充実の古志埼玉支部作品集
今届いた古志埼玉支部(萬燈ゆき支部長)の「幸魂」第5号はたいへん充実した作品集になっています。24人が12句ずつ俳句だけを出していますが、俳句はまず作品であるという意志がうかがえてじつに好ましい。しかもその作品に力があり、日ごろの丹精のたまものと感銘しました。一人一句ずつあげておきます。
推敲に更け推敲に明易き 新井たけし
濡れ肌を石に這はせて青蜥蜴 石川桃瑪
葛湯吹く花のひとひら浮かむまで 梅本元子
やぶごしに薄紅梅の見えてきし おほずひろし
黒豆のしたたる黒や春きざす 加田 怜
大いなる鴉棲みけり五月闇 神谷宣行
エゴイスト百合のこととか愛だとか 唐 振昌
あら哀し踏絵踏絵の一生かな 城山邦紀
夏暁や空つぽとなり句会へと 軍地四郎
ひとつだけ声のしてゐる巣箱かな 杉山常之
時折は妻を休みてサングラス 曽根田幸子
みづうみの月をうかがふ鱸かな 園田靖彦
七十歳秋刀魚の腸も甘くなり 西田つねお
汗を出し煙も出して焼茄子 乃木多美子
そらいろの空のひろがる大旦 廣野 稲
日本を偲びマッチの大文字 福谷 博
闘ふや生れて間もなき子蟷螂 藤倉 桂
秋風の音となりけり扇風機 藤原智子
銀漢や同窓会にでも行くか 前崎 都
粗肌のぐい呑みにせん春の雪 松本邦吉
ゆるやかに握るが極意蠅叩き むらたともみ
階段を二段飛ばしで上る春 森 篤史
大根一本半分炊きて半分干す 山中澄江
虫籠になほ玲瓏と響くもの 萬燈ゆき
ますますのご研鑽を!
