古志軽井沢句会 2017年8月20日
*第一句座
【特選】
高原の草刈る人や霧まみれ 光枝
けさ秋の水におどろく軽井沢 英樹
戦争を見おろしてゐる雲の峰 善子
【入選】
浅間なる鬼の栖を秋の風 俊一
しんかんと山荘はあり木の実落つ 梅子
けふ一日浅間は見えず夏薊 光枝
けふ一日母を離れん草紅葉 光枝
青柿の落つる音きく夜風かな 英樹
誰が投げし小石の水輪夏の果 美津子
竹そよぎ立つごとサマードレスかな 遊歩
木漏れ日のその一皿はところてん 松太
山霧のうすれるあたり人の声 慧
たつぷりのバターで焼かん大岩魚 松太
杖曳いて浅間の花野ゆく牧水 遊歩
探鳥のレンズを並べ夏野かな 慧
こほろぎの出できて遊べ苔の庭 きよみ
勾玉をかざせば胸に稲つるび 二本
野鳥の会発祥の沢烏瓜 遊歩
*第二句座
【特選】
信州やなんと大きな水蜜桃 英樹
かぐはしき胸の谷間を玉の汗 松太
淋しさの我も蘆刈る男かな 英樹
焼きしめて錆鮎の錆び旨かりし 英樹
秋草のすでに乱るる信濃かな 二本
手袋を焦がす火の粉や鮎を焼く 遊歩
旅人の杖を休めし露の石 きよみ
ひぐらしの声一本の放物線 二本
なめくぢの食ひちらかせし茸かな 善子
浅間妙義秋の雷かけまはれ きよみ
行き暮れてかたへに眠る月見草 英樹
露草を手折れば露となりにけり 英樹
天地の力ゆるびて雲の秋 きよみ
【入選】
落葉松の林が好きな茸かな 善子
ばさばさと夜風の煽る秋簾 善子
寝ころびて星流るるを待つ夜かな 慧
人去つて高原に秋来たりけり 梅子
紅の目にしむ深さ秋の風 淳子
溶岩の下に村あり秋の風 俊一
山の日を一身に受け案山子かな 善子