三島句会(2019年5月4日)
・第一句座
【特選】
見得切つて虚空をにらむ牡丹かな 二本
鰺刺の群を運んでモンスーン 二本
亀鳴くや三島の水にながらへて 二本
パンジーの花殻すぐに手にあふれ 紀子
茹でたてのアスパラガスの鼓動かな 佳江
支那鍋に戦ひの音夏料理 菊子
しづけさの果にひとつの泉湧く 一郎
【入選】
玉葱に白き光の重さかな 空
子らが手で大きさ計るチューリップ 克紀
まだ知らぬ空の裏がは小鰺刺 二本
蜜豆や年とつて目の小さくなる 通江
やはらかき終の一滴新茶の香 克実
渋滞の車の反射夏めきぬ 通江
藻の花や風のごとくに水流る 通江
風だけが動いてゐるよ夏館 通江
庭仕事少し休まん初蝶来 桂久
チューリップにもあるかしら夜の顔 佳江
富士の水うましうましと行々子 二本
種蒔くや指尺で間を計りては まさ子
蕗刈りて十連休も半ば過ぎ 紀子
・第二句座
【特選】
新緑の上馳けてゆく雲ひとつ 空
木下闇アイヌも知らぬ道なき道 真樹子
ほたるいかやたら大きな目玉あり 克実
【入選】
筍の太きは立てて売られをり まさ子
新緑の道で左右に別れけり 克実
新緑や木々を流れる水の音 空
水割の氷の音や緑さす 桂久
弁当の掛紙白き五月かな 佳江