古志金沢ズーム句会(2026年5月17日)
第一句座
当季雑詠
鬼川こまち選
【特選】
蟻押さふ逡巡の指浮かしけり 松川まさみ
着替へをる夫の裸に驚かず 土谷眞理子
被曝牛と生きる覚悟や雲の峰 密田妖子
くれなゐの波打ち寄せる初句集 梅田恵美子
母の日のレジ打つ人も母ならん 田村史生
夏場所や関取衆は染め抜きで 近藤沙羅
逆転の妙手の浮かび菖蒲風呂 氷室茉胡
【入選】
草取りの爪にいのちの色残す 松川まさみ
けふ立夏鎮守の森の紙芝居 藤倉桂
一周忌五月の風を連れ来しか 川上あきこ
風神も雷神も呼ぶ荒神輿 宮田勝
我が心大きくせんや夏帽子 土谷眞理子
柏の葉山と積まれし餅屋かな 田村史生
カクテルの青や蛍狩の余韻 花井淳
春筍は獣のごとく息ひそめ 趙栄順
壺焼や身より大きな肝を抜く 酒井きよみ
仲直りの切つ掛けにせむ新茶汲む 氷室茉胡
新樹放つ全力といふ意思のあり 駒木幹正
・長谷川櫂選
【特選】推敲例
昔からとどかぬ処朴の花 泉早苗
母の日やレジ打つ人も母である 田村史生
岩塩の水晶を挽く立夏かな 玉置陽子
【入選】
柏の葉山と積まるる餅屋かな 田村史生
畳まれて蔵に戻りぬ鯉幟 田村史生
マロニエの緑踊るよ皿の上 玉置陽子
うすものに透ける命の真紅 飛岡光枝
花合歓のくれなゐそよぐ初句集 飛岡光枝
第二句座
席題:「雷」、「噴水」
鬼川こまち選
【特選】
噴水に濡れぬ小便小僧かな 川上あきこ
噴水に濡れたくなくて濡れたくて 清水薫
雷のにほひがしたり御輪蔵 泉早苗
虚空から噴水の風湧き立てり 玉置陽子
【入選】
雷の中下校児泣いて走り来る 密田妖子
噴水の風下が好き悪太郎 清水薫
一時間噴水を背に待ちぼうけ 梅田恵美子
噴水の止むまで君を待つつもり 氷室茉胡
雷鳴りて命がけなる下山かな 橋詰育子
雷の叱声めくや今更に 越智淳子
噴水や月を濡らしてしまひけり 田村史生
・長谷川櫂選
【特々選】推敲例
形かへゆく大噴水の孤独かな 近藤沙羅
青春は夜の噴水に濡れゐたり 稲垣雄二
雷の空いつぱいに抽象画 近藤沙羅
【特選】
雷にわが家の割れんばかりかな 橋詰育子
噴水は天使の翼広げたり 飛岡光枝
白昼の夢の噴水やみにけり 趙栄順
噴水に濡れたくなくて濡れにゆく 清水薫
【入選】
何事もなき日や雷鳴轟けり 梅田恵美子
噴水の虹立つ君の誕生日 鬼川こまち
雷の近づいて来る句会かな 田村史生
噴水のてつぺんなぶる山の風 玉置陽子
噴水は風に押されて戻らんと 山本桃潤
噴水や夕日微塵に落ちつづく 飛岡光枝
雷の山へ行者の白き列 安藤久美
雷に命がけなる下山かな 橋詰育子
虚空から大噴水の湧き立てり 玉置陽子
