古志仙台ズーム句会(2026年7月26日)
第一句座
長谷川冬虹選
【特選】
犬はみな涼しい場所を知つてゐる 平尾 福
火の国は水のまほらや心太 川辺酸模
倒木にかつと火のいろ梅雨きのこ 甲田雅子
雷鳥の雛ごと渡す双眼鏡 臼杵政治
【入選】
室外機だけが物言ふ酷暑かな 臼杵政治
ぼうふりを金魚は息を吸ふやうに 臼杵政治
父母のありし昔へ帰省かな 長谷川櫂
山峡の夏をゆたかに最上川 川村杳平
腹太き馬を引きゆく夏野かな 飛岡光枝
菊の井の水に放ちて心太 飛岡光枝
俳諧の真ん中にある夏炉かな 上村幸三
海山に行かずひと夏家鼠 及川由美子
天鵞絨の風湧く夏の芒原 臼杵政治
思ひ出の帯がゆらめく金魚かな 三玉一郎
長谷川櫂選(推敲例)
【特々選】
箪笥から若き日のまま藍ゆかた 佐藤和子
【特選】
一反の上布のしかと軽さかな 長井はるみ
夏草やクルスを覆ふ釘隠し 阿部けいこ
山ふぐは涼しく皿に盛られたり 武藤主明
炎熱の神のふるまふ暑さかな 上村幸三
【入選】
黒光る封人の家夏炉焚く 甲田雅子
山峡の夏をゆたかに最上川 川村杳平
敗戦忌愛国心の成れの果 三玉一郎
地獄から迎へにきたか蝉の殻 川辺酸模
花ざかり蓮の田んぼを日照り雨 甲田雅子
炎天や友を訪ぬる道遠く 川辺酸模
火の国は水のまほらや心太 川辺酸模
桃太郎より鬼を称ふる祭かな 齋藤嘉子
炎天を回してゐるや観覧車 佐伯律子
水馬を揺らして行きぬ遊覧船 平尾 福
第二句座(席題:玉虫、浜茄子、神輿)
長谷川冬虹選
【特選】
足どりの揃はぬ軽き神輿かな 佐伯律子
締込に惚れなおしたる神輿かな 長井はるみ
ぎらぎらと太陽を乗せ神輿来る 上村幸三
【入選】
玉虫や真の恋は秘めてこそ 長谷川櫂
玫瑰や砂に埋もれし家ひとつ 飛岡光枝
若衆の声の気負ひて大神輿 石川桃瑪
素戔嗚尊の暴るる神輿担ぎけり 齋藤嘉子
玉虫や錦の鎧背に負へる 石川桃瑪
氏子らも神もずぶ濡れ荒神輿 武藤主明
神輿所にさあ掻つ込んでしらす飯 長井はるみ
長谷川櫂選(推敲例)
【特々選】
はまなすや人魚の休むえぼし岩 三玉一郎
【特選】
玉虫のかんとぶつかる竹林 飛岡光枝
ぶら下がる子供らもゐて神輿かな 武藤主明
戦争のなき世をかつぐ神輿かな 三玉一郎
【入選】
素戔嗚尊の暴るる神輿担ぎけり 齋藤嘉子
玉虫の翅は被曝の深緑 宮本みさ子
閻王の前玉虫のとまりけり 上村幸三
担がれて神も驚く神輿ぶり 武藤主明
玉虫は地獄の炎抜け来たり 上村幸三
氏子らも神もずぶ濡れ荒神輿 武藤主明
玉虫はきみのこころを映しけり 三玉一郎
はまなすの骨と見まごふ白き花 佐伯律子
玉虫は太陽の翅ひろげ飛ぶ 甲田雅子
朽ち木かへせば百の玉虫帯を成す 齋藤嘉子
