仙台スカイプ句会(2020年5月24日)
【◎特選】
薫風にさらしておかんこの嘆き 辻奈央子
縁側でパソコン開く裸足かな 森凜柚
コロナ禍の闇の奥より夜鷹鳴く 甲田雅子
【特選】
七十のつぎは八十花水木 川村杳平
すぐ終はる仕事残してアイスティー 森凜柚
コロナ禍やさらば春の夜美しく 甲田雅子
野遊びに行つた心地やにぎりめし 辻奈央子
レジ待ちの籠に茄子苗胡瓜苗 伊藤寛
春の月われらの地球躓いて 佐藤和子
たんぽぽの絮浴びてゐる埴輪かな 阿部けいこ
朝遅きポーチドエッグ緑さす 伊藤寛
空き瓶に赤いガーベラそして鬱 佐伯律子
老夫婦二人に余る初鰹 石原夏生
睡眠のとぎれとぎれや夜の百合 那珂侑子
【入選】
桜の実父へ母へと拾ひけり 佐伯律子
青嵐えやみ・ときのけ忘るまじ 石川桃瑪
蟻一つ蛇のもぬけの中をゆく 関根千方
屋根修理付かず離れず初燕 金谷哲
夏の池猛スピードで亀寄りく 那珂侑子
足もとへ渦となりゆくシャワーかな 伊藤寛
一陣の風にほころぶ瀑布かな 関根千方
スカイプ句座果ててひとりや冷し酒 長谷川冬虹
みちのくは一人静のころならむ 川辺酸模
へその緒も混じりてをるや土用干 辻奈央子
雨あがるアスパラガスのぐんと伸ぶ 阿部けいこ
海亀へ別れの酒を無理強いし 上俊一
蛇穴を出づるも人のをらざらん 長谷川冬虹
道のべの骸となりぬ花躑躅 青沼尾燈子
送風の激しき羽音蜂光る 及川由美子