古志金沢ズーム句会(2026年7月19日)
第一句座
当季雑詠
鬼川こまち選
【特選】
帚木のくれなゐ梅雨の明けにけり 間宮伸子
百日の優しさはじめ百日紅 近藤沙羅
白銀の月打ち返す夜の濯ぎ 玉置陽子
告げられし病としばし端居かな 安藤久美
炎天のひと日をしまふヴィシソワーズ 川上あきこ
厚き胸平和祈念原爆ひろばの像 田中紫春
【入選】
襟ゆるく老いの背なかや藍浴衣 松川まさみ
サングラス外して父の顔となる 田村史生
風鈴の遠音や星のまたたける 松川まさみ
我が体蝕む癌と昼寝をす 土谷眞理子
白南風の尻尾か庭に風が吹く 近藤沙羅
敵味方汗も涙もがしと抱き 田中紫春
遠回りの暮らしも良けれ捩れ花 川上あきこ
引越せぬ列島ねぶる暑さかな 安藤久美
父の手を払ひ駆け出す蛍の夜 稲垣雄二
青空やガラスのビルに鉾柱 花井淳
遠泳の子らに未来のごとく島 安藤久美
・長谷川櫂選
【特選】推敲せよ
やすやすと老ゆるもよろしパナマ帽 安藤久美
赤き舌列島ねぶる暑さかな 安藤久美
年寄りてどなたも歩くプールかな 氷室茉胡
【入選】
サングラス外せばもとの父の顔 田村史生
少女Aいま老女A木下闇 鬼川こまち
いつのまに靴紐解けてゐる極暑 氷室茉胡
蝉鳴くや新聞受けに朝来たる 清水薫
国分寺見えて遥かな夏野かな 橋詰育子
龍穴を抜くる早瀬に川床料理 泉早苗
箱眼鏡竜宮城の屋根の見ゆ 山本桃潤
甕の水死んで孑孑生まれけり 稲垣雄二
第二句座
席題:「蝦蛄」、「昆布」
鬼川こまち選
【特選】
昆布干すたちまち浜は海の底 稲垣雄二
昆布漁棹入道雲を突き刺さむ 藤倉桂
昆布干す光まみれを引きづりて 藤倉桂
【入選】
タンカーゆく松帆の浦の蝦蛄料理 泉早苗
オホーツクの白波たぐる昆布漁 玉置陽子
白き粉を噴いて涼しき新昆布 長谷川櫂
知床や熊とたたかひ昆布干す 橋詰育子
鋏の刃折れんばかりに新昆布 長谷川櫂
昆布干す女は背に赤子負ひ 藤倉桂
昆布引く千波万波たぐり寄せ 玉置陽子
・長谷川櫂選
【特選】推敲例
昆布刈る長きは波に持ち去られ 間宮伸子
知床や熊とたたかひ昆布干す 橋詰育子
甲冑の失せて裸の蝦蛄一貫 安藤久美
【入選】
闘ひに挑むかのごと蝦蛄を剥く 清水薫
タンカーゆく松帆の浦の蝦蛄喰らふ 泉早苗
蝦蛄を食ふ真白な歯のおそろしく 酒井きよみ
海底に昆布の緑森を成す 山本桃潤
知床の浜に小屋たて昆布刈る 橋詰育子
昆布刈暴るる海に育ちては 山本桃潤
昆布干す光まみれを引きづりて 藤倉桂
熊よけの大鈴鳴らし昆布干す 田村史生
