俳句の相談 未発表句とは?
【相談】
俳句大会では「未発表」などの投句の規定があります。次のような句は規定に触れるでしょうか? 具体的な例で教えて下さい。
①小さな句会で発表した句。
②ネット句会に投句して選句された句。
③結社の会員で、結社誌の会員欄に掲載された句。
【回答】
結論からいうと内輪の句会に出した句までが「未発表句」の扱いです。それ以外、たとえば、
・句会に投句した句
・インターネットに載った句
・雑誌、新聞などに載った句
これらはすべて既発表句になりますのでご注意ください。いいかえると多数の人の目に触れる場面に一度でも出された句は、すべて既発表句ということです。これでいくと、相談の①は場合による。②③は既発表句です。
さて、ここからが本題です。
「未発表句」と限定する目的は二重投句を排除するためです。その趣旨は二重投句は選者を「試す」ことになり、礼を失するからです。単なる規則ではなく、本来は「礼」の問題であることを知っていることが重要です。ここから考えれば、どんな句が規定に触れるかがわかるはずです。
たとえば、ネットでも新聞、雑誌などでも投句して選ばれなかった句は、二重投句の証拠がないので排除されんません。しかし本来は出してはいけない句です。考えてみればわかるとおり、それは選者を試すことになり、礼儀上、許されないからです。
句会でも応募でもつねに「新作」(新しく作った句)を出すようにしてください。新作はすべて未発表句ですから、未発表句かどうかというつまらない問題で悩まなくてすみます。