ネット投句(2016年2月29日)選句と選評
【選評】
①菜の花忌は司馬遼太郎の忌日。ただ司馬に対する批評もなく使ったのでは、ただの記号にすぎない。まことに安易。
では特選から。
②どこかでみた句を句にしてはいけません。自分が何を感じているのか、気づくことが出発点。
【特選】
流氷は白夜の夢のかけらかな 13_東京 篠原隆子
茎立ちてよりの勢をいかにせむ 13_東京 篠原隆子
きしきしと春の来てゐる廊下かな 23_愛知 稲垣雄二
我もまた蛸壺の蛸おぼろ月 26_京都 諏訪いほり
暮れなずむ泊に春は帆を降ろし 27_大阪 喜田りえこ
*春の一字、大きい。
春嵐故郷に父母の塵がまふ 27_大阪 古味瑳楓
飛びまはる春のからすもさびしいか 38_愛媛 岡崎陽市
馬蛤貝の噴く潮青し海蒼し 42_長崎 川辺酸模
【入選】
ドカ弁に梅干し一つ目刺し十 11_埼玉 園田靖彦
氷りたる炎のやうなミモザかな 13_東京 井上じろ
*「氷りたる」、想像困難。
大き顔にて流れゆく椿かな 13_東京 井上じろ
*顔して
乾坤に打つて出でたる地虫かな 13_東京 神谷宣行
*大袈裟。言い方が。
涅槃図のいのちを嘆くいのちかな 13_東京 西川遊歩
仰臥して青空ばかりの二月かな 13_東京 大山アラン
*「の」不要。「の」が必要と思うのは散文の発想。
いぬふぐり赤子しきりに話してる 13_東京 徳武信子
*いぬふぐりが動きます。
柳の芽風のなすまま色つけて 13_東京 徳武信子
*色つきて?
父母ほどの長寿難しか原発忌 14_神奈川 越智淳子
*「か」不要。入れても入れなくても伝わることは同じ。
種袋振ればそれぞれ別の音 14_神奈川 南川閏
眠る子や雪解雫はきりもなき 19_山梨 長井亜紀
*雪解雫の
日あればまた出て春の日向ぼこ 20_長野 金田伸一
春の句のこころもとなきさむさかな 20_長野 金田伸一
*抽象的。
あふむきもうつむきも不可花の雲 20_長野 柚木紀子
畑とはやすけき所仏の座 21_岐阜 夏井通江
父が揚げ子に握らするいかのぼり 22_静岡 i伊藤昭子
*握らせて。動きの問題。
田打機が大地の眠り覚ましゆく 22_静岡 i伊藤昭子
解のなき子育てなれど卒業す 26_京都 氷室茉胡
落椿に埋もれた遠い日の記憶 37_香川 丸亀葉七子
遺されて春の寒さを思ひけり 38_愛媛 木下誠
試験子の靴を揃へてやる日かな 38_愛媛 木下誠
菠薐草金剛力にしぼりけり 38_愛媛 木下誠
*金剛力もて。に、は無理。
さくら湯の口にひろがる伊予ことば 38_愛媛 古志溢子
*さくら湯が口にひろがり
