ネット投句(2019年3月15日)選句と選評
・ただごとの句にならないように。
・できた句は見直しを。
【特選】
自ずから鳴き出しさうな鶯笛 11_埼玉 森凜柚
あけぼのや二つながらに春の星 13_東京 外澤桐幹
縄文の土偶は妊婦山笑ふ 13_東京 櫻井滋
臥すままに髪のよごるる春の風邪 14_神奈川 高橋佳代
大きな春水平線の向かうから 14_神奈川 三玉一郎
いつまでも校庭に居る卒業生 14_神奈川 山本孝予
部屋ごとに畑で咲きし黄水仙 21_岐阜 三好政子
蛤をふたつ買ひ来て雛祭 27_大阪 内山薫
平成の早懐かしき雛納め 27_大阪 木下洋子
干鱈を金槌で打つ昼の酒 27_大阪 齊藤遼風
@打ち?
【入選】
完璧に春のキャベツの身籠めり 01_北海道 芳賀匙子
@身籠れり
さめざめと雪しずく落つ渇きかな 01_北海道 芳賀匙子
@渇き?
クロッカス咲きたる庭に師の訃報 04_宮城 長谷川冬虹
媼泣けり土葬不憫と震災忌 04_宮城 長谷川冬虹
木の根開き妖精はチェロ奏づらむ 05_秋田 佐藤一郎
@妖精はチェロ弾き木の根開きけり、など形を考える。頭の柔軟体操を。
地にあまた耳澄ますもの春の雨 07_福島 渡辺遊太
野の目覚め窺ふごとく初音かな 07_福島 渡辺遊太
@ごとく 不要。
春の空クレーンが吊るビルの壁 11_埼玉 上田雅子
風になり空になり花ふぶきけり 11_埼玉 上田雅子
アパートに入居したての石鹸玉 11_埼玉 森凜柚
やはらかき紙に包めるつくづくし 11_埼玉 牧内麻衣
麗かや白砂青松バスの旅 12_千葉 菊地原弘美
二度三度つぼみ見にゆく桜かな 12_千葉 若土裕子
仲良しは子雀三羽うちの二羽 12_千葉 森住昌弘
おぼろ夜の地に下りている鬼瓦 13_東京 岡 恵
@下ろされて
早起きのサッカー少年初音かな 13_東京 外澤桐幹
朝採りや実のやや固き春苺 13_東京 柴田清栄
@固し
春星や声帯とるなら尊厳死 13_東京 松宮京生子
ほとばしる炎や薔薇芽湧き出づる 13_東京 神谷宣行
@再考を。
原発忌黙の大地に黙の春 13_東京 神谷宣行
野辺に膝ついて声聴く菫かな 13_東京 西川遊歩
@土に
公園の薄氷割りて父偲ぶ 13_東京 長尾貴代
杉花粉のまるでドームや下山道 13_東京 徳武信子
@の、不要。
横切りて何の足跡雪間草 14_神奈川 金澤道子
@りし
好きになることの始まりすみれかな 14_神奈川 三玉一郎
花桃の枝伐る音や母の郷 14_神奈川 水篠けいこ
大黒の和讃の声や大椿 14_神奈川 水篠けいこ
@どちらも、や、再考。
透けてみる小籠包や春ひかる 14_神奈川 湯浅菊子
@透けてゐる、春ひかる 再考。
わが揺れて富士はうごかず春の航 20_長野 金田伸一
@われ
天国で白魚と遊んでをられるか 21_岐阜 夏井通江
その人のしづかに消えて余寒かな 21_岐阜 夏井通江
@消えし、さびしい句ですねえ。
春来る未だ身の丈の高さかな 22_静岡 池ヶ谷章吾
@にて、か。
づけづけとものを言ふ妻山椒の芽 26_京都 氷室茉胡
@づけづけと句にする夫?
雛納め決まったかしら新元号 27_大阪 福田弘子
@新元号決まつたかしら
目借時振出しとなる会議かな 27_大阪 木下洋子
煎茶汲む花が雫をこぼすごと 27_大阪 澤田美那子
来年は子に任さんと雛納む 27_大阪 澤田美那子
春愁といふといへども杉の花 27_大阪 澤田美那子
@といふと 不要。
はくれんのたゆたふ恋のひと夜かな 27_大阪 齊藤遼風
宙に置く大きな夢やつくしんぼ 28_兵庫 千堂富子
生れしもの励ましながら春の水 28_兵庫 藤岡美惠子
死が吾の後ろで笑ふ日永かな 29_奈良 喜田りえこ
遍路鈴朝な夕なに聴きつ棲む 37_香川 丸亀葉七子
ふるさとは遠縁ばかり鳥雲に 37_香川 曽根崇
@鳥雲に、安易。
ひなかざりこの家の春えいえんに 38_愛媛 岡崎陽市
初蝶が飛んでもとんでも春日野よ 38_愛媛 岡崎陽市
@春日野、再考。
苦き日の風の匂ひや卒業期 42_長崎 川辺酸模
@若き
吾も白髪たらちね送る桜かな 43_熊本 筑紫秋蘭
@母送る吾も白髪
どどどどと水音春の鼓動かな 44_大分 山本桃潤
春眠やICUに高いびき 44_大分 山本桃潤