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俳句的生活

長谷川櫂のサイト

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古志広島ズーム句会(2025年8月3日)

俳句的生活 投稿日:2025年8月3日 作成者: dvx223272025年8月3日

第一句座
矢野京子選
【特選】
軍歌なほ忘れぬ唇よ原爆忌        矢田民也
原爆忌死者も八十年生きたるや      矢田民也
打水のきらめく記憶あるばかり      長谷川櫂
ひとり来てひとり泳ぐや原爆忌      安藤文
石段の影が語り部ナガサキ忌       ももたなおよ
【入選】
原爆忌またねと別れきしものを      金田伸一
水に揺られてうたた寝の桃ひとつ     斉藤真知子
これしきの猛暑嘆くな原爆忌       大平佳余子
どの鉢にもたつぷり水を広島忌      大平佳余子
翅広ぐおほみづあをの秘色かな      大平佳余子
恫喝に核を使ふなちちろ鳴く       大場梅子
老いて今ゆるりと母の白上布       ももたなおよ
原爆忌薬は柿の葉薊の根         ももたなおよ
書に挟む恋文ひとつ土用干し       城山邦紀
合歓の花わが白髪を母知らず       神戸秀子
蝉時雨百年の家改修す          安藤文
デジタルで読む新聞や終戦日       安藤文

長谷川櫂選(推敲例)
【特選】
水に揺られてうたた寝の桃ひとつ     斉藤真知子
すぐそこの闇を手繰りて踊るかな     矢田民也
カステラ屋すでに三代原爆忌       高橋真樹子
黒焦げの秋立ちにけり原爆忌       神戸秀子
爛れたる顔に柿の葉原爆忌        ももたなおよ
【入選】
軍歌なほ忘れぬ我へ原爆忌        矢田民也
快晴の空が真つ暗広島忌         石塚純子
朝の卓飯と味噌汁広島忌         斉藤真知子
長崎忌八十年の鐘ひびく         大場梅子
雲梯に木洩日あそぶ今朝の秋       神戸秀子
湯上がりのわが身をさらす蟬時雨     安藤文
広島忌今年また訪ふ大樹あり       矢野京子
孫二人ひ孫六人原爆忌          矢野京子
死に蟬のたましひ運ぶ蟻の列       安藤文

第二句座(席題:甚平、蜻蛉)
矢野京子選
【特選】
みづうみや蜻蛉も船を待つごとく     神戸秀子
甚平の熱く語るや量子論         駒木幹正
遠富士に甚平高く干す家かな       矢田民也
【入選】
呼び鈴に甚平の人ぬつと立ち       加藤裕子
鬼やんま原爆ドーム守るごとし      大平佳余子
甚平着て吾も横丁の顔役に        大平佳余子
虫籠の蜻蛉をすぐに放ちけり       斉藤真知子
颯爽と座敷をめぐる鬼やんま       長谷川櫂
甚平や木刀一本宝とす              加藤裕子

長谷川櫂選(推敲例)
【特選】
甚平や老いにも花の旬のあり       矢田民也      
鬼やんま原爆ドーム守るごとし      大平佳余子     
夫と子の瓜二つなる甚平かな       瑞木綾乃    
とんぼうの乗りつぐ風の次々に      城山邦紀     
甚平着てけふからただの人となる     大場梅子    

【入選】
甚平の人ぬつと立つ戸口かな       加藤裕子      
甚平着て吾も横丁の顔役に        大平佳余子      
甚平や祖父に自慢の手負ひ傷       高橋真樹子
甚平を着て細脛の頼りなし        矢田民也      
黙祷の帽子に止まる蜻蛉かな       矢野京子     
黙祷の眼開けば蜻蛉飛ぶ        矢野京子       
甚平や木刀一本宝とす         加藤裕子        
遠富士に甚平高く干す家かな      矢田民也    

古志仙台ズーム句会(2025年7月27日)

俳句的生活 投稿日:2025年7月28日 作成者: dvx223272025年7月28日

第一句座
長谷川冬虹選
【特選】
吾もいつか宇宙のはての夏の星         甲田雅子
太陽を真直ぐに切るトマトかな         臼杵政治
鬼の面被りて歩く極暑かな           武藤主明
翳となり光となりて八月来           三玉一郎
かの世から風をもらひて昼寝かな        平尾 福
【入選】
涼しさは欄間の松の透かし彫り         及川由美子
桃の木の根方に屑桃埋めてやる         齋藤嘉子
一雨来食ふには惜しき茄子の紺         上 俊一
帰省して柱の傷と背くらべ           阿部けいこ
氷室出て汗の吹き出す氷かな          平尾 福
背泳ぎにどんどん空の広くなり         谷村和華子
夏の蝶粉々になる酷暑かな           佐伯律子
梅雨明け宣言ふじは半分顔出しぬ        那珂侑子
常臥の犬と目配せ梅雨晴間           青沼尾燈子
鴉らも空をさすらふ旱かな           長谷川櫂

長谷川櫂選(推敲例)
【特々選】
夏の朝犬はすやすや死んでゐた         青沼尾燈子
麦わら帽子サザンの歌をハミングす       及川由美子
一歩出て一歩ひるみぬ日の盛          佐伯律子
いつまでも夢みる人よハンモック        谷村和華子
舟溜り烏賊釣船も昼寝かな           川辺酸模
【特選】
逝きし人みな涼しげや油照り          谷村和華子
沖へ沖へ父泳ぎゆく遥かな日          谷村和華子
八月来記憶の杖をつきながら          三玉一郎
繕ひのあとが網戸に犬恋し           那珂侑子
かの世から風をもらひて昼寝かな        平尾 福
【入選】
炎天や人類の旅の西の果            長谷川冬虹
花に混じる西瓜の苗のいぢらしく        服部尚子
桃の木の根方に埋める屑の桃          齋藤嘉子
一雨や食ふには惜しき茄子の紺         上 俊一
あつさりと検診を終へ一夜酒          佐藤和子
瑠璃色の魚岩蔭に夏の果            平尾 福
一匹は水子の魂か夕蛍             佐藤和子
スマホなく過ごす一日の涼しさよ        川辺酸模
かいつむり眠る川面を夏の月          川辺酸模
アラビアの文字のごとくに草茂る        長谷川冬虹
帰国してなんと眩しき青田風          長谷川冬虹
極楽へつづく鍵とや夏の寺           青沼尾燈子
夏の月ひときは赤しアラビア文字        長谷川冬虹
黒揚羽粉々になる極暑かな           佐伯律子
平泳ぎ二人の兄のもう遥か           上村幸三
常臥の犬と目が合ふ梅雨晴間          青沼尾燈子
腎不全末期の友よ夏の果            川村杳平
撒水車祭のあとを冷ましゆく          平尾 福
桟橋にホットドッグ屋夏の果          平尾 福

第二句座 (席題:打水、鰻、常盤木落葉)
長谷川冬虹選
【特選】
外つ国の力士のやうな鰻かな          武藤主明
打水やじゆうつと焼きを入れしごと       上 俊一
掴まれてはつと蹴り上ぐ鰻かな         谷村和華子
水打ちて門前町を鎮めけり           武藤主明
水槽の底でウナギは世を覗く          宮本みさ子
【入選】
釘打たれ鰻はまなこ見開きぬ          佐伯律子
次々と鰻割かるる涼しさよ           川辺酸模
水を打つ旅の途中の隣家にも          那珂侑子
お隣の前に多めの水を打つ           平尾 福
ふかふかと夏の落葉を踏んでゆく        平尾 福
火柱のガザにキーウに水を打て         上村幸三
せめてその小さき墓へ打水を          三玉一郎

長谷川櫂選(推敲例)
【特選】
不甲斐なき男がひとり鰻食ふ          上村幸三
深閑と目打ちを待てる鰻かな          川辺酸模
鎌倉は鰻の焼ける匂ひかな           平尾 福
【入選】
次々と鰻焼く火の涼しさよ           川辺酸模
ぬるぬるともんどりの中鰻かな         佐伯律子
鰻屋に夫婦で寄りぬ盆帰省           川村杳平
水打ちて一日伸びる命かな           佐伯律子
思い切つて匙を所望す鰻飯           佐藤和子
打水をせめて小さき犬の墓           三玉一郎

古志山廬句会(2025年7月21日)

俳句的生活 投稿日:2025年7月27日 作成者: dvx223272025年7月27日

第一句座
・雨宮更聞選

【特選】
夏の雲透けて竹林風の音         宮本みさ子
竹林に咲いてしづかに花茗荷       石川桃瑪
歳時記に挟む山廬の松落葉        金澤道子
これは真赤な更聞さんの李かな      長谷川櫂
竹箒旧りて山廬の夏日浴ぶ        石川桃瑪
この庭の夏の光を我も浴び        滝沢優子     

【入選】
老鶯の山廬の庭を席捲す         石川桃瑪
夏鶯のけだるき声や狐川         越智淳子
もう誰も座してはをらず夏炉かな     高橋 慧
竹藪の天に溽暑の空まさを        石川桃瑪
日盛りにかなしきほどの山々よ      高角みつこ
桃の香と静けさ箱に詰め合はせ      西川遊歩
炎天のすぐ下にある山廬かな       長谷川櫂
茫茫と葉をしたがへて桃熟るる      飛岡光枝
大玉の手塩にかけし桃ぞ此れ       西川遊歩
八ヶ岳踏まえて育つ雲の峰        齋藤嘉子
涼しきは後山をのぼる土不踏       高橋真樹子
冷やされてでんぐり返る桃ひとつ     葛西美津子
堰落ちる音の涼しき狐川         金澤道子
くろがねの如き影踏む雲の峰       谷村和華子
太々と火吹竹ある夏炉かな        飛岡光枝
カンカン帽父に似てきし秀實さん     藤 英樹
画眉鳥の句はできたかとけたたまし    越智淳子
どこまでも続きて遥か夏の山       谷村和華子
刃を入れて夏が真赤ぞ山李        飛岡光枝
大火鉢桃もすももも冷し食ぶ       石川桃瑪

・長谷川櫂選

【特選】
俳諧の寝起き一畳涼しかり        飛岡光枝
茫茫と葉をしたがへて桃熟るる      飛岡光枝
みんみんの声の始めは酔つてをり     宮本みさ子
縁あつて露の命の集ひけり        齋藤嘉子
入道雲一際高き山廬かな         高橋 慧
遺骨なき墓灼く陽ざし八十年       西川遊歩
刃を入れて夏が真赤ぞ山李        飛岡光枝

【入選】
竹林に咲いてしづかに花茗荷       石川桃瑪
甲斐や今翠巒をなす葡萄園        齋藤嘉子
明易し狸も出でくる狐亭         高橋 慧
虚空へと舞ひ上がりゆく夏の蝶      谷村和華子
冷されてでんぐり返る桃ひとつ      葛西美津子
堰落ちる音の涼しき狐川         金澤道子
くろがねの如き影踏む雲の峰       谷村和華子
熟れ熟れて桃も李も夏の果        葛西美津子
釜掛けて夏の火鉢の寂とあり       宮本みさ子
青竹の空大ゆれや雲の峰         飛岡光枝

第二句座
・雨宮更聞選

【特選】
秋近き山廬に吊るす竹箒         宮本みさ子
着流しの男の如く夏の富士        森永尚子
水分の神の育てし紅き桃         飛岡光枝

【入選】
誰がせしや夏炉の火箸灰に立つ      石川桃瑪
一徹の顎引く蛇笏夏羽織         西川遊歩
先人の息吹を宿す夏座敷         滝沢優子
獲り終へてほつとしてゐる桃畑      西川遊歩
篆刻のくれなゐ涼しき山廬かな      齋藤嘉子
涼しさやはるかを思ふ龍太の句      長谷川櫂
露白くむすぶ龍太の墨書かな       葛西美津子
雲の峰いくつ潜らん黒揚羽        谷村和華子
くれなゐを誉れとしたる甲斐の桃     齋藤嘉子
大夏木戦後八十年を見き         藤 英樹
富士山の麓の水を打ちてをり       宮本みさ子
山廬いま水引草のまくれなゐ       金澤道子

・長谷川櫂選

【特選】
夏深し山廬は竹の青の中         藤 英樹
掌に入れて優しく捥げよ桃        西川遊歩
白壁のうつくしき夏俳諧堂        藤 英樹
篆刻のくれなゐ涼しき山廬かな      齋藤嘉子
白雲のごとくしづかに百合の花      雨宮更聞
着流しの男の如く夏の富士        森永尚子
龍太の書流るる川の涼しさよ       関根千方

【入選】
軒すだれ確と龍太の文机         雨宮更聞
獲り終へてほつとしてゐる桃畑      西川遊歩
手斧目の涼しきここに句会かな      齋藤嘉子
露白くむすぶ龍太の墨書かな       葛西美津子
秋近き山廬に吊るす竹箒         宮本みさ子
真昼間を玉虫よぎる山廬かな       飛岡光枝
炎天や一途に刻む石の文字        高角みつこ
鬼やんま水に触れしはまた空へ      関根千方

古志金沢ズーム句会(2025年7月20日)

俳句的生活 投稿日:2025年7月21日 作成者: dvx223272025年7月21日

第一句座
当季雑詠
・鬼川こまち選

【特選】
つゆ草やひと日を生きてひと日老い    梅田恵美子
青山椒龍太の山の青さかな        趙栄順
眠りてもまた眠りても熱帯夜       土谷眞理子
いつのまに子どもの寝息青葉かな     川上あきこ
大玉も小玉も目玉西瓜買ふ        宮田勝
空蝉やすつからかんを晴れやかに     藤倉桂
物言はぬ母の涙や土用餅         藤倉桂

【入選】
うつし世に振り回さるやひからかさ    土谷眞理子
藁縄の解かれて涼し鉾の梁        花井淳
七夕や遇ひたき人はみな彼岸       田中紫春
犬小屋の前にも一つ蚊遣かな       橋詰育子
旅したき一つがスイーと流れ昆布     酒井きよみ
清方の美人に小皺や古団扇        稲垣雄二
花茣蓙や家の裏までつつぬけに      飛岡光枝
暑に喘ぐ我は火を噴くゴジラかな     長谷川櫂
土用波富士山洗ふ大飛沫         山本桃潤
輸送中卵孵化する溽暑かな        間宮伸子
年老いて得たるえにしや星逢う夜     梅田恵美子
川風に潮の香りや鮓熟るる        玉置陽子
あつけなく人殺さるる夏芝居       田村史生

・長谷川櫂選

【特々選】推敲例
いつの日か老いのたのしみ白上布     安藤久美
うちふるふ紀伊一国や土用波       玉置陽子
雨音と思へば木々か夕涼し        近藤沙羅
よしとせん薄き乳房も酷暑かな      川上あきこ
物言はぬ母の涙や土用餅         藤倉桂

【特選】
七夕や今年はひとり坊を守る       安藤久美
草刈るやあらくれものの蔓ばかり     宮田勝
形代のすぐに沈みて事もなし       飛岡光枝
真青なる空へひまはり幾柱        松川まさみ
山百合の白かたくなに背き合ふ      安藤久美
青山椒龍太の山の欠片かな        趙栄順
なにもかも残念な世へ昼寝覚       稲垣雄二
夏草やかつて能登にも鉄路ありき     清水薫
弁慶を呼んで曳かせん長刀鉾       清水薫

【入選】
なんとまあ小粒な土用蜆かな       川上あきこ
藁縄の解かれて涼し裸鉾         花井淳
目つむれば若き父母星まつり       安藤久美
犬小屋の前にも一つ蚊遣豚        橋詰育子
露草や一日を生きて一日老ゆ       梅田恵美子
青空に透ける半月背泳ぎす        田村史生
初蝉やまづ耳鳴りを疑ひぬ        密田妖子
ざざ降りや軒に浮かべる玉忍       飛岡光枝
鉾の縄ざつくり切りて賜りぬ       花井淳
今年竹香りて青き茶杓かな        山本桃潤
日に焼けてきらきらの眼の女の子     土谷眞理子
七夕竹あまた短冊しなひけり       田中紫春
捩花の吾にも勝る捩じれ振り       清水薫
解かれてなほ芳しき鉾の縄        花井淳
半生を過ごせし庭に端居かな       橋詰育子
無花果の葉陰大きな緑の実        山本桃潤
つぎつぎに川床に灯の入る涼しさよ    橋詰育子
茫々と昭和百年梅雨に入る        趙栄順
掌に吸ひ付いてくる茄子かな       藤倉桂

第二句座
 席題:「七夕」、「夏落葉」
・鬼川こまち選

【特選】
ふる里も母も彼方へ夏落葉        清水薫
世の移り燃やせぬ庭や夏落葉       密田妖子
ささやきに似て七夕の笹の音       松川まさみ
吾を迎ふ舟漕ぎて来よ星祭り       飛岡光枝
民主主義いまだ実らず夏落葉       趙栄順
七夕や死は銀河より遠きこと       稲垣雄二

【入選】
七夕や子らよりおほき願いごと      酒井きよみ
図書館に朝の列あり夏落葉        田村史生
七夕竹幼き兄を頼りとし         橋詰育子
ささやきに似て七夕の笹の音       松川まさみ
久々に紅さす星の手向けかな       安藤久美
戦世を嘆きしきりと夏落葉        清水薫
炎天をからからと降る枯葉かな      長谷川櫂
七夕の葉擦れさやけき冷泉家       安藤久美
車椅子止めをく岸辺夏落葉        松川まさみ
境内はかつて遊び場夏落葉        花井淳

・長谷川櫂選

【特選】推敲例
羽衣の切れ端揺るる七夕竹        稲垣雄二
寂しさの始まりならん星祭        越智淳子
七夕竹伐りしばかりを草の上       安藤久美
能登こよひ瓦礫に挿して七夕竹      川上あきこ

【入選】
今朝立てし七夕竹や夕香る        越智淳子
七夕竹幼き兄を頼りとし         橋詰育子
白波は怒濤となりぬ星の恋        趙栄順
ささやきの七夕竹の音の中        松川まさみ
夏落葉朽ちゆく家に降り積もれ      飛岡光枝
アパートへ運ぶ七夕竹高し        酒井きよみ
七夕竹三百竿のそよぎかな        近藤沙羅
吹き溜まる夏の落葉の行方かな      梅田恵美子
七夕竹立てて山家の一軒家        橋詰育子

古志祇園会句会(2025年7月17日)

俳句的生活 投稿日:2025年7月20日 作成者: dvx223272025年7月20日

※☆特特選、◎特選、○特選

第1句座

氷室茉胡選

◎居合はせし人の拍手や鉾の建つ    土佐 欣也
◎祇園会や縄を締めゆく力瘤      宮本みさ子
◎鉾屋根の衆の張り付く辻廻し     土佐 欣也
◎生稚児の誉の雨を忘れめや      田村 史生
◎見納めと思へる日まで祇園祭     越智 淳子
○乱れ世の雨風はらふ鉾柱       花井  淳
○美しきトルソーのごと裸鉾      越智 淳子
○人垣に其角もゐたり鉾祭       木下 洋子
○次々と空のまほらへ鉾建ちぬ     玉置 陽子
○注連切つて千年先へ鉾の道      安藤 久美
○降りやまぬ雨も力ぞ辻廻し      田村 史生
○鉾粽巻くや正座の京をみな      田原 眞知
○祇園囃子御所の鼬も迷ひ出て     安藤 久美
○山鉾を半分巡り胡瓜食ふ       田村 史生
○祇園会を口実にして君に会ふ     木下 風民
○宵山や案内す君にそそと寄る     木下 風民
○父母の愛かぎりなく藍浴衣      長谷川 櫂
○藍浴衣少女ほのぼの匂ひたつ     諏訪いほり

長谷川櫂選

☆人殺す長刀ならず長刀鉾       坂元 初男
◎包丁や花と開きて鱧の骨       きだりえこ
◎宵山や団扇で我を呼ぶは誰      木下 洋子
◎宵山の酔ひのたちまち寿       田村 史生
◎雨の鉾こんなに軽く廻るとは     藤  英樹
◎でで虫の力も借りて鉾廻す      きだりえこ
◎保昌山恋の粽の軽きこと       稲垣 雄二
○生稚児は水蜜桃の匂ひして      きだりえこ
○美しきトルソー立てり裸鉾      越智 淳子
○恍惚と雨しづくせり祭鉾       玉置 陽子
○鉾衆のどやしどやされ鉾立ちぬ    田村 史生
○棒切れの手足がぬつと鉾浴衣     飛岡 光枝
○宵山や漫ろ歩きの手に団扇      土佐 欣也
○人垣に其角もゐたり鉾祭       木下 洋子
○次々と空のまほらへ鉾建ちぬ     玉置 陽子
○世にひびく錫杖の音太子山      飛岡 光枝
○射干を活くるきほひも宵祭      安藤 久美
○法螺貝に山伏山の動き出づ      飛岡 光枝
○狂ほしく長刀鉾を追うてゆく     諏訪いほり
○生稚児の左右双子の禿かな      木下 洋子
○祇園会の昔を語る京の人       木下 風民
○降りやまぬ雨を力に鉾廻す      田村 史生
○雨の鉾水打たずとも廻りけり     藤  英樹
○存分に山鉾洗へ今朝の雨       きだりえこ
○穢れたるちまき戻るや鉾の裏     宮本みさ子
○目も鼻もなくて涼しき鮎の菓子    飛岡 光枝

第2句座

氷室茉胡選

◎都路の蒸せる暑さを思ひ出に     田原 眞知
◎大丸で紅引き直す宵祭        稲垣 雄二
◎鶏鉾今年ほまれの大車輪       安藤 久美
○肩上げの浴衣の少年鉦を打つ     飛岡 光枝
○まぼろしのシルクロードを鉾進む   玉置 陽子
○鉾の道何があらうと鉾すすむ     木下 洋子
○君に買ふ保昌山の粽かな       きだりえこ
○船鉾が静かに渡る雨の街       きだりえこ
○素つ気なく呆気なく鉾解かれけり   藤  英樹
○宵山や秘かに撫でる大車輪      土佐 欣也
○保昌山内緒話の舞妓かな       田村 史生
○鉾町の誇りこめたる粽かな      木下 洋子
○風狂の祭を囃す今日の雨       きだりえこ

長谷川櫂選

☆生むが安し山一番の占出山      安藤 久美
◎君に買ふ保昌山の粽かな       きだりえこ
◎コンチキチン金魚の水のゆれにけり  飛岡 光枝
○祇園会やしうねき暑さ存分に     花井  淳
○肩上げの浴衣少年鉾の鉦       飛岡 光枝
○乱れても帯は直さず宵祭       稲垣 雄二
○鉾と山すべて巡らむ心意気      氷室 茉胡
○妻留守の茄子の輪切りの一夜漬    土佐 欣也
○鉾町の誇りの空の粽かな       木下 洋子
○青笹をはらりととけば水饅頭     玉置 陽子

古志広島ズーム句会(2025年7月6日)

俳句的生活 投稿日:2025年7月6日 作成者: dvx223272025年7月6日

第一句座
矢野京子選
【特選】
不機嫌を絞り絞つて胡瓜揉        ももたなおよ
誰彼の星を探さん籐寝椅子        ももたなおよ
六月の雛さながらの御姿         長谷川櫂
ほうたるとなりて逢はんや墓じまひ    神戸秀子
音もなく地球の歪みゆく夏よ       斉藤真知子
【入選】
こんなにも熱き大地を蟻の列       斉藤真知子
わが胸の骨浮き出たる暑さかな      石塚純子
夏雲やパンダは人を記憶せず       神戸秀子
遺したきもののあれこれ箱庭に      ももたなおよ
笹の葉も吉野育ちや鮎届く        神戸秀子
茗荷の子いつから好きになつたかな    大平佳余子
一息に殺すが礼儀ごきかぶり       安藤文
人ならば笑ふなどせよ竹夫人       金田伸一
ねぎらひのビールをちよつと糠床へ    神戸秀子
煽られて風に溺るるヨットかな      長谷川櫂
電線の影さへ頼り炎暑かな        原京子

長谷川櫂選(推敲例)
【特選】
わが乳房肋浮き出る暑さかな       石塚純子
霧島も阿蘇も火を噴く大南風       加藤裕子
音たてて地球の歪みゆく夏よ       斉藤真知子
【入選】
推敲の髪切虫の容赦なく         城山邦紀
こんなにも熱き大地を蟻の列       斉藤真知子
貧なれど貪婪ならず冷し瓜        矢田民也
夏至の日の水車重たき水落す       大平佳余子
恨むなり笑ふなりせよ竹夫人       金田伸一  

第二句座(席題:泳ぐ、花火)
矢野京子選
【特選】
裸の子泳ぎはじめは盥かな        大平佳余子
病棟のカーテン全開大花火        岡村美沙子
ゆきずりの人と見てゐる遠花火      大場梅子
【入選】
遠泳を達成したる皇女かな        大場梅子
初泳ぎ祖父の犬搔き真似をして      上松美智子      
遠泳の子の白帽子一直線         今村榾火
逃ぐるがに追ふがに鼠花火かな      矢田民也
黒潮を貫き泳ぐ鯨かな          駒木幹正

長谷川櫂選(推敲例)
【特選】
ロザリオをつけ海人の子は泳ぐなり    ももたなおよ
水練の子ら金色の軀かな         瑞木綾乃
【入選】
妹が此処まで来よと立泳ぎ        ももたなおよ
こどもらは服着たるまま泳ぎをり     安藤文
満ちてくる潮かき分けて泳ぎけり     ももたなおよ
出航の花火遠のくデツキかな       斉藤真知子
湖のかそけき波よ花火果つ        高橋真樹子
逃ぐるがに追ふがに鼠花火かな      矢田民也
一億年前の噴火よ湖泳ぐ         高橋真樹子

古志仙台ズーム句会(2025年6月29日)

俳句的生活 投稿日:2025年7月1日 作成者: dvx223272025年7月1日

第一句座
長谷川冬虹選
【特選】
千年の山椒魚の昼寝かな            上村幸三
子等と立つ十国峠や夏の富士          甲田雅子
百年の母の一生茄子の花            川辺酸模
風鈴は炎の記憶鳴らしけり           三玉一郎
夏草や親きやうだいを弑し跡          青沼尾燈子
【入選】
猪垣に取り囲まるる田草採り          武藤主明
訥々と語るおばあや沖縄忌           川辺酸模
いろこの宮神のすさびの虎魚かな        齋藤嘉子
夏潮へ漕ぎ出す小舟白ふどし          石川桃瑪
青田波神と崇むる山遠く            阿部けいこ
顎はづし鼠のみこむ青大将           上 俊一
恥ぢらうて岩田帯巻く夏座敷          佐藤和子
一匹の蝿に遊ばる可笑しさよ          谷村和華子
旱雲怠けし魂の八十年             青沼尾燈子
皇后の涼しき一語一語かな           長谷川櫂

長谷川櫂選(推敲例)
【特選】
被災地の誰も帰らぬ茂りかな          臼杵政治
薫風の中に夫ゐる忌日かな           及川由美子
家しづか瓶にゆらめく青梅かな         及川由美子
杉板に焼き鮎並ぶ郡上かな           服部尚子
小屋掛けて藺田のほてりに昼寝かな       齋藤嘉子

【入選】
マスクメロン大きく切って夫を待つ       臼杵政治
藍深き切子に溢れ冷し酒            及川由美子
いろこの宮神のすさびの虎魚かな        齋藤嘉子
飯豊山の雪より白し雲の峰           佐藤和子
山椒魚千年の昼寝かな             上村幸三
百年の一生母の茄子の花            川辺酸模
忙しや古木に実梅二十キロ           齋藤嘉子
一匹の蝿に遊ばる可笑しさよ          谷村和華子
旱雲怠け怠けて八十年             青沼尾燈子
知らぬ間に枇杷の実熟るる葉蔭かな       平尾 福
夏草や親きやうだいを弑し洞          青沼尾燈子

第二句座(席題:昼寝、蛍袋、百足)
長谷川冬虹選
【特選】
きな臭き地球の隅に大昼寝           川辺酸模
うかうかと八十年を昼寝かな          齋藤嘉子
悪党になり損なひの百足かな          上村幸三
あたふたと罪を負ふかに逃ぐ百足        谷村和華子
【入選】
美しき足の運びや大蜈蚣            川辺酸模
ヘッセ詩集顔に被せて午睡かな         及川由美子
一人居の祖母よ蜈蚣に話掛け          臼杵政治
昼寝ざめ邯鄲の夢ならずとも          服部尚子
百足虫這ふどこが貌やら尻尾やら        武藤主明
昼寝覚かなしみが目を覚ましけり        三玉一郎
川音に身をゆだねたる昼寝かな         武藤主明
父母の写真の下に昼寝覚め           武藤主明
玉音のながれし地べた百足行く         上村幸三
腐葉土の百足虫の城を毀しけり         宮本みさ子

長谷川櫂選(推敲例)
【特選】
片方の足はかの世か昼寝覚           上村幸三
うかうかと八十年を昼寝かな          齋藤嘉子
家主の快癒を祈るむかでかな          三玉一郎
根付きたる蛍袋の白き花            佐藤和子
授業中微動だにせず昼寝かな          齋藤嘉子
【入選】
蛍袋見え隠れする虫の尻            谷村和華子
昼寝から覚めてうかがふ妻の顔         平尾 福
悪党になり損なひし百足かな          上村幸三
この国は八十年を昼寝かな           臼杵政治
昼寝覚かなしみが目を覚ましけり        三玉一郎
登校す蛍ぶくろを抱へては           宮本みさ子
父母の写真の下に昼寝覚め           武藤主明
玉音のながるる地べた百足行く         上村幸三
腐葉土の百足虫の城を毀しけり         宮本みさ子

古志金沢ズーム句会(2025年6月15日)

俳句的生活 投稿日:2025年6月17日 作成者: dvx223272025年6月17日

第一句座
当季雑詠
・鬼川こまち選

【特選】
一枚の月のひかりや夏布団        松川まさみ
死ぬことは脱皮かもしれず心太      土谷眞理子
あの世より取り残さるる昼寝覚      宮田勝
ひそやかに喰うて蛍の舞ひにけり     趙栄順
草笛や遠き日に触れるくちびる      清水薫
薔薇一輪夕日が崩しゐるところ      趙栄順
精霊の掛けて行きけりさるをがせ     酒井きよみ
裸の子抱けばずつしりやはらかし     藤倉桂
桜桃忌暗渠の水のがうがうと       飛岡光枝

【入選】
梅雨深し終の栖の水の星         安藤久美
氷水薔薇の香れる蜜をかけ        飛岡光枝
葉つぱごと野枇杷を瓶に花のごと     近藤沙羅
大南風子の決断を応援す         氷室茉胡
ひと雨に山は太りぬ青葉かな       松川まさみ
紅花畑腰で分け入り花を摘む       飛岡光枝
舟ゆらし太古の沼の蓴摘む        梅田恵美子
白山や逆さまに焼く大岩魚        稲垣雄二
行々子年々増ゆる放棄田よ        藤倉桂
限りある私と地球と大氷河        梅田恵美子

・長谷川櫂選

【特選】推敲例
母の鏡黴の鏡となりゆくも        飛岡光枝
一枚の月のひかりや夏布団        松川まさみ
花摘むと腰で分け入る紅花畑       飛岡光枝

【入選】
経一巻僧百人の喪の九夏         鬼川こまち
百歳の命さきはへ菖蒲の湯        宮田勝
店番をしつつ梅干す裏の庭        花井淳
死ぬことは脱皮でありき心太       土谷眞理子
死してのち了る俳句や蚊遣香       土谷眞理子
花びらの乙女の肌を薔薇のジャム     鬼川こまち
潮騒やサマードレスの胸深く       玉置陽子
かき氷薔薇の香りの蜜をかけ       飛岡光枝
ふるさとは滴る山の懐に         橋詰育子
何もかもみな厄介や昼寝せん       松川まさみ
灯明の今日まだ消せず梅の雨       清水薫
鹿の子の眸は月を映しけり        田村史生
西日濃き三畳一間わが青春        氷室茉胡
白山を逆さまに焼く岩魚かな       稲垣雄二
息入れてみよ父の日のハーモニカ     松川まさみ
かぎりある私と地球大氷河        梅田恵美子

第二句座
 席題:「簾」、「夏の蝶」
・鬼川こまち選

【特選】
目の前を夏蝶よぎる母の声        藤倉桂
いちまいの簾に分かつこの世かな     安藤久美
一茎を咥へては編む簾かな        玉置陽子
あをあをと淡海の風軒すだれ       玉置陽子
昭和果つ簾仕立の海の家         間宮伸子
簾して俗世の風を和らげん        清水薫

【入選】
青簾巻けば真夏の来てゐたり       田村史生
生と死を静かに分ける簾かな       稲垣雄二
夏蝶を追ふて峠を越えにけり       梅田恵美子
ややと寝る産後の妻や青簾        稲垣雄二
いづこより涌き來るものか夏の蝶     近藤沙羅
磨崖仏の視線をよぎる夏の蝶       土谷眞理子
山門へあざやかに飛ぶ梅雨の蝶      花井淳
我が泣くの句碑を離れず夏の蝶      清水薫

・長谷川櫂選

【特選】推敲例
一茎を咥へては編む簾かな        玉置陽子
夏蝶や雲のあはひの高山寺        安藤久美
羽ふるへ青すぢ揚羽水を吸ふ       橋詰育子

【入選】
百年の我が家愛しや青簾         藤倉桂
簾吊る心に風のなき日かな        趙栄順
お御堂をめぐりて空へ夏の蝶       花井淳
一見を拒む老舗の簾かな         越智淳子
空の道つぎつぎに來る揚羽かな      近藤沙羅
夏の蝶草に止まりぬ黒唐津        山本桃潤
浅野川ひかり遊べる簾かな        松川まさみ
湯治場をざつくり分かつ簾かな      田村史生
花もなき野をただよへり夏の蝶      梅田恵美子

古志広島ズーム句会(2025年6月1日)

俳句的生活 投稿日:2025年6月1日 作成者: dvx223272025年6月17日

第一句座
矢野京子選
【特選】
ほうたるや息吐く力吸ふ力             原京子
うつし世は去りがたき夢冷奴            今村榾火
夏山や円盤に乗り飛ぶごとく(大宰府天満宮仮拝殿) 長谷川櫂
血涙の色かとおもふ梯梧咲く            大場梅子
麦秋の声よ嗄るるなゼレンスキー          神戸秀子
【入選】
推敲や髪切虫の容赦なく              城山邦紀
わが暮し金魚の目にはつまらなく          矢田民也
米蔵の米は空つぽ青嵐               安藤文
飛梅の実梅といへばことのほか           斉藤真知子
戦なき世界見ゆるか朴の花             瑞木綾乃
初鰹氷りしままを包丁す              安藤文
ガジュマルの葉陰裸の三尺寝            臼杵政治
サングラス私を名乗る私の名            高橋真樹子
半裂の片眼潰して存へり              矢田民也
やはらかき水を枕に未草              斉藤真知子
人踏まぬ土やはらかし夏わらび           石塚純子
楼蘭の乙女の塵か霾るは              長谷川櫂
里に来て母かも知れず初蛍             駒木幹正
がまがへる仏の顔で虫喰らう            安藤文

長谷川櫂選(推敲例)
【特選】
真緑の煮梅一粒忌を修す              大平佳余子
人触れて泰山木の花腐す              今村榾火
人踏まぬ土はやはらか夏わらび           石塚純子
【入選】
冷し酒男は母を恋ふるもの             矢野京子
早苗田を右へ左へ伯備線              ももたなおよ
飛梅の実梅ときけばことのほか           斉藤真知子
戦なき世界みゆるか朴の花             瑞木綾乃
初鰹氷りたるまま包丁す              安藤文
真つ白な麻のハンカチ更衣             神戸秀子
野に森に蝶おびただし沖縄忌            神戸秀子
うつし世は去りがたき夢冷奴            今村榾火
半裂の片眼潰れて存へり              矢田民也
やはらかな水を枕に未草              斉藤真知子
あぢさゐや風が手鞠をつくごとく          矢田民也
睦五郎干潟の国を守るべく             今村榾火
ゼレンスキーの声よ嗄るるな麦の秋         神戸秀子
横綱の風格はやも五月場所             金田伸一
句作りのはかどらぬ夜を青葉木菟          安藤文
天地の静かなる田を植ゑにけり           今村榾火
白き花咲きつぐ信濃走り梅雨            石塚純子
田植歌古米古古米古古古米             大平佳余子
誰もかもスマホ見てゐる薄暑かな          安藤文
虫喰らふ仏の顔のがまがへる            安藤文
いまも来るか鎌倉駅の初燕             神戸秀子

第二句座(席題:額の花、夏布団)
矢野京子選
【特選】
額の花太宰の墓も黄昏れて             岡村美沙子
夏掛やあるかなきかに人の上            長谷川櫂
紫陽花に嫉妬してゐる額の花            安藤文
【入選】
七十のみなしご同志夏蒲団             神戸秀子
一晩中けられひねられ夏蒲団            大平佳余子
額の花重なりあふて点描画             ストーン睦美
親ふたりそして胎の子夏布団            高橋真樹子
夏蒲団デッキに干せる護衛艦            今村榾火
夏布団けふもさよならホームラン          金田伸一

長谷川櫂選(推敲例)
【特選】
七十のみなしご同志夏蒲団             神戸秀子
音立ててくる山霧に額の花             神戸秀子
親ふたりそして胎の子夏布団            高橋真樹子
【入選】
夏掛けを送ると母の手紙来る            臼杵政治
早起きの鳥が窓辺に夏布団             矢野京子
新婚の二人に選ぶ夏布団              上松美智子
夜もすがら引くも跳ねるも夏布団          駒木幹正
夏布団母は小さくなりにけり            石塚純子

「言葉の力」を体現、大岡信展 長谷川冬虹

俳句的生活 投稿日:2025年5月16日 作成者: dvx223272025年6月25日

上京の機会を利用して、5月14日、遅まきながら神奈川近代文学館の大岡信展を観た。あらためて大岡の文学世界のゆたかさ、みずみずしさを実感した。まさに「言葉の力」を信じ、再発見し、切り拓いた生涯であり、国際的なスケールで、また万葉から現代までを自在に往還・架橋し、「孤心」と「うたげ」を見事に体現した人生だったことが理解できた。

大らかで柔らかい動感に充ちた書。

大学ノートに記された詩稿のペン字・推敲の過程、葉書や書簡などは若き日の大岡の息遣いを生々しく伝える。

大岡は1931(昭和6)年生まれで、生涯の友谷川俊太郎も同年生まれである。2人の友情を伝えるコーナーも面白い。大岡たちは戦中期を生き延び、敗戦を14歳で迎え、戦後の解放感を柔らかい感性で受け止め得た世代である。私の専門は社会学だが、社会学者でも1931年生まれはとくに卓越した人材が多い。大岡もそうだが、早くから世に出た人も目立つ。既存の枠組を軽々と越境し、新たな視野からパイオニア的な仕事をするのに世代的に有利な位置を占めていたとも言える。

大岡展はまばゆいほどの刺激に充ちている。5月18日まで開催。

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読売新聞「四季」から

今年てふ未来ありけり初鏡      田辺麦甫

 これから来る時間を未来というと、何だか輝いているような気がする。それはこの言葉の音の力。美しいmとrの子音があり、aiもある。それに対して過去という言葉は最後の母音oで沈みこむ。初鏡は年が明けて初めてのぞきこむ鏡。『鳥渡る』

2月11日(水) 古志雪中ズーム句会

  • 2月11日(土)、午後1時30分から二座行います。
  • 雪の句を十句ご用意ください。席題はありません。
  • 会費は2,000円(参加者にはあとで振込口座をお知らせいたします)
  • 申込締切=1月31日
  • 古志の同人・会員でないと参加できません。

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      • 3月7日(土)朝カルズーム講座「『おくのほそ道』をよむ」」
      • 3月8日(日)鎌倉ズーム句会
      • 3月14日(土)きごさい全国小中学生俳句大会(東京、白川清澄公園)
      • 3月22日(日)金沢ズーム句会
      • 3月28日(土)朝カルズーム講座「1億人の俳句入門」
      • 3月29日(日)仙台ズーム句会

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      『「おくのほそ道」を読む 決定版』
      ちくま文庫
      1,000円+税
      2025年5月刊行


      『四季のうた ウクライナの琴』
      中公文庫
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      『長谷川櫂 自選五〇〇句』
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      『四季のうた 井戸端会議の文学』
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      『ふじさわびと』vol.26
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      『四季のうた 雨ニモマケズ』
      中公文庫
      800円+税
      2023年1月刊行


      『和の思想』
      岩波新書
      980円+税
      2022年7月刊行


      『俳句と人間』(3刷)
      岩波新書
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      2022年1月刊行


      100分de名著『おくのほそ道』(10刷)
      NHK出版
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      2014年10月刊行


      『四季のうた 美しい日々』
      中公文庫
      800円+税
      2022年1月刊行


      句集『太陽の門』
      青磁社
      2200円+税
      2021年8月刊行


      『四季のうた 天女の雪蹴り』
      中公文庫
      800円+税
      2021年1月刊行


      大岡信『折々のうた』選 俳句(二)
      長谷川櫂 編
      岩波新書
      780円+税
      2019年12月刊行


      『四季のうた 普段着のこころ』
      中公文庫
      800円+税
      2019年12月刊行


      大岡信『折々のうた』選 俳句(一)
      長谷川櫂 編
      岩波新書
      780円+税
      2019年11月刊行


      『歌仙一永遠の一瞬』
      岡野弘彦、三浦雅士、長谷川櫂
      思潮社
      2200円+税
      2019年1月刊行


      『歌仙はすごい』
      辻原登、永田和宏、長谷川櫂
      中公新書
      880円+税
      2019年1月刊行


      『四季のうた 至福の時間』
      中公文庫
      700円+税
      2018年12月刊行


      『九月』
      青磁社
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      俳句 長谷川櫂
      英訳 デイヴィッド・バーレイ&田中喜美代(紫春)
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      『俳句の誕生』(4刷)
      筑摩書房
      2300円+税
      2018年3月刊行


      『四季のうた 想像力という翼』
      中公文庫
      700円+税
      2017年12月刊行


      『芭蕉さん』
      俳句・芭蕉 絵・丸山誠司
      選句解説・長谷川櫂
      講談社
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      『四季のうた 文字のかなたの声』
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      2016年12月刊行


      藤英樹著『長谷川櫂 200句鑑賞』
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      『文学部で読む日本国憲法』
      ちくまプリマー新書
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      『日本文学全集12』松尾芭蕉、与謝蕪村、小林一茶
      松浦寿輝、辻原登、長谷川櫂選
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      『四季のうた 微笑む宇宙』
      中公文庫
      700円+税
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      『芭蕉の風雅 あるいは虚と実について』
      筑摩選書
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      『沖縄』
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      『入門 松尾芭蕉』
      長谷川櫂 監修
      別冊宝島
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      『歌仙一滴の宇宙』
      岡野弘彦、三浦雅士、長谷川櫂
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