古志鎌倉ズーム句会(2026年7月12日)
第一句座
•藤英樹選
【特選】
赤ん坊の機嫌よろしき天瓜粉 木下洋子
西口はデートの終はり夕焼雲 佐藤森恵
大坂のネオンの海へ涼み船 西川遊歩
【入選】
好物を案外しらず初盆会 萬燈ゆき
人の世のなべて半分草むしる 園田靖彦
梅を干す戦争の世であればこそ きだりえこ
刃を入れて花と咲きたる祭鱧 趙栄順
一刀で彫るほほゑみの涼しさよ 長谷川櫂
炎天や我を忘れし母を訪ふ 趙栄順
•長谷川櫂選 (推敲例)
【特々選】
暁の寺の夜空へ涼み舟 西川遊歩
葛水や日光菩薩立ちたまふ きだりえこ
大阪の昔は知らず冷し酒 葛西美津子
【特選】
世界まだ輝きしころアロハシャツ きだりえこ
傲慢なトランプ下がる糸瓜棚 イーブン美奈子
水中花散るにはあらず穢れけり 吉田順子
風神が息吹きかけるヨットかな きだりえこ
大阪のネオンの海へ涼み船 西川遊歩
【入選】
七夕や幾度祈らば戦止む 澤田美那子
日が暮れて七夕竹へ風が吹く 金澤道子
また増えし薬地獄や蟻地獄 神谷宣行
梅雨明けて熱き太陽暴れ出づ 神谷宣行
白南風や塩きらきらとゆで卵 葛西美津子
朝顔の花も線香煙たがる 藤英樹
飴玉の地球をねぶる蟇 森永尚子
炎天や我を忘れし母を訪ふ 趙栄順
第二句座 (席題:百合、蚊)
•藤英樹選
【特選】
白き手や縞あざやかな蚊とまる 葛西美津子
山百合の花高々と咲き交はす 長谷川櫂
山百合に足触れさうなリフトかな 金澤道子
【入選】
自決する魂叫ぶ崖の百合 木下洋子
手のひらに重たき百合の莟かな おほずひろし
水替へてブラウスにまた百合花粉 金澤道子
玄関をうろつく蚊の二三匹 藤原智子
純白のいのち眩しき百合開く きだりえこ
いつの間に移動してある蚊遣香 田中益美
蚊を叩く一人になりしエレベーター 久嶋良子
朝見れば赤ん坊三つ蚊にさされ 田中益美
•長谷川櫂選 (推敲例)
【特選】
藪蚊縞蚊群れて愛すや我が庭を 神谷宣行
大仏の螺髪に憩ふ藪蚊かな きだりえこ
山百合や湖の名は忘れたり 森永尚子
純白のいのち眩しく百合ひらく きだりえこ
うかつにもへなへなの蚊に逃げらるる 仲田寛子
【入選】
蚊のたてる声にも怯ゆ防空壕 きだりえこ
自決する老婆が叫ぶ崖の百合 木下洋子
手のひらに重たき百合の莟かな おほずひろし
あかあかと鬼のあばたの百合の花 西川遊歩
玄関をうろつく藪蚊二三匹 藤原智子
百合の香に生者も死者も集ふかな 趙栄順
見えぬ蚊が耳元を飛ぶ真暗闇 イーブン美奈子
花束の百合香を放つ誕生日 吉田順子
蚊を叩く一人つきりのエレベーター 久嶋良子
払つても打つても薮蚊食らひつく 木下洋子
