古志鎌倉ズーム句会(2021年3月14日)
•藤英樹選
【特選】
残生てふ言葉しみじみ飴山忌 澤田美那子
比良よりの水こんこんと飴山忌 木下洋子
白山に吹く春風の甘からん 西村麒麟
いとけなきまま神となる菫かな 関根千方
はくれんやあいさつもなくひとの逝く おほずひろし
春泥を撫づれば子の名十とせかな 長井はるみ
ふつくらと大きな月や飴山忌 西村麒麟
日の永くなりしと思ふ飴山忌 金澤道子
【入選】
微笑みの写真一枚實の忌 葛西美津子
大阪の初花のころ實の忌 長谷川櫂
あら汁の椀は荒海桜鯛 西川遊歩
淡海の明るむころや實の忌 長谷川櫂
飴山忌俳句は胸にふれてこそ 関根千方
八方に雪解の音や飴山忌 曽根崇
大賞は ♪ 入りの句春の虹 (子ども俳句大会)西川遊歩
なによりも新鮮であれ飴山忌 神谷宣行
品書きのあさり酒むし真砂女の忌 わたなべかよ
浅漬けのやうな句が欲し飴山忌 金澤道子
おぼつかな能登の昼空飴山忌 湯浅菊子
•長谷川櫂選
【特選】
微笑みて写真一枚實の忌 葛西美津子
子どもみな春疾風なりサッカーす 藤原智子
米を研ぐ水も温みぬ飴山忌 藤原智子
この寺の塵はおほかた椿かな 金澤道子
三月のせはしき日々に飴山忌 藤英樹
日の永くなりしと思ふ飴山忌 金澤道子
【入選】
すぐそこに桜前線飴山忌 葛西美津子
實の忌かの世の花も鋤き込みて 喜田りえこ
飴山忌俳句は胸にふれてこそ 関根千方
八方に雪解の音や飴山忌 曽根崇
庭先の畑に一日實の忌 森永尚子
きらきらと顔の並ぶや雛の家 喜田りえこ
かぎろうて箔新しき金閣寺 澤田美那子
遅き日や二万二千の南無阿弥陀 藤英樹
マスクはづし老いに驚く山桜 森永尚子
鳥雲に離農の鍬をもてあまし 園田靖彦
俳諧は新鮮であれ飴山忌 神谷宣行
實忌や男ひとりの昼の酒 おほずひろし
会うたことなくて親しき飴山忌 金澤道子
浅漬けのやうな句が欲し飴山忌 金澤道子
栃の木のごつと芽吹きぬ實の忌 仲田寛子
牛小屋に牛ゐなくなり蕗の薹 田中益美
雪解の樹々ひびきあふ飴山忌 イーブン美奈子
第二句座
席題(春の雷、ミモザ)
•藤英樹選
【特選】
春雷や乳房のごとき雲の間に 関根千方
会へる日を指折り数へ花ミモザ 木下洋子
春雷の鳴りつくしたる明るさよ 仲田寛子
笑い上戸くすぐったがり花ミモザ 川村玲子
春雷の激しく長きひと日なり わたなべかよ
浅間なる白き山辺や春の雷 吉田順子
【入選】
庭中にミモザの生ふる画家の家 おほずひろし
和太鼓の連打ミモザの只中に 升谷正博
あの窓にいつも猫ゐる花ミモザ 金澤道子
春雷や顔触れの良き歌舞伎座に 西村麒麟
江ノ電の二両連結春の雷 金澤道子
春雷や皇居外苑能舞台 森永尚子
ミモザの黄見とれてをれば目の痒し 澤田美那子
春の雷女の臍のちぢこまる 森永尚子
まどろみの山を起こすや春の雷 喜田りえこ
•長谷川櫂選
【特選】
イタリアは愛のミモザの満ちるころ 仲田寛子
一欠片ミモザの花をハンカチへ 西村麒麟
うどん屋に雨宿りする春の雷 田中益美
春雷の鳴りつくしたる明るさよ 仲田寛子
【入選】
黄金の煙わき立つミモザ咲く 西川遊歩
大股にミモザ抱へて近づき来 長井はるみ
抱き寄せらるるミモザひと抱えごと 長井はるみ
春雷や一気にとける比良の雪 木下洋子
ひだるさの子どものまなこ花ミモザ 藤英樹
浅間なる白き山辺や春の雷 吉田順子