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なぜ575なのか

短歌もそうですが、俳句は575のリズム、5拍と7拍の組み合わせのリズムでできています。
なぜ5拍、7拍なのか。
これは俳句だけでなく古くからの日本の詩歌の大問題です。
日本は海に浮かぶ島国ですから、大昔、人類がこの島にたどりつくには舟を使うしかなかった。
それも1日か2日ではなく、数か月、ときには何年もかかる舟旅です。
舟を操るには櫓や櫂を漕ぐわけですが、このとき櫓、櫂に合わせて歌うのが舟歌です。
5拍、7拍のリズムはもともと舟歌のリズムだったのではないか。
この舟歌のリズムが日本に定着したあとも人々の心にずっと残っていて、やがて和歌の調べとなり、のちに俳句が生れてきた。
私はそう考えています。
*参考=長谷川櫂『海の細道』中央公論新社