古志鎌倉ズーム句会(2024年7月14日)
第一句座
•藤英樹選
【特選】
飯よりも金魚が好きな金魚売 おほずひろし
明易や山のむこうの浅間山 長谷川櫂
日本が元気なころのかき氷 萬燈ゆき
七夕竹折れんばかりの願ひかな 関根千方
ただいまと一人暮らしの扇風機 田中益美
【入選】
迅雷や高層白き闇の中 わたなべかよ
刺網を妻と繕ふ夕焼かな わたなべかよ
海底のごと副都心梅雨の雷 西川遊歩
短夜の夢のどこかに我忘れ 湯浅菊子
悔いること多き我が身や大昼寝 湯浅菊子
掻き氷氷の羽よふりつもれ 長谷川櫂
香水に遅れて人の入り来る 藤原智子
•長谷川櫂選 (推敲例)
【特選】
昔とは昭和のことか胡瓜揉む 澤田美那子
泡盛の喉走る火の涼しさよ 葛西美津子
【入選】
身中の虫に土用の力水 金澤道子
刈られたる白き小花も草いきれ 葛西美津子
海へ投げ込む豊年の神輿かな 園田靖彦
夏霧に濡れて根府川崖の駅 西川遊歩
第二句座 (席題:散水車、氷室)
•藤英樹選
【特選】
太陽へ放つ飛沫や撒水車 神谷宣行
あをあおと山に抱かれ氷室かな 藤原智子
散水車孔雀の羽を広げゆく 澤田美那子
撒水車議事堂前を浄めゆく 神谷宣行
神さびの山ふところの氷室かな 仲田寛子
藁蓆めくるもうれし氷室守 仲田寛子
【入選】
子供等が追いかけてゆく撒水車 おほずひろし
撒水車選挙終はりしあとの街 森永尚子
その中に花の香りの氷室かな 神谷宣行
詩心の枯れた私へ散水車 きだりえこ
•長谷川櫂選 (推敲例)
【特選】
あをあおと山に抱かれ氷室かな 藤原智子
錆重き氷室の扉開きけり 西川遊歩
一生涯妻は娶らず氷室守 萬燈ゆき
【入選】
氷室守る白き衣を身に纏ひ 関根千方
静けさの奥へ奥へと氷室守 葛西美津子
子供等が追いかけてゆく撒水車 おほずひろし
子ら駆けて水浴びに行く散水車 木下洋子
心身を清めて氷室開きかな 葛西美津子
魚沼は酒も蔵する氷室かな 森永尚子
撒水車議事堂前を浄めゆく 神谷宣行
氷室より神々の夢切り出さん イーブン美奈子
撒水車選挙終はりしあとの街 森永尚子
生き返る氷室神社のかき氷 木下洋子
新宿の夜を流しゆく散水車 藤英樹
散水車つぎつぎかかる虹いくつ 葛西美津子
奥宇陀の神の一塊氷室より きだりえこ
藁蓆めくるもうれし氷室守 仲田寛子
氷室守氷のやうなお人かな 藤英樹
滴りて信号待ちの撒水車 金澤道子
氷室開く白装束に身を固め 澤田美那子