古志鎌倉ズーム句会(2022年10月9日)
第一句座
•藤英樹選
【特選】
雪匂ふ出羽の落穂のうまからん 森永尚子
大喜利に座布団残し秋の風 仲田寛子
おひたしに菊のはなびら玩亭忌 仲田寛子
衣被戦争ありて平和賞 藤原智子
無常句に恋ほのめくや玩亭忌 長谷川櫂
【入選】
夕空を一つ落として熟柿かな 喜田りえこ
亡き夫に話しかけたる夜寒かな 吉田順子
年ごとに親しくなりぬ玩亭忌 木下洋子
波音を楽しんでゐる芒かな 金澤道子
恋の句の太祇ばりなり玩亭忌 長谷川櫂
旧仮名は日本のこころ玩亭忌 升谷正博
赤とんぼ雲のごとくに湧いてきて 藤原智子
•長谷川櫂選
【特選】
乙三の長寿もうれし玩亭忌 藤英樹
【入選】
亡き夫に話しかけたる夜寒かな 吉田順子
風格ある批評出でよ玩亭忌 神谷宣行
色好み何はばかるや玩亭忌 園田靖彦
第二句座 (席題:間引き菜、鳴子)
•藤英樹選
【特選】
道端の鳴子みな引く下校の子 曽根崇
寂しがる旅人もなく鳴子かな 関根千方
青空に雀飛び立つ鳴子かな おほずひろし
間引菜の笊いつぱいの軽さかな 吉田順子
ベランダや幸せそうにかいわれ菜 澤田美那子
【入選】
間の抜けた男なれども鳴子守 長谷川櫂
千枚田縄一本で鳴る鳴子 曽根崇
間引菜の土ころころと付いてきぬ 関根千方
出羽のくに夢の中まで鳴子なる 萬燈ゆき
千年も一日のごとく鳴子守 長谷川櫂
•長谷川櫂選
【特選】
出羽のくに夢の中まで鳴子なる 萬燈ゆき
寂しがる旅人もなく鳴子かな 関根千方
間引菜の笊いつぱいの軽さかな 吉田順子
【入選】
からからと鳴子は夜も鳴りつづけ 吉田順子
引いたことなくて引きたし鳴子綱 金澤道子
鳴子引くまた引く家を捨てやうか イーブン美奈子
ひと晩でたるんでをりぬ鳴子綱 金澤道子
虫食ひもあはれ抜菜を洗ひけり 葛西美津子
道端の鳴子みな引く下校の子 曽根崇
千枚田縄一本で鳴る鳴子 曽根崇
間引菜を洗へばほんの少しかな 藤原智子
鳴子鳴らしためらひもせず来るものよ 森永尚子