古志金沢ズーム句会(2026年2月15日)
第一句座
当季雑詠
鬼川こまち選
【特選】
いつのまに戦前にゐる寒さかな 趙栄順
きさらぎのまだ濡れてゐる明けの空 安藤久美
鶯や詩歌の国に歌ひ継ぐ 氷室茉胡
沸き上る氷魚の白雲釜の中 玉置陽子
影もまた明るき春の障子かな 安藤久美
寒晴の大塊としてバカラあり 長谷川櫂
春雨や子規を見舞へる虚子の下駄 越智淳子
冬空を悟空となりてビッグエアー 密田妖子
【入選】
地虫出づぬくぬくの穴惜しみつつ 梅田恵美子
手を打てば蝌蚪一斉に泥となる 清水薫
かそけくも天地の間に笹鳴けり 泉早苗
師の墓に控へる仲間犬ふぐり 花井淳
戸袋に仕舞ふ雨戸や梅の花 山本桃潤
失ひしもの胸にあり鳥曇 玉置陽子
面取れば真つ赤な紅や寒稽古 稲垣雄二
穴出づる蛇にまばゆし殺生界 藤倉桂
太き根や軒の氷柱に囚はるる 酒井きよみ
保育器に眠る命や花苺 藤倉桂
ぬくぬくと孤独が太り冬の蠅 稲垣雄二
なかなかに三寒四温といかぬ能登 泉早苗
紅梅の少し重たき夜の梅 駒木幹正
・長谷川櫂選
【特選】推敲例
ハルといふ響きに力春を待つ 清水薫
山茱萸に賜る加賀の晴三日 花井淳
藁抜きて身は寄る辺なき目刺かな 飛岡光枝
【入選】
僧兵の籠りし山へ梅探る 玉置陽子
雪掻きの人の小さし雪の中 松川まさみ
影さへも明るき春の障子かな 安藤久美
氷りつく母なる地球春よ来い 玉置陽子
飯蛸やたしかに蛸の足の数 清水薫
ボンネットの上にも春の雪だるま 田村史生
雪の屋根白き鯨の群れをなす 鬼川こまち
善人も悪人もなく息白し 稲垣雄二
第二句座
席題:「春の雪」、「鳥帰る」
【特選】
鳥帰り潟をただよふ羽毛かな 酒井きよみ
影となり光となりて鳥帰る 趙栄順
白鳥の引かねばならぬ恋の空 玉置陽子
【入選】
春雷や親子喧嘩の終ひけり 越智淳子
塗椀にちらす金粉春の雷 飛岡光枝
戦ある空を越えたか鳥帰る 酒井きよみ
弟子たちの奮起促す春の雷 趙栄順
遥かなる声に応へて鳥帰る 松川まさみ
春雷や駅いつぱいに見送られ 田村史生
叱責をバネにせむとや春の雷 氷室茉胡
明日もまだ晴れさうな雲鳥帰る 酒井きよみ
春雷や水辺に揺るるフラミンゴ 長谷川櫂
・長谷川櫂選
【特特選】推敲例
春雷や三河の奥の花起こす 稲垣雄二
【特選】
白鳥の引かねばならぬ恋の空 玉置陽子
老いたるは病めるを庇ひ帰る鳥 安藤久美
【入選】
春雷や黄泉より夫戻りしか 鬼川こまち
空といふ青き奈落を鳥帰る 趙栄順
白山も腰浮かせてや春の雷 清水薫
結局はあれつきりなり春の雷 稲垣雄二
