古志鎌倉ズーム句会(2026年8月9日)
第一句座
•藤英樹選
【特選】
ぐらぐらと滾る大地へ今朝の秋 きだりえこ
五つ六つ病やしなひ秋に入る 園田靖彦
【入選】
寸々の大地のたうつ青田かな 長谷川櫂
筆立てに秋の団扇となりにけり 金澤道子
ほの白く昼寝したまふ生身魂 森永尚子
爆心地地球にいくつ人新世 きだりえこ
東京を一挙にさます大夕立 吉田順子
真白なる桃染め抜きて夏暖簾 関根千方
出征や夏炉囲みし五兄弟 西川遊歩
草引けば空へ飛び出す螇蚸かな 藤原智子
•長谷川櫂選 (推敲例)
【特選】
草の上に光うつろふ初秋かな 趙栄順
九相図を転げ出でしか桃の種 関根千方
昭和とふ褪せし麦藁帽子かな 萬燈ゆき
【入選】
灸花ここにも小さき花の神 仲田寛子
肉落ちて骨太々と生身魂 森永尚子
ぐらぐらと滾る大地へ今朝の秋 きだりえこ
けさ秋のすつくと蓮の莟かな 葛西美津子
補聴器の声よく通り秋に入る 藤英樹
好物の青梨三つ盆用意 木下洋子
ほの白く昼寝したまふ生身魂 森永尚子
秋晴れや足まかせとはもうゆかず 金澤道子
砂はたき茅ヶ崎の夏惜しみけり 葛西美津子
梧桐のあをき影さすプールかな 葛西美津子
突堤の夜釣りに届く出前かな 西川遊歩
朝夕に草へ水撒く原爆忌 藤原智子
五つ六つ病やしなひ秋に入る 園田靖彦
炎天の花瓶も花もみな瓦礫 イーブン美奈子
盆波に揺られて来たり死者の群 藤英樹
信心の村人総出麦を刈る 佐藤森恵
魂で生きてゐるなり生身魂 森永尚子
原爆ドーム炎熱の魂ゆらぎ出づ 葛西美津子
第二句座 (席題:門火、柘榴)
•藤英樹選
【特選】
迎火や一人の闇を一人焚き 趙栄順
真赤なる力蓄へ柘榴かな 藤原智子
【入選】
当分は裂ける気配のなき柘榴 金澤道子
はらからの最後となりて門火焚く きだりえこ
原爆図炎の中に柘榴あり 長谷川櫂
母ひとり門火あやしてゐたりけり 葛西美津子
せつかちな父は来たるか門火焚く 趙栄順
迎火が怖くて子どもしがみつく 森永尚子
口を開け日にぎらぎらと石榴かな 土井頼温
燦爛と柘榴とびちる天地かな 萬燈ゆき
•長谷川櫂選 (推敲例)
【特選】
言ひ返すべきであつたか柘榴食ふ 澤田美那子
柘榴割れ千の眼のびつしりと 葛西美津子
真赤なる力蓄へ柘榴かな 藤原智子
【入選】
明洞の木陰にどんと石榴売る 木下洋子
当分は裂ける気のなき柘榴かな 金澤道子
死後二十年夫を偲びて門火たく 吉田順子
燦爛と柘榴とびちる天地かな 萬燈ゆき
倒壊の家の門にも焚く火かな 関根千方
