古志鎌倉ズーム句会(2026年6月14日)
第一句座
•藤英樹選
【特選】
たなごころゆるゆるゆるめ鮎放つ 園田靖彦
一管の音たちあげる涼しさよ 園田靖彦
しづかなる光に満ちて袋角 森永尚子
一念のしんと血を吸ふ薮蚊かな 長谷川櫂
【入選】
ぱらぱらと水弾きけり初茄子 藤原智子
抜けし髪戻りて五年さくらんぼ 神谷宣行
羊羹の肌艶やかに緑の夜 萬燈ゆき
テーブルにさみどりの影花海芋 葛西美津子
不遜なるバブル名残のサングラス 西川遊歩
ヨット駆すわがままな風おもしろし 金澤道子
•長谷川櫂選(推敲例)
【特々選】
テーブルへみどりの影を花海芋 葛西美津子
【特選】
抜けし髪蘇りけりさくらんぼ 神谷宣行
青春のあとは昼寝の五十年 神谷宣行
東塔から西塔へハンモック きだりえこ
かくてまた少年の日へ草の笛 園田靖彦
戦争をぎゆつと絞つて胡瓜もむ きだりえこ
【入選】
朴の花天香具山さながらに 仲田寛子
香水や母なき母の誕生日 萬燈ゆき
たなごころそつとゆるめて鮎放つ 園田靖彦
金色の翼捥がれて昼寝覚 きだりえこ
次男にも背丈抜かれて昼寝覚 藤原智子
短夜の水音激し妻に癌 神谷宣行
第二句座 (席題:蟻地獄、黴)
•藤英樹選
【特選】
黴なくば生きては行けぬ我らかな 園田靖彦
黴もまた我が詩となれ黴の世の 澤田美那子
いつの間にか我につきけり黴の花 澤田美那子
【入選】
深閑と刻のとまりし蟻地獄 萬燈ゆき
ひたすらに待つ歓びの蟻地獄 澤田美那子
黴の世とおもへば黴も美しき 長谷川櫂
次の間に原稿待てり黴の宿 葛西美津子
ずつしりと黴て重たき鞄かな 長谷川櫂
音もなく砂さらさらと蟻地獄 金澤道子
心せん身内に黴の生えぬやう 金澤道子
気付かれぬ死などあるかは蟻地獄 葛西美津子
黴の香や制服今だ捨てられず 久嶋良子
黴もまた青き地球を出られざる 関根千方
•長谷川櫂選(推敲例)
【特々選】
蟻地獄すでに地球も飲まれけり 佐藤森恵
【特選】
西国の砂の白さの蟻地獄 萬燈ゆき
ひたすらに歓びを待つ蟻地獄 澤田美那子
黴の世の黴もまた我が詩となれ 澤田美那子
牙ふたつ砂に隠しぬ蟻地獄 イーブン美奈子
観音の大慈の庭に蟻地獄 萬燈ゆき
【入選】
白昼の邸しづかや蟻地獄 佐藤森恵
黴の家守る幾年黴の妻 イーブン美奈子
観音の一番札所蟻地獄 金澤道子
無添加のパンの誉れの白黴よ 木下洋子
日本国憲法の黴ぬぐはばや きだりえこ
月光をあびてしづかに蟻地獄 森永尚子
