水俣忌の巻/初裏/三
六 たわわに熟るる無花果の乳房 陽子(秋)
【初裏】
初句 モンローの唇吸はん熟れ葡萄 遊歩(秋・恋)
ニ 大統領の寝息やすらか 松太(雑)
三
再募集。
初句、修正。
【付句候補】
⚪︎
△
原爆を積んで飛び立つ爆撃機(酸模)
盗聴をされてゐるとはつゆ知らず(松太)
そばに立ち笑ふファーストハズバンド(嘉子)
×
核のボタン押したる夢に汗しとど
記念像右の手が指す原爆弾
鉱山の利権ゆさぶる後ろ盾
退陣を指折り数へモダン焼き
自讚するオリンピックの聖火消ゆ
一発の耳をかすめる銃の音
母親を聖女に祀る独裁者
三人の魔女の予言に惑はされ
核ボタン肌身離さず両陣営
逃避行北へむけて夜間飛行
候補者は厚顔無恥も売りにして
歓迎に戦犯呵々と高笑ひ
秋田犬のマサルは雪をかけ回り
広島の空真つ白な雲がゆく
潜水艦ソナー見守るGIカット
静かなる湖の釣舟をちこちに