水俣忌の巻/初裏/三 再募集①
六 たわわに熟るる無花果の乳房 陽子(秋)
【初裏】
初句 モンローの唇吸はん熟れ葡萄 遊歩(秋・恋)
ニ 大統領の寝息やすらか 松太(雑)
三
ここは自然詠しかないところ。
なぜかは自分でお考えください。
再募集。
【付句候補】
⚪︎
△
×
二国間ホットラインは増えれども
ドーベルマン飼ふ男みな小心と
母の名をつけて爆撃エノラゲイ
影武者が本物となり威張るらし
弾丸はひゅうと胸を貫きて
愛妻の弁当ずしりと革かばん
純金の己が棺を用意して
黄金の時代夢見る侵略者
銃撃の音一斉に鳩が立つ
照準器にピタリこめかみ合わされり
きな臭き情報の飛ぶ冷戦下
忖度の上手い取り巻き蠅のごと
壁際で殺虫剤を噴射され
目覚めたる朝は地獄の火の中へ
銃弾の狙い定める暗殺者
隠し球ふところにテレビ討論会
人の名も繋ぐ襷も皆忘れ
蜻蛉に夢を託され親王様
貧しさにあらず無欲の証なり