古志鎌倉句会(2019年2月10日)
兼題=龍太忌
席題=薄氷 、絵踏
【特選】
龍太句集から一片の落花かな 一郎
春の道これも山廬へつづく道 一郎
深々と埋火ひとつ龍太の忌 光枝
龍太忌や花香りくる雲の奥 光枝
つつましき国たりしころ針供養 英樹
わが影にすこし閉ぢたり福寿草 英樹
クリムトの接吻の春来たりけり 梅子
うすがみの小さき聖母を踏まさるる ひろし
白鳥の百花ゆらして春立ちぬ 遊歩
【入選】
土壁に春を塗り込む左官かな 一郎
思ひ浮かべるたびに山廬は春の山 一郎
薄氷を浮かべて眠る刀かな 一郎
春風や鰻のたれも龍太製 麒麟
火の如く氷の如く踏絵あり 麒麟
嘆きつつ回る地球や鳥の恋 幸三
白魚にふるへる心一つあり 幸三
龍太忌や甲斐の山川詩をうたふ 宣行
春寒や小肌にまぶす粟の粒 宣行
龍太忌や誰かが呉れし山廬の図 ひろし
白梅の志あり龍太の忌 ひろし
紅梅にすこし間のある龍太の忌 秀子
龍太忌の何処もあふれ雪解水 光枝
簗ひとつなほも崩して雪にごり 美津子