水俣忌の巻/初裏/初句 再募集⑤
四 真白にあがる富士の噴煙 光枝(雑)
五 けふの月プテラノドンが掠め飛ぶ 嘉子(秋・月)
六 たわわに熟るる無花果の乳房 陽子(秋)
【初裏】
初句 モンローの唇を吸ふ熟れ葡萄 遊歩(秋)
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【付句候補】
⚪︎
モンローの唇が吸ふ黒葡萄
△
豪農のまだ三日目の披露宴(恭子)
一刻を競いて蟻は穴に入る(善子)
めづらしや腸たつぷりの初秋刀魚(尾燈子)
×
灼熱の列島冷やす秋の風
不作とて遠慮を知らぬ稲雀
十四五戸ほどの谷間へ天の川
新妻の笑窪まぶしき菊日和
生命満つ母なる地球天高し
長江の清渓くだり秋日和
今死にし人を照らして稲びかり
焼秋刀魚めし頬ばりて若棟梁
七歳で目覚め色鳥つぎつぎ来
命ひとつ海の泡より生まれきし
名刀は一陣の風鷹渡る
豊穣が尽きて火星を目指す旅
大陸に無音の軋み木の実降る
終末時計残りはわづか九十秒