水俣忌の巻/初裏/七 再募集③
四 迷路の奥に首相応接室 慧(雑)
五 拉致されてじき五十年月氷る 一郎(冬・月)
六 日本海に沈む太陽 光枝(雑)
七 歌ひつつ紅花を摘む乙女らは 陽子(夏)
次へ。
【付句候補】
◯
歌ひつつ紅花を摘む乙女たち
△
✖︎
防波堤松千本の趣なし
砂浜に忘れられたるサングラス
上がろうと見上げ声かけ千枚田
領空を侵略してくる軍用機
望郷をうたひし孤島冬怒涛
寒風に向かひ空手部ランニング
白壁に屋根高々とうだつあり
登録に打ち上げ花火二万発
結び目のゆるびてをりぬ赤い糸
列島にどかと環状降水帯
夜の底月下美人の花開く
ズワイガニおねだりが過ぎケチがつき
あの島も基地を残して返されて
蝋燭の炎ゆらめく能舞台
親不知子不知渡る翁たち
島影をはるかに一夜酌み交はす