ネット投句(2015年12月31日)選句と選評
謹賀新年
【特選】
仕事納しばし自由の人となる 13_東京 臼井敦子
並びゐて年を惜しむやゴミ袋 13_東京 神谷宣行
*惜しむか
後ろ手や懐手して春画展 13_東京 西川遊歩
*懐手やら
選り選りて小さき葛籠や年忘れ 14_神奈川 松井恭子
*や、不要
一本を抜けば緩むや葱の束 15_新潟 山本しほ
*抜いて緩みて
初夢に散らばる扇拾はんと 19_山梨 長井亜紀
善人なほ句をなす年の始めかな 20_長野 金田伸一
スキー場腰抜け雪の積み上がる 20_長野 金田伸一
冬うらら人類最後の日も美しや 21_岐阜 夏井通江
*美しや、不要。人類の最後の朝も冬うらら、とか。
弥陀如来湯気のま中や大根焚 26_京都 諏訪いほり
*逆。大根焚く湯気の真中に弥陀如来
もう一泊もう一泊と風邪の神 26_京都 氷室茉胡
スランプを抜ければそこはポインセチア 26_京都 氷室茉胡
*そこに
炉火埃の恵比須大黒また主 27_大阪 古味瑳楓
*の、不要。大年やまたも一字の命取り(櫂)
大晦日兎にも角にも朝御飯 27_大阪 福田弘子
新玉のすずなすずしろ湯気の中 27_大阪 澤田美那子
まだ百の義父かろがろと祝箸 27_大阪 齊藤遼風
埋もれゆくものは円かに雪しまく 28_兵庫 加藤百合子
雪の湯に仏の顔の小猿かな 33_岡山 齋藤嘉子
牡蠣筏浮かべて島の眠りをり 37_香川 田岡 弘
くべくべてすべて忘るる焚火かな 38_愛媛 岡崎陽市
*◎
頑としてふる里を出ぬふところ手 38_愛媛 岡崎陽市
人住めぬ町を無心に雪が舞ふ 38_愛媛 三木紀幸
*町に無心の
拭き終へし窓から冬の日が深く 38_愛媛 三木桂子
*拭きあげし窓から深く冬日さす。原句は叙述。この違い大事。
【入選】
柚小柚帰国の夜の冬至風呂 04_宮城 長谷川冬虹
わが修羅のゆくへは知らず日向ぼこ 11_埼玉 園田靖彦
寒暁やひとすじ赤き相模川 11_埼玉 五月女政夫
ツイードの帽子手に入れ初旅に 13_東京 井上じろ
廃屋に自転車ひそと冬紅葉 13_東京 柴田清栄
此の頃は焼酎お湯割りうるめ焼く 13_東京 柴田清栄
湯に入れば寄りくる柚子のゆらゆらと 14_神奈川 伊藤靖子
*柚子や
去年今年幾度も道踏み外し 14_神奈川 三玉一郎
*幾度か
千捨ててひとつ生かさん去年今年 14_神奈川 三玉一郎
海鼠桶すべて裏目の日もありぬ 14_神奈川 松井恭子
振袖の花こぼしつつ初詣 21_岐阜 夏井通江
障子閉づ雪の華やぎあふれくる 21_岐阜 夏井通江
二つ三つ魂浮かぶ冬至風呂 23_愛知 稲垣雄二
*魂の三つ四つ浮かぶ柚子湯かな
盆を手にうち並びけり大根焚 26_京都 佐々木まき
*けり→ては
湯気立てて老いをかこちてゐたりけり 26_京都 佐々木まき
女手はみな割烹着大根焚 26_京都 諏訪いほり
*女らは
太陽の匂ひ立つなり干菜風呂 27_大阪 木下洋子
折りたたむ和紙の白さよ年用意 27_大阪 澤田美那子
年取るもまあよからんや花の春 27_大阪 澤田美那子
東雲のほがらと明くる大旦 28_兵庫 加藤百合子
*東のほがらほがらに
ロウバイの刈られた枝にも花の咲く 28_兵庫 城田音女
*刈られたる枝も花つけ蝋梅は。原句は叙述。
一通は恋文めきし年賀状 28_兵庫 千堂富子
*恋文であり
来年はリタイアの年日記買ふ 34_広島 吉田泰規
日向ぼこいつもの席に猫もゐて 37_香川 曽根崇
おくる年むかふる年をかたらひぬ 38_愛媛 岡崎陽市
