ネット投句(2018年7月31日)選句と選評
①今回は凄みのある作品あまた。
②どなたも欠詠なきように。
【特選】
日盛や老いたる蟻はどこにゐる 07_福島 渡辺遊太
目高死に目高生まるる一壺かな 07_福島 渡辺遊太
端居して遙かな星をさがしけり 11_埼玉 上田雅子
寂しさのころがっている夏座敷 11_埼玉 上田雅子
満月が待ちきれぬ日の夕端居 12_千葉 菊地原弘美
昨日今日風鈴鳴らぬおそろしさ 13_東京 大山アラン
ひるがえる奥は真暗き夏暖簾 13_東京 長井亜紀
@ひるがへる
葬列のごと車ゆく炎ゆる道 13_東京 長井亜紀
ひとつ触れここのつとをと眠草 13_東京 長井亜紀
キャンパスにボール打つ音だけ大暑 14_神奈川 山本孝予
蝉の声はじき返してアスファルト 21_岐阜 夏井通江
山は今夏の大きな雲の陰 22_静岡 池ヶ谷章吾
銀粉を撒き散らし飛ぶ夏の蝶 22_静岡 池ヶ谷章吾
妻もまたものの匂ひやあつぱつぱ 23_愛知 稲垣雄二
てつぺんは光の中に夏木立 23_愛知 稲垣雄二
一斉に此方見て止む蝉しぐれ 23_愛知 青沼尾燈子
壮大な哀しみ新た百合開く 23_愛知 服部紀子
夏夕焼こころの彼方その彼方 23_愛知 服部紀子
恐ろしや姉妹だらけの蚊帳の中 27_大阪 古味瑳楓
一片の雲のごとくに帰省かな 27_大阪 古味瑳楓
「ペスト」読む黙然として暑き夏 27_大阪 内山薫
新しき水に金魚のひるがへる 27_大阪 木下洋子
辿りつくまでの火の道蟻の列 29_奈良 喜田りえこ
いつときの夢ににぎはふ夜店かな 38_愛媛 岡崎陽市
一人立てば風のあつまる浴衣かな 38_愛媛 岡崎陽市
@我立てば
抜歯して口の中まで晩夏光 38_愛媛 豊田喜久子