「種浸しの巻」巻き上がりました
《連衆》青沼尾燈子、柴田清栄、氷室茉胡、園田靖彦、川村杳平、秋蘭、池田祥子、斎藤真知子、おほずひろし、飛岡光枝、三玉一郎、松井恭子、川辺酸模、佐々木まき、湯浅菊子、上田雅子、岩井善子、長井亜紀、木下洋子、長谷川明彦、土井緑天、越智淳子、西川遊歩、北側松太、長谷川櫂(捌)、25人
2019・4・29~6・21
【初折の表】
発句 力ある種となれよと浸しけり 園田靖彦(春)
脇 遠く近くに鳴く昼蛙 まき(春)
第三 はるか来て押すな押すなの伊勢参り 真知子(春)
四 令和饅頭飛ぶように売れ 酸模(雑)
五 月清く黄菊白菊咲き揃ふ 秋蘭(秋・月)
六 肌も眩しく奉納相撲 酸模(秋)
【初折の裏】
初句 天高く笑顔でこなす大リーグ 清栄(秋)
二 地下鉄の窓人種の坩堝 祥子(雑)
三 ノアとその許されしもの方舟に 善子(雑)
四 新婦の髪にオリーブの花 光枝(夏・恋)
五 オートバイで追ひかけ回すパパラッチ 靖彦(雑)
六 巷にひそむナチス残党 遊歩(雑)
七 夏の月ユダヤの夢のハリウッド 遊歩(夏・月)
八 地鳴りも凄きティラノザウルス 櫂(雑)
九 隕石にしめ縄を張る御神体 恭子(雑)
十 札束ドンと裏口入学 一郎(春)
十一 花吹雪たらひ回しの救急車 酸模(春・花)
折端 涅槃絵に泣く衆生愛しき 菊子(春)
【名残の表】
初句 青空を迦陵頻伽の鳴き渡る 秋蘭(雑)
二 背に彫り込む花魁の顔 祥子(雑)
三 いろはから教へてやりし初心な人 恭子(雑・恋)
四 泥鰌掬ひもいまは名人 ひろし(雑)
五 コーヒー園拓きて苦節三十年 櫂(雑)
六 サッカー選手めざす曽孫 まき(雑)
七 七月の空青々と聖火燃ゆ 一郎(夏)
八 つぎつぎ出荷高原キャベツ ひろし(夏)
九 噴煙をけさも静かに浅間山 善子(雑)
十 老優ひとり隠れ住む秋 光枝(秋)
十一 亡霊のさ迷ふ荒野月青く 光枝(秋・月)
十二 倫敦塔の空鳥わたる 遊歩(秋)
【名残の裏】
初句 スコーンにクロテッド・クリームたつぷりと 櫂(雑)
二 波の音きく大人の時間 杳平(雑)
三 追憶のはるかな空を船はゆく 善子(雑)
四 人魚のあそぶ歌は春風 雅子(春)
五 海のなか竜宮城も花ざかり 松太(春・花)
挙句 亀の子の這ふ苗代の泥 櫂(春)
四句 櫂
三句 光枝 酸模 善子 遊歩
二句 ひろし まき 一郎 恭子 秋蘭 祥子 靖彦(発句)
一句 菊子 雅子 真知子 清栄 杳平 松太