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俳句的生活

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古志仙台ズーム句会(2023年1月28日)

俳句的生活 投稿日:2023年1月28日 作成者: KAI2023年1月31日

第一句座              
・長谷川冬虹選
【特選】
ピカソより画才長けたる福笑         武藤主明
加湿器は優しき言葉吐き続け         森 凛柚
鬼たちをやらひしあとのがらんどう      平尾 福
水仙やふつと力を弛めをり          谷村和華子
雪晴や銀の喇叭を吹くごとく         平尾 福
【入選】
配られし短冊真白初句会           青沼尾燈子
ときどきは猫の声する初句会         平尾 福
水仙を剪りし鋏の冷たさよ          上村幸三
大氷柱ありて氷柱のこどもかな        長谷川櫂
原発の町に並びし福達磨           甲田雅子
新色の紅を買ひたる雪女           平尾 福
葉牡丹や少し過ごしし昼の酒         平尾 福
産声や春の扉を押し開く           齋藤嘉子
大鷺のほわんと白し日向ぼこ         青沼尾燈子

・長谷川櫂選
【特選】
手繰り寄す五人がかりの凧          佐伯律子
憤懣の残骸として枯木立つ          三玉一郎
ずたずたの背骨なだめて春を待つ       川辺酸模
凧みづから糸を切りにけり          三玉一郎
極寒の海はひたすら沈黙す          佐伯律子
【入選】
配られし短冊真白初句会           青沼尾燈子
水仙を剪りし鋏の冷たさよ          上村幸三
雪捨ての車ぎりぎり崖の上          及川由美子
病む夫に野の香七草粥さます         甲田雅子
これでもう賀状仕舞ひと賀状来る       青沼尾燈子
雪晴や銀の喇叭を吹くごとく         平尾 福
梅一輪乾坤かんと響かせて          齋藤嘉子
とぼとぼとけふを愛しむ枯野道        谷村和華子

第二句座  (席題:兎、福寿草、湯たんぽ)            
・長谷川冬虹選
【特選】
あぶくまの今日の残雪白うさぎ        甲田雅子
花びらのやうな足あと兎消ゆ         佐藤和子
相応の福を賜る福寿草            平尾 福
【入選】
白兎夢から覚めてまた夢へ          三玉一郎
兎跳ね悲しきときも良きときも        森 凛柚
湯婆抱くちやぽんと海に抱かれて       谷村和華子
雪原に雪の白さの兎かな           川辺酸模
父を看とり母を看とりしたんぽかな      長谷川櫂
大小の湯たんぽ残し子は巣立ち        齋藤嘉子

・長谷川櫂選
【特選】
湯たんぽや大がふたつと小三つ        服部尚子
湯たんぽや波打つたびに眠られず       佐伯律子
湯たんぽのあばらが当たる膝頭        武藤主明
【入選】
湯たんぽやおやすみなさいと手渡され     服部尚子
地震の夜やペットボトルの湯たんぽを     佐藤和子
湯婆抱くちやぽんと海に抱かれて       谷村和華子
足もとの湯たんぽ朝は胸に抱き        上 俊一
一晩ですつからかんや兎小屋         川辺酸模
湯たんぽの石ならべたる囲炉裏端       宮本みさ子
針金をたわめて焼いて兎罠          武藤主明
湯たんぽの火傷の跡の昭和かな        武藤主明
湯たんぽや奥へ奥へと潜りこむ        平尾 福
湯たんぽや蒲団をまづはぬくめたる      齋藤嘉子
大小の湯たんぽ残し子は巣立ち        齋藤嘉子

「ふじさわびと」インタヴュー

俳句的生活 投稿日:2023年1月26日 作成者: KAI2023年3月5日

神奈川県藤沢市のタウン誌「ふじさわびと」第26号(2023年1月)にインタビューが掲載されています。「ネット投句」も紹介されています。

藤沢市内の配布場所で手に入ります。お問い合わせは「ふじさわびと」遊行通り編集室へ。

fujisawabito@gmail.com

■Webふじさわびとインタビューページ
https://www.fujisawabito.net/report/208/

■「ふじさわびと」第26号デジタル誌面
https://drive.google.com/file/d/175bTLRD6yRBBZ_02rTn75aGOyL6aa6S5/view?usp=drivesdk

きごさい+「競技かるた」日曜日朝10時から

俳句的生活 投稿日:2023年1月21日 作成者: KAI2023年1月21日

さまざまなジャンルから講師をお迎えして季節や文化に関わるお話をお聞きする「きごさい+」。今回の講師は、競技かるたの選手として活躍され、世界各地で競技かるたを広めていらっしゃるストーン睦美さんです。名人位・クイーン位決定戦の行われる1月、はるか米国バージニア州より、Zoomでご講演いただきます。ぜひご参加ください。講演の後、句会もあります。(選者:ストーン睦美、長谷川櫂)

日 時:2023年1月22日(日) 午前10:00~12:30
演 題 : 百人一首~競技かるたの世界~
講 師 : ストーン睦美(ストーン・むつみ)
プロフィール:
福井県敦賀市生まれ。アメリカ在住。競技かるたA級六段。ワシントンDCいにしへ会主宰。
日本で九年間競技かるたに取り組んだ後、結婚で1998年に米国移住。その後、英国、カザフスタン、タイ、中国に在住中、個人の活動としてかるた会設立や普及を行う。2013年から再び米国。現在は、自宅での練習会実施のほか日本語クラスやイベントで競技かるたの紹介をボランティアで行うほか、全日本かるた協会普及指導部副部長・海外窓口として、世界各地の競技かるた選手の取りまとめ役を担っている。
*講師からのひと言
競技かるたは、小倉百人一首のかるた札を使う1対1のゲームです。漫画、アニメや映画『ちはやふる』のヒットもあり、今では日本だけでなく世界各地に競技かるたクラブがあり、外国人有段者も増えています。今回は、「競技」の道具としての百人一首の捉え方、選手がどう100枚の取り札を覚えるのか、競技陣内の札の場所を短時間でどう覚えるのかなど、文学とは異なる視点からの百首の短歌との付き合い方をご紹介したいと思います。

9:45~        Zoom入室開始
10:00~11:15  講演
11:20~11:50  句会(選句発表)
11:50~12:30  長谷川櫂(きごさい代表)との対談、質疑応答

<申し込み案内>
1. 参加申し込み 1/14(土)まで
2. 参加費:きごさい会員:1000円、会員以外:2000円、会費の振込先は自動確認メールでお知らせします。
3.ズームのURL、句会の入力フォームのURLは申し込みと入金された方に1/18頃までにメールで配信します。かならずご確認ください。
4.句会:当期雑詠5句。前日1/21(土)15時までに所定のフォームから投句。選者:ストーン睦美、長谷川櫂ただし句会の参加は自由です。
5、ズームを使ったオンライン講演会・句会です。1/14(土)までに参加申し込みをすませ、1/18頃メールで配信する「ズーム入室URL」などの案内をご確認いただかないと当日視聴できません。

ネット投句のみなさんへ

俳句的生活 投稿日:2023年1月20日 作成者: KAI2023年1月20日

ネット投句、意味不明(独りよがり)の句が目立ちます。古志の会員の方はズーム句会などに参加して、このままでほかの人にわかるのか、鍛え直してください。

つねづね「俳句は発想にはじまり、推敲に終わる」と申し上げていますが、既存の発想を借りてないか、推敲は十分か、考えてください。

『四季のうた 雨ニモマケズ』できました。

俳句的生活 投稿日:2023年1月20日 作成者: KAI2023年1月31日

茶の湯とはたゞ湯をわかし茶をたてゝのむばかりなる事と知るべし 千利休

『四季のうた 雨ニモマケズ』(第15集、中公文庫)ができました。巻頭エッセイ「雨ニモマケズ」は宮澤賢治が生涯、課題とした「食物連鎖」について。

イラクの新聞、俳句と氷室茉胡さんを紹介

俳句的生活 投稿日:2023年1月16日 作成者: KAI2023年1月18日

2022年12月19日付けのイラクの新聞「アル・サバーハ」紙が俳句と氷室茉胡(古志同人、氷室真)さんを紹介しています。記事は次のとおりです。

    *

日本には俳句を競う団体がある。日本の文化団体が国際的な俳句のコンクールを始めた。俳句を国際的なものにしようとする団体がある。俳句は日本だけでなく外国にも普及している。

俳句の内容については、特にアジアの国々から批判されたこともある。それでも俳句には隠喩的、象徴的な表現があり、また俳句は様々な美的、詩的形式を取る。この俳句の形式が世界にも広まった。俳句の本家は日本だが、今では国際的になった。 国際コンクールも始まった。

東京にいたイラク人(この記事の作者)は幾つかの俳句の団体の人達に会い、彼らは俳句の重要性について語った。キムラ・トシオ氏が伝統的な俳句は自然を扱い、現代の俳句はこれを踏襲すると言う。他に伝統的な俳句に変化をもたらす人たちもいると言う。キムラ氏は800年前からあった連歌のことを言う。連歌は最初の人の歌を次の人が受ける形をとる。特に市民階級や金持ち階級で人気があった。

ホッタさんは、俳句は日常的なもので特に若い人も自分のことを表現するのに用いる、と言う。 俳句に似た和歌は7世紀からあった。150年前にルネサンスのようなものがあり、俳句も古き形式を保持しながら新しきを求めるようになった。そして日本でも外国でも盛んになった。俳句のコンクールは33もある。有名な緑茶の会社が後押ししているのもある。この会社は選ばれた俳句を製品に載せる。製品は200万箱もある。俳句会の説明があり、冊子となって結果が出るという説明もある。

京都は古い日本の首都で、寺や塔、山と水の土地である。多くの俳句は京都を描く。京都には俳句を国際的なレベルにもっていこうとする動きがある。平和を旨とする団体の大会があり 特にアラブ諸国、特にエジプト、カタール、ヨルダンなどへの 働きかけをしている。一つのコンクールでは、参加者は700人以上で、五大陸、40国を代表する。俳句の数5000句。特にアメリカ、フランス、ブラジルなどが強い興味を示す。

この記事の作者は、元裁判官の氷室真氏に会った。賞を受けた有名な俳人。氷室氏は、俳句は江戸時代に広まり、明治時代以降、若い人が興味を示したと言う。また氷室氏は俳句会の様子を説明した。参加者が選ぶこと、選者がいることなどを。(ホトトギス同人、東中乱さん訳)

古志金沢ズーム句会(2023年1月15日)

俳句的生活 投稿日:2023年1月16日 作成者: KAI2023年1月16日

第一句座(当季雑詠)
・鬼川こまち選
【特選】
らくがんやかんと打ち出す花の春     飛岡光枝
花びら餅ほのかに春の透けてをり     稲垣雄二
寒気団空の渚を軋ませて         玉置陽子
怖きことあつけらかんと手毬唄      藤倉桂
ぐいと首伸ばして寒さ払けり       密田妖子
愚かなる人の世なんの冬樹の芽      越智淳子
風花の彼岸より来て彼岸へと       氷室茉胡
愚かなる人類にして初笑         田村史生
ぼんやりと見ゆる天国薄氷        氷室茉胡
ビル群や冬青空を凸凹に         密田妖子
【入選】
厳寒の音残し去る郵便夫         花井淳
凍てし真夜いらつしゃいませと自販機   川上あきこ
初空のかなたに暗き戦地かな       間宮伸子
繭玉やそよりと戦ちかづき来       安藤久美
子の春着手伝ふ妻の春着かな       稲垣雄二
抱きしめる冬木息づく深山かな      梅田恵美子
山ひとつ雪にうもれて蕪寿し       飛岡光枝
大氷柱熱き涙をしたたらす        趙栄順
初旅や運転席の斜め横          宮田勝
地獄絵の炎となりし焚火かな       橋詰育子
松過ぎの本屋にわれを忘れをり      橋詰育子
寒卵平和祈りし掌            松川まさみ
伸び上がる鳥のかたちの樹氷かな     趙栄順
禍々しい世に喜寿てふ春あらた      越智淳子
凍星や恐竜眠る岩襖           花井淳
蕪寿し氷見の白雪連れてきし       近藤沙羅
三日はや刷毛もつ塗師の背中かな     泉早苗
四温晴れ絹裂く声で鳴き交はす      密田妖子
帯ぽんと叩けば響く春着かな       長谷川櫂
太陽に泣き出しさうや雪うさぎ      梅田恵美子

・長谷川櫂選
【特選】
山ひとつ雪にうもれて蕪寿し       飛岡光枝
踏み込みを深く深くと寒稽古       稲垣雄二
大氷柱熱き涙をしたたらす        趙栄順
振出しに戻る心地よ初句会        田村史生
三日はや刷毛もつ塗師の背中かな     泉早苗
【入選】
老犬を寿ぎ集ふ初雀           山本桃潤
まつ白な葉牡丹にあるしじまかな     間宮伸子
みな育ち座敷がせましお正月       酒井きよみ
子の春着手伝ふ妻の春着かな       稲垣雄二
白山の神の目覚むる初日かな       趙栄順
巌のごとき師の胸借りん初句会      趙栄順
きしみつつ廻る輪蔵厄払ふ        泉早苗
あらたまの光集めて蕪寿し        飛岡光枝

第二句座(席題:節分、大根干す)
・長谷川櫂選
【特選】
福豆の掌に乗りきらぬこと目出度     佐々木まき
方丈をぐるりと囲み大根干す       飛岡光枝
その奥に月もあらはれ懸大根       田村史生
大根のかくも萎れる日数かな       佐々木まき
五十年大根を干す女かな         趙栄順
【入選】
風の道ここと定めて大根干す       清水薫
節分や新人芸妓のお酌受く        花井淳
大根干す親父の背中今もなほ       清水薫
福豆の五色をえらぶ祇園下        泉早苗
大根干す白山からの風の中        清水薫
ここの村軒先どこも干大根        越智淳子
太陽や笊にきのこと干大根        梅田恵美子
痩せ村のそこだけ青き掛け大根      安藤久美
健やかに萎びて嬉し干大根        玉置陽子
大寺や太き丸太の大根稲架        酒井きよみ
年の豆一桁ひきて頂きぬ         佐々木まき
江の島のみどり遥かに大根干す      飛岡光枝

古志広島ズーム句会(2023年1月8日)

俳句的生活 投稿日:2023年1月8日 作成者: KAI2023年1月8日

第一句座              
・矢野京子選 
【特選】
初御空ウクライナまでこの青を      原京子
初鏡また一年をこの貌と         米山瑠衣
天地創造第一日目花びら餅        長谷川櫂      
坊様も熱き恋する歌留多かな       大場梅子
あと八十年しかと生きよや新成人     ストーン睦美
【入選】
師と友を仰ぐズームの初句会       金田伸一
似たくなき人の顔あり初鏡        ストーン睦美 
風花や淡き日輪また淡く         駒木幹正 
粛々と注連縄つくる親父あり       安藤文
齢重ねつくづくうまき雑煮かな      石塚純子
幻のすみれ咲かせて去りゆけり      夏井通江
新雪をぶかぶか踏んでゆく匂ひ      高橋真樹子
初せりや鮪黒ぐろ長靴も         原京子
友のうた葬りの曲は冬の旅        岡村美沙子
恩寵(のさり)てふふるさと言葉日向ぼこ 矢田民也
軍港の汽笛もて年改まる         河本秀也
どの子にもよき年となれ初日の出     米山瑠衣
雪道をゆく旧年の足の跡         長谷川櫂
大注連縄くぐりて子らの塾初め      原京子
雪分けて採りしなづなを七日粥      斉藤真知子
雪かきや筋肉痛の誇らしく        安藤文
鯛めしに三つ葉ふんはり女正月      石塚純子
目の前にありて見えざる歌留多かな    菅谷和子
大空を一瞬掴む梯子乗          城山邦紀
日にひとつ良きこと書かん日記買ふ    神戸秀子
 
・長谷川櫂選 
【特選】
似たくなき人の顔あり初鏡        ストーン睦美
二日まだ反りの残れる初暦        矢野京子
この膳のこのここのわたみな海鼠     大平佳余子
二度読みてまだみつからぬ歌留多かな   菅谷和子 
深海の音聴きながら海鼠噛む       ももたなおよ
【入選】
死に水は八海山を熱燗で         岡村美沙子
齢重ねつくづくうまき雑煮かな      石塚純子
読初や子規のゑがきし死後の景      神戸秀子
凍空や真つ赤に透ける牛の耳       高橋真樹子
幻のすみれ咲かせて去りゆけり      夏井通江
恩寵(のさり)てふふるさと言葉日向ぼこ 矢田民也
大破魔矢受けて歩まん吾が俳句      大平佳余子
目の前にありて見えざる歌留多かな    菅谷和子
二人して具の少なきも雑煮かな      河本秀也
竹馬を作りて父の試し乗り        原京子
初雪や君ゐるごとき句集かな       斉藤真知子
包丁を研ぐ音寒き夕べかな        安藤文
七草粥やさしき味にしたてけり      夏井通江
七種やこども食堂賑ひて         ももたなおよ
好きな札君と同じやいざ歌留多      菅谷和子

第二句座(席題:暖冬、初句会)
・矢野京子選 
【特選】
知らぬ人知る人になり初句会       ストーン睦美
冬ぬくしされど凍へる民あまた      大場梅子
オンラインなれば地球の初句会      大平佳余子
【入選】
鎌倉は落葉かをりて冬ぬくし       神戸秀子
暖冬の大量遭難雪崩跡          城山邦紀
太平洋越えて加はる初句会        斉藤真知子
暖冬や地球の嘆き聞き届け        安藤文
懐に自信作あり初句会          石塚純子
初句会めでたき場所で夫悼む       岡村美沙子
パソコンの塵一撫でて初句会       河本秀也
山脈の白き輝き初句会          石塚純子 

・長谷川櫂選 
【特選】
太平洋越えて加はる初句会        斉藤真知子
老骨の名乗り高らか初句会        金田伸一
この先の絆賜る初句会          駒木幹正
初句会干支のうさぎも侍りをり      矢野京子
オンラインなれば地球の初句会      大平佳余子
【入選】
暖冬に地球の未来恐れをり        伊藤靖子
砕かれし固き頭や初句会         石塚純子
初句会何はともあれ化粧して       高橋真樹子
初句会鳩サブレ―のめでたけれ       神戸秀子
突き刺さる師のひと言の初句会      城山邦紀
新しき歳時記の香や初句会        菅谷和子
懐に自信作あり初句会          石塚純子
厳しくも嬉しき指導初句会        安藤文
顔を出す旧年の句も初句会        城山邦紀
紅白の花の干菓子や初懐紙        米山瑠衣
初句会颯爽として名乗りたし       駒木幹正

ネット投句年間賞(冬)は花井淳さん

俳句的生活 投稿日:2023年1月3日 作成者: KAI2023年1月3日

 花井さんには賞品を贈ります。なお歴代の年間賞作品、ときどきごらんください。俳句づくりの指標に。

・年間賞   
歩み来る年は一人で歩む年     花井淳
   
・次点   
からうじて命の形鵙の贄      稲垣雄二
われ月と天王星と一列に      清水俊夫
折りて鶴ひらかば果てしなき枯野  松川まさみ
   
・入選   
しやくとりや深く沈みてまた一歩  梅田恵美子
りんご擦り喉へ流せし別れかな   稲垣雄二
古酒新酒なんだかんだと添ひ遂げて 佐々木まき
小鳥来る病臥の我を励ましに    安藤文
ねんねこのこの子に残す地球かな  山本桃潤
チャップリンある日怒りの冬帽子  青沼尾燈子
一輪の大きしじまや冬薔薇     三浦イシ子
何故の戦争ならむ榾真赤      玉置陽子
この星の一点に立ち独楽廻る    稲垣雄二
善人の顔して撞かん百ハつ     きだりえこ
    
*候補    
雨風に葉ごと飛び来るどんぐりよ  芳賀匙子
間引菜のいのちの丈や昨日けふ   松井恭子
干柿の日向ななめに軒深し     佐々木まき
大いなる佐渡の天地に時雨かな   安藤文
押し花の香の漂へるこの冬よ    花井淳
初冬の鈴ふるやうな日ざしかな   松川まさみ
ぽたぽたと雨を楽しむ冬木かな   安藤文
乾鮭に命つなぎし昔あり      酒井きよみ
淋しさうな木に五本ほど大根干す  藤岡美恵子
落葉掃く怒りの音を立てながら   安藤文
煮凝りの揺れて一夜の密かごと   松川まさみ
暗闇が語り始むる焚火かな     稲垣雄二
野良に生く猫の矜持や寒の月    諏訪いほり
病みゐても冬青草のやうに生く   北村和枝
大根焚寺の大屋根朝日さす     曽根崇
死ぬる日も阿呆と呼ばれ手鞠唄   川辺酸模
といつても確と三食冬ごもり    竹中南行
くろぐろと雄勝の石や初硯     長谷川冬虹
石蕗の花母は位牌となりたまふ   長谷川冬虹
去年今年闇清らかに人の声     稲垣雄二
去年今年人もコロナも生き延びて  澤田美那子
幸せの尽きることなき林檎箱    山本桃潤
金婚の妻と住む家目貼かな     山本桃潤
鬼柚子も仏顔なる湯船かな     竹中南行

*歴代の年間賞
【2022年冬】  歩み来る年は一人で歩む年      花井 淳
【2022年秋】  現世の唯一の重石原爆忌       竹中南行
【2022年夏】  七十余年隻眼で見る春の山      青沼尾燈子
【2022年春】  東京駅奥の奥まで春愁        安藤 文

【2021年冬】  綿虫の無より涌き出てさまよへり   夏井通江
【2021年秋】  いさかひし昔恥づかし墓洗ふ     川辺酸模
【2021年夏】  この初夏の素晴らしき日に何もせず  森徳典
【2021年春】  海流のぶつかる響き卒業歌      渡辺遊太

【2020年Ⅳ期】 初場所や発止と組んで花の色     齋藤嘉子
【2020年Ⅲ期】 たいくつはのつぺらぼうやマスクして 上田雅子
【2020年Ⅱ期】 したたかに生きてしわしわソーダ水  百田直代
【2020年Ⅰ期】 思想こそ国の柱よ竜の玉       山本桃潤

【2019年Ⅳ期】 さつきまで父母ゐた畳冬日差     渡辺遊太
【2019年Ⅲ期】 花木槿宇宙のすみに小さき家     夏井通江
【2019年Ⅱ期】 薩摩富士海より立ちて明易し     池田祥子
【2019年Ⅰ期】 即興の一生だった紅薔薇       柚木紀子

【2018年Ⅳ期  ちらちらと地球の骨の見えて冬    渡辺遊太
【2018年Ⅲ期】 ひるがえる奥は真暗き夏暖簾     長井亜紀
【2018年Ⅱ期】 萎えし手の母の手柄の豆ご飯     藤岡美惠子
【2018年Ⅰ期】 ひとつづつ仏の顔や種浸し      喜田りえこ

【2017年Ⅳ期】 ひきずつて親の思ひの千歳飴     澤田美那子
【2017年Ⅲ期】 海の底空の果てから土用波      越智淳子
【2017年Ⅱ期】 骨壺のそつと置かれる春の中     西川遊歩
【2017年Ⅰ期】 故郷の山に似た山餅を焼く      山本桃潤

【2016年後期】 水にあそび水にねむるや心太     長井亜紀
【2016年前期】 表より裏より風の来る団扇      井上じろ

【2015年後期】 秋といふ大きなうしろすがたかな   三玉一郎
【2015年前期】 春の野はまだかりぬひのひかりかな  松本邦吉

【2014年後期】 水打ちてみえざる炎しづめけり    岡崎陽市
【2014年前期】 初春がひとりの椀に来たりけり    加藤百合子

【2013年後期】 柳眉逆立て長き黒髪洗ひけり     佐々木まき
【2013年前期】 へそに置く団扇一本昼寝かな     神谷宣行

【2012年】   花からすうり惑星いつかまた集ふ   柚木紀子

古志仙台ズーム句会(2022年12月25日)

俳句的生活 投稿日:2022年12月26日 作成者: KAI2022年12月26日

第一句座              
・長谷川冬虹選
【特選】
冬晴や険しき顔のけさの富士         那珂侑子
赤き実の位置定まりて年迎ふ         服部尚子
億年の歯車ことん去年今年          上村幸三
安達太良の風に曝すや凍豆腐         武藤主明
洗はれて大根の股の白さかな         伊藤 寛
【入選】
白鳥の羽置くやうに着水す          武藤主明
聖樹の灯最後に消して退勤す         森 凛柚
雪景色愛でて旅人帰りけり          那珂侑子
善き事を振り返りつつ賀状書く        及川由美子
若き父の反戦のうた山眠る          服部尚子
地の底のガラスの国や霜柱          上 俊一
古暦意味不明なる〇や✕           上 俊一
ものいはぬ胡桃となつて眠らばや       長谷川櫂

・長谷川櫂選
【特選】
猫通る障子穴まで目張りかな         宮本みさ子
煙突から達磨ストーブの火の粉        伊藤 寛
存分に生きる力を初硯            川辺酸模
風花やあそこもここも店たたむ        長谷川冬虹
古暦意味不明なる〇や✕           上 俊一
【入選】
思ひ出になれない記憶帰り花         三玉一郎
聖樹の灯最後に消して退勤す         森 凛柚
五郎助や居久根の闇を守りたり        佐藤和子
百余句の絶唱悲し冬すみれ          川辺酸模
寒がりの犬を抱へて冬ごもり         平尾 福
若き父の反戦のうた山眠る          服部尚子
甌穴に水渦巻くや去年今年          齋藤嘉子
安達太良の風に曝すや凍豆腐         武藤主明

第二句座(席題:鼬、橙、福引)
・長谷川冬虹選
【特選】
橙や石垣だけの城の址            上 俊一
橙やあす退院と弾む声            佐藤和子
【入選】
福引やはずかしがりやに一等賞        那珂侑子
福引やじやんけん弱き彼の手に        及川由美子
桧葉垣や橙飾る冠木門            阿部けいこ
少年の家出いたちに見送られ         上 俊一
橙のいびつを正し供へけり          及川由美子
福引や若草の妻引き当てつ          長谷川櫂
わが古家今やあるじは鼬なり         上 俊一

・長谷川櫂選
【特選】
福引につひ力みたる君子かな         青沼尾燈子
大小はあれどみな福引きにけり        森 凛柚
酔ふたふりいたちのごとく退散す       長谷川冬虹
【入選】
橙や水神様に先づ飾り            佐伯律子
橙の一枝定めて伐りにけり          佐伯律子
妹とはしやぎて回す福引よ          谷村和華子
橙に見合ふお鏡こさへけり          宮本みさ子
野良犬が掛つてしまふ鼬罠          武藤主明
曾祖父の名を得し嬰の手に橙         服部尚子
買物す福引きの券数へては          齋藤嘉子
橙のいびつを正し供へけり          及川由美子
福引きやことんと落ちた玉は赤        服部尚子
福引の情けに貰ふティッシュかな       武藤主明
ふるさとや鼬の剥製横向きに         佐藤和子
福引の束子三個が土産かな          川辺酸模
福引は五回分あり運試し           佐藤和子
この川を渡るか鼬思案中           平尾 福
橙のめざめすがしき餅の上          甲田雅子
お供の餅より大き橙よ            武藤主明
福引や遅々と進まぬ長い列          川辺酸模

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読売新聞「四季」から

若草に口ばしぬぐふ烏かな 凡兆

 烏は悪者扱いされるが、詩歌にとっては味のある題材。芭蕉をはじめ数々の名句がある。その弟子、凡兆も烏への思い入れが一入だった。ご馳走を平らげて草の葉で嘴を拭いているところ。艶のある黒い羽が柔らかな草の緑に映えること。『嚝野後集』

 

「神宮外苑再開発計画」についてご意見をお寄せください

東京都心、神宮外苑(港区、新宿区)の再開発計画が進んでいます。再開発を計画しているのは三井不動産、明治神宮、日本スポーツ振興センター(JSC)、伊藤忠商事。

明治天皇没後、大正時代に植えた樹齢100年を超える樹木971本を伐採するという無謀な計画です。

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    2019年1月刊行


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    中公文庫
    700円+税
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    『九月』
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    1800円+税
    2018年8月刊行


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    2018年5月刊行


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    筑摩書房
    2300円+税
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    『四季のうた 想像力という翼』
    中公文庫
    700円+税
    2017年12月刊行


    『芭蕉さん』
    俳句・芭蕉 絵・丸山誠司
    選句解説・長谷川櫂
    講談社
    1500円+税
    2017年3月刊行


    『震災歌集 震災句集』
    青磁社
    2000円+税
    2017年3月刊行


    『四季のうた 文字のかなたの声』
    中公文庫
    600円+税
    2016年12月刊行


    藤英樹著『長谷川櫂 200句鑑賞』
    花神社
    2500円+税
    2016年10月刊行


    『文学部で読む日本国憲法』
    ちくまプリマー新書
    780円+税
    2016年8月刊行


    『日本文学全集12』松尾芭蕉、与謝蕪村、小林一茶
    松浦寿輝、辻原登、長谷川櫂選
    河出書房新社
    2,600円+税
    2016年6月刊行


    『四季のうた 微笑む宇宙』
    中公文庫
    700円+税
    2016年3月刊行


    『芭蕉の風雅 あるいは虚と実について』
    筑摩選書
    1,500円+税
    2015年10月刊行


    『沖縄』
    青磁社
    1,600円+税
    2015年9月刊行


    『入門 松尾芭蕉』
    長谷川櫂 監修
    別冊宝島
    680円+税
    2015年8月刊行


    『歌仙一滴の宇宙』
    岡野弘彦、三浦雅士、長谷川櫂
    思潮社
    2000円+税
    2015年2月刊行


    『吉野』
    青磁社
    1,800円+税
    2014年4月刊行
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