なにもかも春の巻/初裏/初句
四 猫の屍を食らふ人影 文(雑)
五 御簾上げて平安城の月さやか りえこ(秋・月)
六 声ほそりつつ路地の蟋蟀 妖子(秋)
【初裏】
初句
再募集。
【付句候補】
・☆
・◯
軒下にところ狭しと菊の鉢(善子)
まるまると豚太りゆく豊の秋(杳平)
・●
抜き襟の女将もいまや残る菊
双眼鏡あますとこなく椋の群れ
もくもくと秋刀魚焼きゐる夕煙
夢でしか行けぬ故郷父祖の墓
秋冷の隠遁暮し慣れもせず
新幹線高速道も犇めきて
よたよたと万年床へ夜学生
今年酒三年ぶりの先斗町
隣家より秋刀魚の焼くる匂ひかな
畳にて死ねる幸せ枕経
激戦地跡累累とヒース咲く
正一位幟はためく宮相撲
芝濱を語る歌丸懐かしく
関取をめざす新弟子東大出
赤線の消えゆく日々の玉ノ井端
僧ひとり霧にまみれて山下りる
革命家上海バンドで船待てば
竿売が影長々と曳いて行く