古志広島ズーム句会(2026年6月7日)
第一句座
矢野京子選
【特選】
投げ入れよ百合も梯梧も夏怒濤 大場梅子
蟻群れて影のごとくに動くなり 長谷川櫂
蝉の穴出づれば人の世も闇か 矢田民也
閻王の笑ひ出したる暑さかな 神戸秀子
尺取の戦争嗤ふ伸び縮み 城山邦紀
【入選】
手仕事を習はずじまひ青山椒 加藤裕子
マンションは樹海の上よ青嵐 神戸秀子
大甕の味噌よく熟れて若葉風 今村榾火
ぼうふりや世界の果の浮き沈み 城山邦紀
冷し酒枡溢れけり真珠婚 石塚純子
竹婦人核も抱かばやすらぐか 瑞木綾乃
故郷の川の鰻を供へんと 加藤裕子
短夜やなごりを惜しむ母の骨 長谷川櫂
立葵切ればこぼれる子蝸牛 上松美智子
長谷川櫂選(推敲例)
【特々選】
ただ一夜生きて死にたる金魚かな 矢田民也
【特選】
蚕豆のまた戻りたき莢の中 斉藤真知子
沖縄忌あの日の波をけふもまた 斉藤真知子
戦争を嗤う尺取り伸び縮み 城山邦紀
【入選】
河骨やまだ誰も来ぬ朝なりき 今村榾火
よれよれの麦わら帽を捨てられず 大場梅子
第二句座(席題:夏帽子、蚊)
矢野京子選
【特選】
パナマ帽江の電を待つ笠智衆 大場梅子
まかり出て汝は薮蚊の太郎冠者 長谷川櫂
夏帽子どこに立ちても日の匂ひ 高橋真樹子
【入選】
パナマ帽こう被れよと祖父の粋 瑞木綾乃
麦匂ふ帽子問屋の前を過ぎ 加藤裕子
蚊の声をつれて入りけり美術館 今村榾火
夏帽子兄は黄色よわれは赤 加藤裕子
かくれんぼして蚊柱に囲まれて ももたなおよ
長谷川櫂選(推敲例)
【特選】
蚊柱を離れて一つさまよへり 城山邦紀
破れしまま土光敏夫の夏帽子 加藤裕子
麦藁のひかり編みこむ夏帽子 矢田民也
【入選】
パナマ帽こう被れよと祖父の粋 瑞木綾乃
パナマ帽江の電を待つ笠智衆 大場梅子
おもしろきほどに藪蚊のまとわり来 瑞木綾乃
蚊を打つて生臭き手を洗ひけり 安藤文
水たまり孑孑どもの大宇宙 ストーン睦美
