ネット投句(2016年12月31日)選句と選評
あけましておめでとうございます。
私の新春詠はけさの朝日新聞をごらんください。
それとお年玉!
今年から年間賞3、6、9、12月の4回に増やします。
【特選】
腕白の二十歳すぎれば梯子乗り 11_埼玉 園田靖彦
*二十歳をすぎて
押し押され流れ流れて年の市 11_埼玉 園田靖彦
*流れ流され
子を抱けば乳歯二粒冬うらら 11_埼玉 五月女政夫
*赤ん坊の
ふつふつと火山列島去年今年 12_千葉 若土裕子
一瞬に春の野となれ薺粥 12_千葉 若土裕子
ひとひらのうつくしき雲花びら餅 13_東京 篠原隆子
用心に用心重ね風邪を引く 13_東京 柴田清栄
人さし指ことにすりへり年用意 14_神奈川 松井恭子
浮かびたる柚子に笑へるはだかの子 19_山梨 長井亜紀
*湯に浮かぶ柚子に笑うて赤ん坊、など。
老ゆことのたのしき雪の一日とは 20_長野 柚木紀子
*老ゆること
数え日を数え切れずに逝かれけり 26_京都 佐々木まき
*数へ
大年の夕日まだある屋根の上 27_大阪 安藤久美
寒柝のごとくかなしび遠ざかる 27_大阪 古味瑳楓
炉明りや熊のやうなる影二つ 27_大阪 古味瑳楓
ぬり絵から飛び出てきそう冬休み 28_兵庫 城田怜子
*飛び出してくる、で十分。
行く年のかなたへつづく空ならん 38_愛媛 岡崎陽市
歴史とはつくるものなり雑煮食ふ 38_愛媛 岡崎陽市
嚔して二百の骨の鳴りひびく 38_愛媛 木下誠
絶え間なく揺れたる年も暮れにけり 38_愛媛 木下誠
独楽のごとぶんぶんぶんと生きむかな 44_大分 山本桃潤