うたたね歌仙31「未来の爆心地の巻」
【連衆】
本川直子、長井亜紀、氷室茉胡、上田雅子、喜田りえこ、川村杳平、篠原隆子 、佐々木まき、越智淳子、三玉一郎、丸亀葉七子、柴田清栄、青沼尾燈子、湯浅菊子 、松井恭子 、筑紫正彰 、横山幸子 、真知眞知子 、飛岡光枝、川辺酸模、山本桃潤、藤寺禅、北側松太、長谷川櫂(捌)
【期間】
2016年12月26日~2017年2月4日
【初折の表】
発句 初空やここも未来の爆心地 櫂(春)
脇 凧追ひかける子どもらの声 光枝(春)
第三 よき日和つづきて蝌蚪に手足生え まき(春)
四 如雨露の水にみゆる七色 まき(雑)
五 腐爛するカトレアにさす月あかり 櫂(秋・月)
六 上山を乞ふ僧のさやけし 菊子(秋)
【初折の裏】
初句 崖づたひ這つて崇める磨崖仏 菊子(雑)
二 挙兵しくじり主従落ちゆく 櫂(雑)
三 君おもふ歌を扉に書き置きて 光枝(雑・恋)
四 面会に泣く赤狩りの夏 隆子(夏)
五 寝業師の回想録が売れに売れ 茉胡(雑)
六 五輪利権をたぐる芋づる 櫂(秋)
七 埋め立てて湾岸暗き月のぼる 恭子(秋・月)
八 せいごばかりがざつと四五十 松太(秋)
九 その後の高田の馬場の語り草 りえこ(雑)
十 茶屋の田楽みな売り切れて 光枝(春)
十一 これがかの花の朝鮮使節団 隆子(春・花)
折端 馬で駆けゆく風光る土手 亜紀(春)
【名残の表】
初句 父の子でないと十七歳で知り 櫂(雑)
二 国一番の大うつけ者 桃潤(雑)
三 外遊のたびに大枚ばらまいて 尾燈子(雑)
四 宝くじ買ふ雪の夕暮れ 杳平(冬)
五 諦めたころによき妻授かりて 光枝(雑・恋)
六 倫敦ぢゆうに祝福の鐘 りえこ(雑・恋)
七 ナチ党を叩き潰して戦果つ 光枝(雑)
八 屋根裏部屋で見つかる日記 一郎(雑)
九 あの頃は母に逆らふことばかり 茉胡(雑)
十 子らと見送る流灯の水 酸模(秋)
十一 幾度も川は出合ひて月の海 恭子(秋・月)
十二 白き帆をたて秋は往くらん 光枝(秋)
【名残の裏】
初句 深々と浸かる湯船よ富士の絵よ 幸子(雑)
二 大泥棒の末路かなしき 一郎(雑)
三 虎の子をはたき辞世の歌を買ふ 松太(雑)
四 念仏唱へわらび野を行く 雅子(春)
五 今年また今年かぎりの花見せん 茉胡(春・花)
挙句 横綱四人そろふ春場所 亜紀(春)
【連衆ごとの句数】
6=光枝
5=櫂
3=茉胡
2=まき りえこ 亜紀 一郎 菊子 恭子 松太 隆子
1=雅子 幸子 酸模 桃潤 尾燈子 杳平