古志仙台ズーム句会(2026年4月29日)
第一句座
長谷川冬虹選
【特選】
生れ出てまだ白玉のこころかな 三玉一郎
戦争のあとも戦争柏餅 長谷川櫂
片減りの包丁研ぐや昭和の日 武藤主明
戒名もなくて子猫の百余年 臼杵政治
【入選】
月のうらめぐりてもどる春の海 上村幸三
軽トラの集まつて来る代田べり 平尾 福
水撒くやねぎ苗の根に届くまで 宮本みさ子
群青の沈黙の海水俣忌 三玉一郎
葉ざくらを砦に原発建屋かな 宮本みさ子
償へぬ罪を背負うて遍路ゆく 長谷川櫂
俎板は音立てるべし蕗の味噌 及川由美子
孫すでに我の背を超す端午かな 及川由美子
太宰府のあちらこちらの田植かな 長谷川櫂
長谷川櫂選(推敲例)
【特々選】
その中を白い蝶々花吹雪 那珂侑子
富士を横に舟走らすや初鰹 齋藤嘉子
春山を舐め尽くしては火走る 武藤主明
【特選】
水撒くやねぎ苗の根の濡るるほど 宮本みさ子
太き指母に似て蕗剥きにけり 宮本みさ子
御料車に映る万朶の桜かな 佐伯律子
粽作らん一升枡の出番かな 長井はるみ
行く春とそぞろに歩く堤かな 齋藤嘉子
【入選】
食卓の大皿小皿独活づくし 佐藤和子
沈黙の群青の海水俣忌 三玉一郎
翻る洗濯物や五月富士 那珂侑子
さきみつる桜の街に陛下来たり 佐伯律子
指につく茉莉花の香りかと思ふ 石川桃瑪
風まかせ飛ぶも止まるもベニシジミ 佐伯律子
花水木咲けばもうすぐ誕生日 那珂侑子
城址はだだ広き野に鼓草 及川由美子
背後より山火事せまる木の芽かな 武藤主明
乳母車車輪つかりぬ汐干狩 齋藤嘉子
みちのくに地震の巣あり鳥曇 武藤主明
評判の餅屋訪ねん花の道 三玉一郎
よく晴れてさても初音の朝かな 長井はるみ
初燕けなげに古巣繕へり 青沼尾燈子
第二句座(席題:昭和の日、すずらん、むつごらう)
長谷川冬虹選
【特選】
泥の世を上目使ひのむつ五郎 上村幸三
空を飛ぶ練習してゐる鯥五郎 齋藤嘉子
むつごらうと呼ばれお前も末つ子か 臼杵政治
鈴蘭のどこに毒ある白さかな 佐伯律子
【入選】
建て替へてまた建て替へて昭和の日 臼杵政治
昭和の日街頭テレビの力道山 石川桃瑪
睦五郎大き眼で浦守る 宮本みさ子
黒焼きの鯥五郎出づ有明膳 石川桃瑪
捨てきれぬ赤いネクタイ昭和の日 武藤主明
昭和の日紙の兜の恐ろしき 上村幸三
睦五郎とる人もまた泥の中 平尾 福
干潟から乾坤一擲ムツゴロウ 及川由美子
身のはては高々と飛ぶむつごらう 上村幸三
長谷川櫂選(推敲例)
【特選】
昭和の日紙の兜の恐ろしき 上村幸三
【入選】
昭和の日肩寄せ合ひし防空壕 石川桃瑪
睦五郎とる人もまた泥の中 平尾 福
昭和の日たたけば映るテレビかな 齋藤嘉子
園児みな令和の生まれ昭和の日 長谷川冬虹
混沌の今が過ぎ行く昭和の日 川村杳平
