぶ麻薬三キロ 雅子(雑)
九 星屑の天目茶碗眠るなり 真知子(雑)
十 草の中から蜜蜂のこゑ 真知子(春)
十一どこをだう歩いてきしか花吹雪 松太(春・花)
折端 隣を借りて朝寝貪る りえこ(春)
【名残の表】
初句道楽と道楽の間は家にゐて ひろし(雑)
二 律義に彫るは女の名前 恭子(雑・恋)
三 一太刀を浴びたるロシア皇太子 櫂(雑)
四 湖に消え入る松蝉の声 ひろし(夏)
五 白樺の風に夢見るハンモック 酸模(夏)
六 膝にきじねこ乗せ老女優 光枝(雑)
七 銀行を騙る電話のまたかかる 真知子(雑)
八 何に集まるハイエナの群れ 櫂(雑)
九 乾ききる大草原に夕日落つ 光枝(雑)
十 川床に咲くジンジャーの花 一郎(秋)
十一音もなく月の水面をすべる舟 ひろし(秋・月)
十二 雁に託さん故郷への文 淳子(秋)
【名残の裏】
初句拉致されて母となりしも母恋し 光枝(雑)
二 日本語で歌ふゆりかごの歌 善子(雑)
三 星とてもはらからのあり寄りそひて まき(雑)
四 暗いうちから白魚を汲む 松太(春)
五 次の風更に高きへ花ふぶく まき(春・花)
挙句 水音あそぶ陽炎の奥 光枝(春)
八句 光枝
四句 松太
三句 ひろし まき 酸模 一郎 真知子 櫂(発句を含む)
二句 雅子
一句 りえこ 恭子 淳子 善子