古志広島ズーム句会(2026年4月5日)
第一句座
矢野京子選
【特選】
水俣忌もてはじまりぬ聖母月 神戸秀子
かぎろへる小舟一艘水俣忌 石塚純子
さくらさくらいまを戦前とはさせじ 神戸秀子
うつくしき海は語らず水俣忌 斉藤真知子
湯に浮かすわが子のかるさ水俣忌 長谷川櫂
【入選】
アネモネや父の遺作の絵にも咲く ももたなおよ
初蝶も吾も驚きゐたりけり 矢田民也
角立てて戦を怒る栄螺かな 長谷川櫂
卵抱くしかつめらしき巣鳥かな 安藤文
へうへうとわれ老いゆくぞ山桜 今村榾火
上出来の花の一句を今年こそ 斉藤真知子
夫送りここから余生春の虹 岡村美沙子
腰折れの父いとほしき桜かな 安藤文
文明の荒野へ熊の穴を出づ 高橋真樹子
燕の巣當麻の土をほしいまま 神戸秀子
長谷川櫂選(推敲例)
【特選】
うつくしき海は語らず水俣忌 斉藤真知子
哀しみのひかりの凪や水俣忌 ももたなおよ
埋め立ててしまへば過去か水俣忌 ストーン睦美
【入選】
きらきらと母なる海よ水俣忌 安藤文
花びらの渦巻く海よ水俣忌 高橋真樹子
はくれんの花一つづつ開きゆく 安藤文
かぎろへる小舟一艘水俣忌 石塚純子
蛸取りの爺気高し水俣忌 今村榾火
炒りたての古茶ふるまはん草の餅 神戸秀子
捌かるる花烏賊の腸まくれなゐ 高橋真樹子
第二句座(席題:清明、別れ霜)
矢野京子選
【特選】
清明の風つかまんと赤子の手 矢田民也
別れ霜光の音を立てにけり 高橋真樹子
清明やいまだに白き佐渡の山 安藤文
【入選】
山盧いま霜の別れとなりしかな 大場梅子
わが胸の清明の音聞きながら 大場梅子
清明の風にふかれし人も木も 斉藤真知子
清明やまこと賑やか鳥の声 高橋真樹子
清明の空青きまま日暮れけり 長谷川櫂
長谷川櫂選(推敲例)
【特選】
清明や月へと向かふアルテミス ストーン睦美
【入選】
清明や過疎のわが町光あれ 瑞木綾乃
猪の出る清明の竹林 ももたなおよ
別れ霜みるみるひかり失せゆくや 矢田民也
清明やいまなほ白く佐渡の山 安藤文
清明の見上ぐる背丈十五歳 石塚純子
