【特選】
秋涼しほつとくつろぐ瓜茄子 千葉 池田祥子
親の臑かじる子も亡き盆の月 神奈川 片山ひろし
*亡し
国葬や怒髪鶏頭ありぬべし 石川 松川まさみ
秋暑く人も自分も嫌ひなり 大阪 高角みつこ
名月を入るるに狭き余呉の湖 大阪 齊藤遼風
*狭し
KAI
ネット投句(2022年8月31日)特選と選評
・わからない句(伝わらない句)が多い。第三者の目で見直して。
・他人事になっているのでは。
【特選】
がうがうとおのが火を浴び大文字 大阪 安藤久美
傭兵の一人の価秋の風 大阪 山中紅萼
拾ひあげまた元に置く秋団扇 大阪 澤田美那子
星屑にまみれて眠る案山子かな 長崎 川辺酸模
朝顔のひと夜の夢のかたちかな 大分 竹中南行
上野駅で10月19日から「旅の俳句展」
「交通総合文化展2022」が今年も上野駅で10月19日からはじまります。全国から応募された写真と俳句(選者=長谷川櫂)、そのほか絵画、書、彫刻などの展示があります。気をつけてお出かけください。
・日時=2022年10月19日(水)〜24日(月)午前9時〜午後7時
・会場=JR上野駅中央改札口外グランドコンコース
・主催=日本交通文化協会
・入場無料
古志金沢ズーム句会(2022年9月19日)
第一句座(当季雑詠)
・鬼川こまち選
【特選】
猩々も出でませ加賀の菊の宴 花井淳
はつかりや加賀山中にあひまみゆ 泉早苗
ほうとしてほうほうとして良夜かな 田村史生
露草は夏の落とせし青き湖 山本桃潤
爽やかに芭蕉のわかれ説かれけり 泉早苗
一粒に甲斐のあをぞらマスカット 宮田勝
おほひなる闇よりおわら流しかな 酒井きよみ
有明の月に夜勤の手を洗ふ 稲垣雄二
戦争の届かぬ闇に今日の月 稲垣雄二
ゴダール死すや秋の日のうつろひぬ 近藤沙羅
【入選】
台風を睨む目刺の目玉かな 安藤久美
恋の未練尻尾に残す蜥蜴かな 田中紫春
鵙の声空を引き裂く青さかな 安藤久美
眠りつきはやも秋思を解かれしか 趙栄順
一日を大秋晴の金沢に 長谷川櫂
この道や湧くがごとくに花すすき 橋詰育子
潔き無頼派なりし破れ芭蕉 梅田恵美子
屋根瓦月を照らしてをりにけり 佐々木まき
こよい月雲に囃されつつ渡る 酒井きよみ
水の香にうしろ淋しき蜻蛉かな 松川まさみ
イルカショーのイルカ産休秋深し 氷室茉胡
名月はたくみに雲を捌きをり 密田妖子
加賀の松日本一や手入れせん 趙栄順
編笠の狐も踊る風の盆 酒井きよみ
太りたる芋虫眠る良夜かな 近藤沙羅
蓑虫に問ふ衣食住足りたるか 氷室茉胡
み熊野の闇は底無し稲光 玉置陽子
満月や国境なんぞ誰が引く 山本桃潤
白山を天上に置き菊の酒 花井淳
鵙高音天地あかるくなりしかな 橋詰育子
・長谷川櫂選
【特選】
今朝秋の顔して歩く女かな 趙栄順
岩なめす水のひかりや秋の昼 松川まさみ
塗椀の沈金くもる秋暑し 越智淳子
おしんこにひしほ一滴今朝の秋 佐々木まき
一陣の風吹き抜けて栗一つ 清水薫
【入選】
鰯雲かつては駅に伝言板 氷室茉胡
秋深き浮き世にかへる頭陀袋 鬼川こまち
裏山へ柿の葉鮓の葉を狩りに 田村史生
露草は夏の落とせし青き湖 山本桃潤
人間の咎引き受けて桃傷む 山本桃潤
煮冷ましてゲンノショウコや夜の秋 安藤久美
菊の湯やはれて置き去る翁杖 鬼川こまち
線香や深く眠れば大花野 田中紫春
こよい月雲に囃されつつ渡る 酒井きよみ
水の香にうしろ淋しき蜻蛉かな 松川まさみ
長々とそぞろに生きて敬老日 佐々木まき
爽やかに芭蕉のわかれ説かれけり 泉早苗
柿の実に微かな赤み生きたしや 藤倉桂
揚げ花火終はりし闇に妻とゐる 稲垣雄二
イルカショーのイルカ産休秋深し 氷室茉胡
おほひなる闇よりおわら流しかな 酒井きよみ
どうにもならぬ事考へず爽やかに 間宮伸子
編笠の狐も踊る風の盆 酒井きよみ
新涼や今朝から薬あたらしく 田中紫春
桔梗や今からの日々丈高く 藤倉桂
草の根と力くらべや秋暑し 梅田恵美子
み熊野の闇は底無し稲光 玉置陽子
竜胆や山道空へつづきけり 橋詰育子
秋風に吹かれ七十越えにけり 稲垣雄二
さはやかや肩組みてくる老病死 松川まさみ
今日の月一夜でまかん半歌仙 泉早苗
洗はれて白き花びら鱸かな 玉置陽子
白山を天上に置き菊の酒 花井淳
秋茄子の蔕に刺さるるうれしさよ 趙栄順
アルプスの水をかためてかき氷 梅田恵美子
墓仕舞ひ終へて見あぐるいわし雲 山本桃潤
一病を宝となさん菊の酒 宮田勝
第二句座(席題:秋深し、新藁)
・鬼川こまち選
【特選】
子を産むに新藁を敷く昔かな 間宮伸子
日の匂ひ月の匂ひや今年藁 趙栄順
隠れし子鬼に見つかる今年藁 田村史生
夫の老いふいに愛し秋深し 趙栄順
新藁の香を嗅ぐ犬を呼び返す 越智淳子
編み上げて福呼び込まん今年藁 田村史生
碌山の「女」を訪へば秋深し 清水薫
進みては戻る推敲秋深し 田村史生
【入選】
新藁の上へ背面跳びの子等 宮田勝
新藁で囲みてここは神の国 山本桃潤
新藁ややや湿り気の残りたる 泉早苗
新藁の塚日暮れまでかくれんぼ 梅田恵美子
新藁に寝転んで夢ふくらます 酒井きよみ
深秋の手引きに見たり遺言書 佐々木まき
新藁に座つて子の名考へり 稲垣雄二
たつぷりと新藁馬に敷きやらん 酒井きよみ
秋深む我が家で終を迎へたし 密田妖子
母さんと同じ匂ひや今年藁 趙栄順
軒に積む薪に木の香や秋深し 稲垣雄二
金沢や新藁の香のどこよりぞ 長谷川櫂
新藁で編んでくれたる草履かな 橋詰育子
新藁の束さはさはと捌きけり 長谷川櫂
新藁で焼きし鰹のたたきかな 橋詰育子
・長谷川櫂選
【特選】
日の匂ひ月の匂ひや今年藁 趙栄順
いろいろの事かたづきて秋深し 橋詰育子
秋深き生まるる雲の行方かな 宮田勝
進みては戻る推敲秋深し 田村史生
秋深し八十のこころ柔らかに 山本桃潤
【入選】
子を産むに新藁を敷く昔かな 間宮伸子
新藁で囲みてここは神の国 山本桃潤
駅裏にうまき蕎麦屋や秋深し 安藤久美
秋深し一人の暇に茶をたてて 佐々木まき
たつぷりと新藁馬に敷きやらん 酒井きよみ
母さんと同じ匂ひや今年藁 趙栄順
血圧の今朝は正常秋深し 清水薫
新藁で編んでくれたる草履かな 橋詰育子
新藁であぶる魚や藻塩振る 泉早苗
入相の田に新藁の山一つ 花井淳
新藁をたっぷり犬の初産に 山本桃潤
新藁にとびこんで遊びしことも 酒井きよみ
古志広島ズーム句会(2022年年9月4日)
第一句座
・矢野京子選
【特選】
気持ちのいい朝だ帰燕だ散歩せん ももたなおよ
大団扇星も踊れと囃したる 河本秀也
破れ芭蕉もつと破れてみたきかな 斉藤真知子
鉢の子にさらさらこぼれ今年米 大場梅子
踊笠誰と誰とが筒井筒 長谷川櫂
【入選】
秋灯や母は子を待つ何時までも 林弘美
ばりばりと地軸裂くごと西瓜かな 米山瑠衣
今朝秋の水を満たして洗面器 飛岡光枝
山国の日は粗あらし蕎麦の花 石塚純子
焼き上がる秋刀魚を待てるかぼすかな 斉藤真知子
丈高き紫苑がぬつと虚子寓居 石塚純子
息入れてひらく封筒稲の花 神戸秀子
虫すだく荒地や開発始まる 上松美智子
朝顔のさぐりあぐねしみ空かな 矢田民也
道幅を自在に漢の踊りかな 河本秀也
・長谷川櫂選
【特選】
吹く風のきらめきて梨実りけり 夏井通江
虫売りは虫の闇へと帰りけり 神戸秀子
良き夢をみてゐる桃をもぎにけり 斉藤真知子
【入選】
がんばれどわが詩つたなし唐辛子 夏井通江
ひるがへる夜干しの烏賊の白さかな 菅谷和子
気持ちのいい朝だ帰燕だ散歩せん ももたなおよ
検査につぐ検査に耐ふと言ふ残暑 石塚純子
焼き上がる秋刀魚を待てるかぼすかな 斉藤真知子
地引き網バケツ一杯沙魚貰う 岡村美沙子
停戦のいまだにみえず秋刀魚焼く 安藤文
天国へつづく花野があるといふ 大場梅子
桃すする女の乳房吸ふごとく 安藤文
白桃の傷つきし実をそつと剥く 斉藤真知子
鉢の子にさらさらこぼれ今年米 大場梅子
第二句座(席題:柿、霧)
・矢野京子選
【特選】
かき分けて霧柔らかにしたたかに 原京子
ほどほどに忘れられたる熟柿かな 高橋真樹子
霧襖ぬけて阿闍梨となりたまふ 大平佳余子
【入選】
柿の実の全き硬さかりかりと 原京子
柿の木に幼の我の記憶かな 斉藤真知子
朝霧や鹿すぐそこにいる気配 ストーン睦美
東京のまだ眠りゐる霧の中 飛岡光枝
霧うごき百頭の牛現はれし 飛岡光枝
霧深き街灯一つ又一つ 長谷川櫂
霧晴れてみれば見えなくなる君よ ももたなおよ
・長谷川櫂選
【特選】
山柿や夜な夜な喰うてゆけるもの 米山瑠衣
朝霧や鹿すぐそこにいる気配 ストーン睦美
東京のまだ眠りゐる霧の中 飛岡光枝
【入選】
柿の実の全き硬さかりかりと 原京子
柿取りの竿の手入れのきのふけふ 矢野京子
柿摘果一つ一つに登り降り 上松美智子
吹きつのる甲斐の山風吊るし柿 菅谷和子
俳諧やいたる所に柿の渋 城山邦紀
放牧の牛馬も霧にまみれけり 斉藤真知子
ネット投句(2022年8月15日)選句と選評
【特選】
空にまだ希望が映る二重虹 北海道 村田鈴音
*希望が残る?
蝉採りの子らがくすぐる古木かな 東京 岡田定
攻めし国かならず負ける敗戦忌 神奈川 越智淳子
夏惜しむ鴎の餌を空に撒き 神奈川 松井恭子
亡き人に甘えてばかり盆の月 神奈川 中丸佳音
掌のくぼみに眠る空蝉よ 新潟 高橋慧
かすむままこの目使はん天高し 長野 金田伸一
麦の秋バンドゥーラ弾きも戦場へ 岐阜 三好政子
あれも捨てこれも手放し白団扇 京都 諏訪いほり
継承の目途立たぬ墓洗ひをり 京都 氷室茉胡
我らより我に戻るや衣被 奈良 喜田りえこ
良く食べるお精霊さまや盂蘭盆 奈良 喜田りえこ
味噌汁の湯気を目で追ふ今朝の秋 岡山 北村和枝
現世の唯一の重石原爆忌 大分 竹中南行
ネット投句(2022年7月31日)選句と選評
・句はわかるようにお作りください。
・わからないのは読者ではなく作者に原因あり。
・他人の目で読み直すこと。
【特選】
秋暑し今宵も恃む古る枕 神奈川 湯浅菊子
鷹山の曳き手装束空の青 石川 花井淳
夕立やビニール傘の滝の中 石川 松川まさみ
朝涼の熱きみそ汁熱き飯 岐阜 夏井通江
どたと寝て死ぬるを待つや犬の夏 愛知 青沼尾燈子
往生はちよいと待たせて鰻食ふ 京都 諏訪いほり
くれなゐは思ひ出の色夏氷 大阪 安藤久美
腹這ひてあさましき顔見る泉 大分 山本桃潤
ネット投句(2022年7月15日)特選と選評
【特選】
うつくしやいのち奪ひし大雪渓 神奈川 三玉一郎
大悪人溽暑にまみれここにあり 愛知 青沼尾燈子
ありがたき北野の梅も干されたり 京都 佐々木まき
煽ぐより開くたのしみ京扇子 京都 佐々木まき
恐ろしき千歳の闇へもどり鉾 和歌山 玉置陽子
ネット投句(2022年6月30日)特選と選評
【特選】
刻まれし名前に触るる沖縄忌 埼玉 上田雅子
沖縄はさまよふ空母六月忌 神奈川 三玉一郎
風鈴ののたうち回る暑さかな 新潟 安藤文
掃除機で蟻吸つてゆくさびしさよ 新潟 安藤文
すれ違ふ人みな静か大祓 新潟 高橋慧
合歓の花雨をまばゆくしてゐたり 石川 松川まさみ
業平忌蛙のあまた鳴く夜かな 岐阜 梅田恵美子
はらわたは清らにま白鮎の菓子 京都 諏訪いほり
水無月の菓子の白さのあはれかな 大阪 高角みつこ
おどろいて胡瓜も肥る暑さかな 大阪 澤田美那子
火取虫こころ盗みて飛びゆけり 奈良 喜田りえこ
眠りつつ莟みてゐるや麹黴 和歌山 玉置陽子
高気圧ふたつ襲つてきて猛暑 長崎 ももたなおよ
ネット投句(2022年6月15日)特選と選評
【特選】
柚の花の散りて翡翠の玉ひとつ 大阪 澤田美那子
蛇の衣かつとこちらを見てをりぬ 兵庫 藤岡美恵子
雨蛙もの干し竿に並びたり 奈良 中野美津子
脛すすぐ早乙女ひとり月の中 長崎 川辺酸模
万緑やたつぷり乳の出る乳房 大分 山本桃潤
世直しの夜明のやうに代田かな 大分 竹中南行
