ネット投句(2016年2月15日)選句と選評
【選評】
①前回も指摘しましたが、どこかでみたような句の内容を句にしない。俳句を作るとはそういうことだと勘違いしている人がいます。
②前回、稲垣さんのカルタの句。原句のとおり、「遊べ」のほうがいい。
【特選】
青空を歩いてをりぬ春の土手 21_岐阜 夏井通江
*歩いてゆかん
春はいま髪なびかせてとほりゆく 22_静岡 i伊藤昭子
ひとり来て椿のまへにしづかなり 22_静岡 i伊藤昭子
エーテルを満たして宇宙冴え返る 28_兵庫 加藤百合子
軽く筆触れれば開眼雛作り 37_香川 曽根崇
*触れて開眼雛のかほ
種袋振れば喜ぶ音がして 38_愛媛 豊田喜久子
*音したり
【入選】
春雨が打つ石畳首里殿へ 03_岩手 川村杳平
*が→の
大欅千の手伸べて春を呼ぶ 08_茨城 柴田清栄
*千の手を伸べて春呼ぶ欅かな、という形もあり。
搗き込みて香もあをあをや草の餅 11_埼玉 上田雅子
猫の声たまの声かと春近し 12_千葉 本川直子
*春近し、アウト。
鳥も花もこぼれんばかり枝垂梅 13_東京 篠原隆子
仮の世の仮の庵に豆を撒く 13_東京 神谷宣行
*庵や
立春の国見するなり摩天楼 13_東京 神谷宣行
薄氷やうつくしのルビ「空奇し」に 20_長野 柚木紀子
春満月一戸は嘗て郵便局 20_長野 柚木紀子
鳴いてみよ羽ばたいてみよ鶯餅 23_愛知 稲垣雄二
まだ生れぬ子のものを干す春の昼 26_京都 氷室茉胡
*春の昼、うごく。
涅槃絵の内外に鳥啼いてをり 27_大阪 安藤久美
ほの赤き土より生れし雛かな 27_大阪 安藤久美
*土より生れてほの赤き雛かな。土を説明してもはじまらない。リズムに乗せるから形は整うものの中途半端になる。この作者の早めに克服すべき欠点。
濠の鴨しづかに春の水尾をひく 27_大阪 澤田美那子
蕗の薹松ぼつくりを押し上げて 27_大阪 澤田美那子
さまざまの鳥あらはれて春の声 28_兵庫 加藤百合子
*珍しき、と置いても成り立つく。どちらがいいか。
風のごと人住み替り春兆す 34_広島 高多一果
*春兆す、再考。
落水のまぶしくなりぬ梅の花 37_香川 曽根崇
仏飯を分け与えたり雀の子 38_愛媛 才上宏子
白魚の一合枡で売られけり 38_愛媛 才上宏子
放浪の果ての草庵春障子 38_愛媛 木下誠
*春障子、ダメ。庵に関係ないももを。
柏手や春の光につつまれて 43_熊本 池桃太
*これも中途半端。柏手を打ち春光につつまるる、とか、春光まみれなる。何が言いたいのか、言葉で明確に。
たちまちに湯気の白魚となりにけり 43_熊本 池桃太
*湯気は
カウンター長きバーなり春灯 44_大分 山本桃潤
*バーが不要。長々とあり春灯す
