↓
 

俳句的生活

長谷川櫂のサイト

カテゴリーアーカイブ: 「四季」から

投稿ナビゲーション

← 古い投稿
新しい投稿 →

読売新聞「四季」から35

俳句的生活 投稿日:2015年8月15日 作成者: KAI2015年8月28日

生涯にまはり燈籠の句一つ  高野素十

ある人への追悼句。訃報を聞いて、故人にまわり燈籠のいい句があったのを思い出した。まわり燈籠は走馬灯ともいう。蝋燭の上昇気流で影絵が影絵を追って回る。その人の生涯のある夜の暗がりでまわり燈籠が一つゆっくり回っている。『初鴉』

読売新聞「四季」から34

俳句的生活 投稿日:2015年8月2日 作成者: KAI2015年8月15日

夏痩もねがひの中のひとつなり  如真

夏痩でもいいからほっそりとなりたいのが女心。現代風俗かと早合点しそうだが、芭蕉七部集のひとつ「続猿蓑」にある。夏痩で面やつれした女性が「恋の病じゃないの」なんて、からかわれていたりするのも、夏の終わりらしい風情。『続猿蓑』

読売新聞「四季」から33

俳句的生活 投稿日:2015年7月15日 作成者: KAI2015年8月1日

口なしの淋しう咲けり水のうへ  青蘿

 水の上に伸びた枝に梔子の白い花が開いた。青蘿は蕪村の一世代あとの人。姫路藩士だったが、身持ち不慎のゆえに二十代で藩を追われ、頭を丸めて俳諧師となった。生まれつきの腕白者が見つけた梔子の淋しさ、と知れば味わい深い。『青蘿発句集』

読売新聞「四季」から32

俳句的生活 投稿日:2015年7月6日 作成者: KAI2015年7月15日

神田川祭の中をながれけり     久保田万太郎

 東京のかつての中心神田の町を横に流れる神田川は柳橋で隅田川に合流する。柳橋は花街のあったところである。句は近く榊神社の夏祭り。万太郎は隣の浅草で生まれた。子どものころの思い出の中から聞こえる遠い昔の祭りのざわめき。『道芝』

読売新聞「四季」から31

俳句的生活 投稿日:2015年6月28日 作成者: KAI2015年7月7日

子育ての大声同志行々子  加藤楸邨

 誰が名づけたか、行々子(仰々子)とは葭切のことである。うるさいくらいよく鳴くのでこの名を賜った。句は、わが家もあの家も子育て最中で葭切の親子のように賑やかというのだろう。育児に追われてつい大声になるのは人も鳥も同じ。『怒濤』

読売新聞「四季」から30

俳句的生活 投稿日:2015年6月22日 作成者: KAI2015年7月15日

若竹や竹より出でて青き事  北枝

 初夏に生えた筍は日に日に伸びて、やがて若竹となる。古い竹に交じって、薮のあちこちに若竹がすいすいと立っているのだろう。視野を縦に切るみずみずしい緑の幹。「青は藍より出でて藍より青し」という荀子の言葉を下敷きにした。『草苅笛』

読売新聞「四季」から29

俳句的生活 投稿日:2015年6月16日 作成者: KAI2015年6月22日

鵜とゝもにこゝろは水をくゞり行  鬼貫

 「鵜飼」と前書がある。水に潜っては鮎を追う鵜を眺めるうち、自分も水中を自在に泳ぎまわっているような気がしてきた。敏捷な鵜の動きも作者の心の躍動も描き出す。「とゝ」「こゝ」「くゞ」という音の繰り返しが軽快なリズムを刻む。『鬼貫句選』

読売新聞「四季」から28

俳句的生活 投稿日:2015年6月8日 作成者: KAI2015年6月16日

くちびるのあけの珠実の桜桃に山霧の降るころかとおもふ 河野愛子

 思い出の中からいつかどこかで見た桜ん坊畑が浮かび上がる。山霧に濡れる朱い実が艶やか。「くちびるの」は「唇のように」の意味だが、生身の唇が時の彼方の桜ん坊に触れ、霧に濡れるかのような肉感がある。『光の中に』

読売新聞「四季」から27

俳句的生活 投稿日:2015年6月3日 作成者: KAI2015年6月8日

越後屋に衣さく音や更衣  其角

 越後屋は日本橋駿河町にあった呉服屋。常識を破った現金払いの店頭売りで大繁盛した。三越百貨店の前身である。その越後屋の店先で更衣を前に夏物の布地を裁つ音が涼しげに響く。昔も今も江戸を詠んで其角の右に出る人はいない。『浮世の北』

読売新聞「四季」から26

俳句的生活 投稿日:2015年5月26日 作成者: KAI2015年6月3日

早鞆の風に口あけ燕の子 飴山 實

 関門海峡の瀬戸内側の入口が早鞆の瀬戸である。潮流が速く、昔から難所として舟人に恐れられた。壇之浦の合戦の舞台として知られる。海風の中、燕の雛たちは大きな口を開けて親鳥に餌をねだる。「早鞆の風」というと風も勢いがいい。『花浴び』

投稿ナビゲーション

← 古い投稿
新しい投稿 →

読売新聞「四季」から

良寛の天といふ字や蕨出づ     宇佐美魚目

 良寛は少年に頼まれて凧に「天上大風」と書いた。天上の大風に乗って空高く舞い上がれと願いをこめて。四字とも漢字だが、ひらがなのようにのびのびしている。その自由自在な書体に春、大地から萌え出る早蕨の気配を感じての一句。『秋収冬蔵』

いどばた歌仙のサイトへ

吉野山歳時記2025年版ダウンロード

祇園祭歳時記2024年版ダウンロード

メニュー

  • 長谷川櫂のプロフィール
  • スタッフ
  • お問い合せ
  • 管理

ズーム句会申込

ズーム句会に参加したい人は、こちらからお申し込みください。ただし、古志の会員・同人であることが条件です。

「古志ネット講座」申し込み

スカイプ・ズームを利用した講座で、全国、海外どこからでも参加できます。
ご希望の講座の定員(25人)に空きがない場合、
「ウェイティング」に登録されます。
なお参加できるのは古志会員だけです。

    お名前 (必須)


    郵便番号 (必須)


    ご住所 (必須)


    お電話番号


    メールアドレス (必須)


    古志の会員以外は参加できません。
    古志の会員ではありません。古志の会員です。
    参加を希望する講座にチェックを入れてください。
    花の浪花の読書会『折々のうた』600句を覚えよう!30分で学ぶ俳句の歴史皆でよむ「飴山實全句集」ワークショップ大岡信著「『詩人・菅原道真 うつしの美学』を読む」

    古志ネット講座一覧

    これからのイベント

    • 3月8日(日)鎌倉ズーム句会
    • 3月14日(土)きごさい全国小中学生俳句大会(東京、白川清澄公園)
    • 3月22日(日)金沢ズーム句会
    • 3月28日(土)朝カルズーム講座「1億人の俳句入門」
    • 3月29日(日)仙台ズーム句会
    • 4月4日(土)朝カルズーム講座「1億人の俳句入門」
    • 4月5日(日)広島ズーム句会
    • 4月11日(土)朝カルズーム講座「『おくのほそ道』をよむ」」
    • 4月12日(日)鎌倉ズーム句会
    • 4月13,14日(月、火)吉野山句会
    • 4月19日(日)金沢ズーム句会
    • 4月26日(日)太宰府天満宮奉納全国俳句大会
    • 4月29日(水、昭和の日)仙台ズーム句会

    俳句世界遺産への意見

    俳句世界遺産の問題について、ご意見を「お問合せ」からお寄せください。賛否にかかわらず、有意義な意見はこのサイトで紹介します。

    お気に入り

    • 古志
    • きごさい歳時記
    • きごさいBASE
    • 中譯 櫂200句
    • 長谷川櫂をよむ
    • カフェきごさい
    • 大岡信研究会
    • 俳句翻訳サイト
    • 青磁社
    • TAGS WKGPTY
    • やまゆり倶楽部
    • TSUJIMURA / Cafe Kiton
    • こよみのページ
    • red moon press

    検索


    『「おくのほそ道」を読む 決定版』
    中公文庫
    800円+税
    2026年2月刊行


    『「おくのほそ道」を読む 決定版』
    ちくま文庫
    1,000円+税
    2025年5月刊行


    『四季のうた ウクライナの琴』
    中公文庫
    800円+税
    2025年1月刊行


    『長谷川櫂 自選五〇〇句』
    朔出版
    2200円+税
    2024年4月刊行


    『四季のうた 井戸端会議の文学』
    中公文庫
    800円+税
    2024年1月刊行


    『小林一茶』
    河出文庫
    800円+税
    2024年1月刊行


    『ふじさわびと』vol.26
    株式会社ふじさわびと
    無料配布
    2023年1月発行


    『四季のうた 雨ニモマケズ』
    中公文庫
    800円+税
    2023年1月刊行


    『和の思想』
    岩波新書
    980円+税
    2022年7月刊行


    『俳句と人間』(3刷)
    岩波新書
    860円+税
    2022年1月刊行


    100分de名著『おくのほそ道』(10刷)
    NHK出版
    1,000円+税
    2014年10月刊行


    『四季のうた 美しい日々』
    中公文庫
    800円+税
    2022年1月刊行


    句集『太陽の門』
    青磁社
    2200円+税
    2021年8月刊行


    『四季のうた 天女の雪蹴り』
    中公文庫
    800円+税
    2021年1月刊行


    大岡信『折々のうた』選 俳句(二)
    長谷川櫂 編
    岩波新書
    780円+税
    2019年12月刊行


    『四季のうた 普段着のこころ』
    中公文庫
    800円+税
    2019年12月刊行


    大岡信『折々のうた』選 俳句(一)
    長谷川櫂 編
    岩波新書
    780円+税
    2019年11月刊行


    『歌仙一永遠の一瞬』
    岡野弘彦、三浦雅士、長谷川櫂
    思潮社
    2200円+税
    2019年1月刊行


    『歌仙はすごい』
    辻原登、永田和宏、長谷川櫂
    中公新書
    880円+税
    2019年1月刊行


    『四季のうた 至福の時間』
    中公文庫
    700円+税
    2018年12月刊行


    『九月』
    青磁社
    1800円+税
    2018年8月刊行


    『Okinawa』
    Red Moon Press
    $15
    俳句 長谷川櫂
    英訳 デイヴィッド・バーレイ&田中喜美代(紫春)
    2018年5月刊行


    『俳句の誕生』(4刷)
    筑摩書房
    2300円+税
    2018年3月刊行


    『四季のうた 想像力という翼』
    中公文庫
    700円+税
    2017年12月刊行


    『芭蕉さん』
    俳句・芭蕉 絵・丸山誠司
    選句解説・長谷川櫂
    講談社
    1500円+税
    2017年3月刊行


    『震災歌集 震災句集』
    青磁社
    2000円+税
    2017年3月刊行


    『四季のうた 文字のかなたの声』
    中公文庫
    600円+税
    2016年12月刊行


    藤英樹著『長谷川櫂 200句鑑賞』
    花神社
    2500円+税
    2016年10月刊行


    『文学部で読む日本国憲法』
    ちくまプリマー新書
    780円+税
    2016年8月刊行


    『日本文学全集12』松尾芭蕉、与謝蕪村、小林一茶
    松浦寿輝、辻原登、長谷川櫂選
    河出書房新社
    2,600円+税
    2016年6月刊行


    『四季のうた 微笑む宇宙』
    中公文庫
    700円+税
    2016年3月刊行


    『芭蕉の風雅 あるいは虚と実について』
    筑摩選書
    1,500円+税
    2015年10月刊行


    『沖縄』
    青磁社
    1,600円+税
    2015年9月刊行


    『入門 松尾芭蕉』
    長谷川櫂 監修
    別冊宝島
    680円+税
    2015年8月刊行


    『歌仙一滴の宇宙』
    岡野弘彦、三浦雅士、長谷川櫂
    思潮社
    2000円+税
    2015年2月刊行


    『吉野』
    青磁社
    1,800円+税
    2014年4月刊行
    ----------

    そのほかの本

    ©2026 - 俳句的生活
    ↑