恋の俳句大賞に佐藤日田路さん
第2回恋の俳句大賞(主催=きごさい、選者=趙栄順・長谷川櫂)は佐藤日田路さん(兵庫県)の作品に決まりました。今春、ハウステンボス(長崎県)での山桜植樹にあわせて園内の「桜の園」に大賞作の記念プレートを設置します。
第3回恋の俳句大賞の締め切りは今年6月30日です。ふるってご応募ください。
【大賞】
告白は直球勝負蝉時雨 佐藤日田路
<作者のコメント>
大賞なるもの、はじめていただきました。メールでのお知らせに、驚くとともに、心から嬉しく思いました。 「亜流里(あるさと)」という地元の句会で俳句をはじめ、10年になります。 今回の句は、基本に返り、素直に詠ませていただきました。気持ちの伝わる俳句を目指し、今後とも励みたいと思います。
*長谷川櫂選
【特選】
初恋の人を検索冬ごもり 藤岡美恵子
その人はいまどうしているか、ちょっと気になるのだ。
告白は直球勝負蝉時雨 佐藤日田路
まさに直球の句。
好きの文字ポケットに突っ込んで冬 小島寿々
少年の面影がある。
【入選】
恋をせしこともはるかや目刺焼く 斉藤真知子
逃げ水を追ふやうな恋もう二年 辻 雅宏
それつてプロポーズなのかき氷 北側松太
初恋の二人はピンクのこんぺいとう 小野田里緒
隣あひあたる焚火に割り込まれ 佐々木まき
百万遍愛を唱える牛蛙 佐藤日田路
マスクして恋の瞳となりにけり 山本桃潤
恋の日が輝いてゐる初暦 篠原隆子
新雪にシュプール描き恋の日よ 矢野京子
女郎蜘蛛恋の二人に降りて来し 北側松太
*趙栄順選
【特選】
湯豆腐の湯気に隠れて恋の顔 今野浮儚
恋する人の顏は、単純ではない。ときに幸せが、ときに苦悩が、あるいは鬱屈が見え隠れする。この「恋の顏」。含羞を知る中年の男性ではないかと想像するが、如何?「湯豆腐の湯気」がよく働いて、この句に深みを与えている。
君はもう恋をしてゐる桜餅 石川桃瑪
この断定は、恋人に対する告白か、あるいは暗示か。逃げも隠れもない、体当たりの清々しさが好ましい。「桜餅」が、この句に清潔感と若々しさを添えている。
結婚といふお雑煮のやはらかさ 三玉一郎
この句に、恋の生々しさはない。だが、結婚が恋を育て、熟成させた結果だとすれば、夫婦の長い歳月が育てた結婚の形も自ずと恋の名残を留めている筈だ。「お雑煮のやわらかさ」。実感であろう。
【入選】
それつてプロポーズなのかき氷 北側松太
雪つぶて弾けはじまる二人かな 山中澄江
すれ違う階段バレンタインデー 宮崎江美
春愁のひとつに待つといふことも 豊田喜久子
冷やっこ長女と恋の話など 山本新
告白は直球勝負蝉時雨 佐藤日田路
恋をしてあらほろ苦の木の芽和 北側松太
ふらここに揺れゐてしづか恋心 北側松太
まつすぐに胸に飛び込む冬帽子 今野浮儚
春立つや妻を名前で呼んでみる 村松二本
